まとまったお金はどうしたらいい?一括・積立投資の選び方と運用方法とは

青木博史
青木博史

1.はじめに

まとまったお金があるけど、一括投資のほうがいいのか、それともつみたてNISAのように期間を分けて積立投資をしたほうがいいのか、迷っていませんか?

せっかくまとまった資金があるのに積立投資だと、残っている資金が銀行に預けられたままでもったいないと思っている方も多いのではないかと思います。

金融商品への投資では、主に、対象とする商品を1回でまとめて購入する「一括投資」と、少額で継続的に投資する「積立投資」に分けることができます。積立投資と一括投資にはそれぞれメリット・デメリットがあるので、自身に合った投資方法を選ぶ際は、その特徴や注意点をよく把握した上で検討することが大切です。

この記事では、積立投資と一括投資の違いやメリット・デメリットについて詳しく解説するので、どちらを選べばよいかで悩んでいる方や運用方法について調べている方は、参考にしてみてください。

2.積立投資の特徴は?

まずは積立投資の詳しい特徴から確認してみましょう。

2-1.ドルコスト平均法のメリットが受けられる

上の2つの表は、300万円を一括で運用した場合と、毎月5万円をドルコスト平均法(積立投資)で運用した場合を比較した表です。ドルコスト平均法は、価格が安い時には、たくさん買うことができて、平均購入単価を安くすることができます。資産の価格が当初より戻っていない回復局面でも、一括投資より資産の回復が早いことが特徴です。

2-2.短期間での利益は期待できない

定期的に定額をコツコツ積立てていくので、短期間での利益は期待できないことです。投資元本が増えるまで時間がかかるかるので、積立投資は、10年以上を前提とした長期で運用する前提で行いましょう。資産の使用目的は何か、いつ使うのかを考えて投資することも大切ですね。

2-3.お金を働かすことができない

少額を積み立てていくので、運用できない資金が長く残ってしまうという状況が発生します。

3.積立投資のメリットとデメリット

上記の積立投資の特徴から、メリットとデメリットを整理してみます。

3-1.積立投資の3つのメリット

  • 少額・分散投資によるリスク軽減
  • 投資の手間が少ない
  • 長期継続による複利効果を期待できる

積立投資の1番のメリットは、定期的に少額ずつ金融商品を購入する投資方法であるため、資金負担が少なく、長期継続をしやすいことです。

また、毎月決まった商品を定期・定額で購入することができるので、投資の手間を少なくすることができるのも魅力的です。積立投資のサービスを提供している多くの金融機関や証券会社では、自動買い付けの設定が可能で、支払いも銀行口座から自動的に引き落としてくれるので、入金手続きの手間もかかりません。

そして、投資で得た利益を再投資する方法を複利運用と言いますが、積立投資を複利で運用すると、毎月得た利益がその都度元本に組み入れられます。よって、長期で継続するほど複利効果の恩恵も多くなり、将来の目標額も達成しやすくなるというメリットがあります。

3-2.積立投資の2つのデメリット

  • リターンが小さい
  • 投資コストが大きい

投資におけるリターンは、通常、投資額の大きさに比例します。積立投資は決められたタイミングで少額ずつ商品を購入する投資方法なので、上昇相場でもリターンは小さくなりやすいのがデメリットです。

また、積立投資で継続的に運用していく場合、投資コストは一括投資よりも大きくなります。一般的に金融商品の購入には、購入時手数料・運用期間中の管理費用・解約時手数料などの投資コストがかかります。積立投資では毎月の購入や長期の運用を伴うため、一括投資以上に投資コストが負担になります。

そのため、積立投資の金融商品を選ぶ際は、コストの安いものも優先して選ぶことも重要です。また、売却益や分配金に対する税金も利益の減少に繋がるため、つみたてNISAなどの税制優遇制度を活用するのがおすすめです。

4.一括投資の特徴は?

次に積立投資の詳しい特徴について確認します。

4-1.銀行に余剰資金が残らない

一括で投資するので、銀行に余剰資金が残らず効率的に運用ができます。

4-2.短期間に資産を大きく増やせる可能性がある

まとまった資金を投資できるので、経済の上昇局面で投資することができれば、短期間に資産を増やせる可能性があります。

4-3.下落時の資産の減少幅が大きい

短期間で資産が増やせる可能性がある一方、下落した場合の資産の減少幅も大きいです。一括投資した後に市場が暴落して投資信託の価格が15%下がった場合、もし、100万円投資していたら85万円になります。結構大きい金額だと思いませんか。投資初心者の方であれば、なおさら精神的ダメージが大きいでしょう。

長期的には世界経済の成長とともに右肩上がりが期待されていますが、直近では2020年2月から3月にかけて日経平均株価が30%程度下落したように、経済が大きく停滞したり後退したりする局面は繰り返しやってきます。この停滞(下落)局面というのは、1年くらいの場合もあれば、過去にはもっと長く停滞した期間もあります。

