中学生からはじめる投資の勉強方法

青木博史

1.はじめに

「投資は早く始められるならなるべく早い方がいい」と聞くと、投資をしたことのない人は「早くても成人してから」と捉えるかもしれません。

しかし、それは少し違います。

投資家が勧める、「投資は早く始められるならなるべく早い方がいい」と言うのは、大袈裟ではなく「出来るなら生まれたらすぐ」くらいの速さで始めた方がいいというニュアンスです。

とはいえ、今のこの日本の金融教育事情からすると、さすがにゼロ歳から我が子に投資をさせたいと思う親御さんはいないと思います。

では、中学生ならどうでしょう。
中学生になり、投資に興味