そのような状況で、そろそろ相場が回復するだとうと思って一括投資しても、さらに相場が落ち込み、2、3年もの間大きく資産が減っていく状況が続く可能性があるということを理解しておきましょう。

どこが相場の底かはわかりません。資産がマイナスになることでどのくらい耐えられるかは、人それぞれであり、投資の経験値も影響します。

5.一括投資のメリット・デメリット

上記の一括投資の特徴から、メリットとデメリットを整理してみます。

5-1.一括投資の2つのメリット

  • 短期間で大きなリターンが狙える
  • 複利効果は積立投資より大きい

株式投資やFXをはじめとする一括投資では、相場が急上昇した場合や逆に低迷している時などでも、短期間で大きなリターンを狙えるのがメリットです。

例えば、100万円を1ヶ月1万円で積立投資する場合と、一括投資する場合、翌月に30%上昇しただけでも両者の差は100倍になります(積立投資の含み益3,000円、一括投資の含み益30万円)。

また、積立投資でも複利効果は期待できますが、今までに得た利益を含めた一括投資のほうが投資額は大きいため、そのぶん複利効果も大きくなります。ある程度のリスクは伴うものの、より早く目標額を達成したいときは資産形成スピードの早い一括投資のほうがおすすめです。

5-2.一括投資の3つのデメリット

  • まとまったお金が必要
  • リスクが大きい
  • 手間がかかる

一括投資は短期で大きなリターンを狙えるものの、そのためにはまとまった資金が必要です。例えば、証券取引所で公開されている上場企業の株式を購入する場合、1株5,000円の銘柄なら取引できる最低購入単位(=単元株数)は、5,000円×100株=50万円となります。

株価は銘柄によってそれぞれ異なるので、これ以下で投資できる場合もあれば、100万円以上が必要になる場合もあります。しかし、いずれにしても一月100円からでも投資できる積立投資と比較すれば、資金面でのハードルは高いと言えます。

また、投資資金を増やせば、そのぶんリスクも高くなります。そのため一括投資では、経済環境が悪化して下げ相場に突入すれば、含み損は積立投資と比べてかなり大きくなります。特に投資初心者の方が、このような大きな下落を経験すると怖くなって投資自体を断念するケースも少なくありません。

短期で大きなリターンを狙う場合、相場動向の見極めや、将来性・成長性の期待できる銘柄選びが欠かせません。時価の変動がリターンに直結するので、経済全般から相場に影響を及ぼす可能性のある政治情勢や社会動向、企業の状況なども個別に注視する必要があります。

このように、一括投資では、積立投資に比べて市場動向の監視等をするための時間や手間が大きな負担になる場合もあります。

6.積立投資が向いている人

積立投資は、一度の投資に大金を準備しにくい方や、毎月の余裕資金の一部等で投資したい方などにおすすめです。金融機関や証券会社によっては、100円や1,000円から利用できるサービスも提供されています。少ない金額から徐々に増やして長期にわたって継続していけば、将来の資産形成も実現しやすくなります。

また、積立投資は、あまり投資の手間をかけたくない方、将来に備えてお金をじっくりと準備していきたい方にも適しています。定期的に購入する投資対象のタイミングや金額を自由に指定することができるので、投資にかかる手間が少ない上、購入価格の平準化によるリスク低減効果も期待することができます。

そのため、投資の知識が乏しく金融商品を購入するたびに市場や銘柄分析などをしたくない方、市場や企業などの動向を常時チェックするなどの手間をかけたくない方、多額の資金による投資でリスクを高めたくない方などにも適しています。

7.一括投資が向いている人

一括投資では、短期間の時価の上昇で大きなリターンを狙うことができるので、投資してからできるだけ早く利益を確保したい方に向いています。例えば、相場が低い時にまとまった金額で購入し、相場の回復時などに一気に売りさばいて利益を得たい方などに一括投資はおすすめです。

ただし、一定程度のまとまった余裕資金を投資に回せる方や、高めのリスクを許容できる方であることが条件となります。短期で大きなリターンを得やすいぶん、元本を大きく毀損する可能性もあるので、時価変動によるリスクに耐えられる方でないと適切な運用は難しくなります。

また、一括投資では購入の度に市場や企業等の分析・評価といった作業が重要となるため、ある程度の投資の知識や経験が必要な上、それらに費やす時間も少なからずかかる点に留意しましょう。

8.まとめ|まとまったお金はどうしたらいい?一括・積立投資の選び方と運用方法とは

一括投資と積立投資はそれぞれ一長一短です。一括投資は短期のリターンを狙いやすいものの、まとまったお金が必要で、ある程度のリスクも許容する必要があります。一方、積立投資は、短期的なリターンは狙いにくいのですが、少額でリスクを抑えながら長期的に資産形成を狙うことができます。

一括投資と積立投資のどちらがおすすめなのかは、個人の資産状況や投資目的によって異なります。これから投資を始める方は、両者のメリット・デメリットをしっかりと把握した上で、自身にあった投資方法や投資対象を検討するようにしましょう。

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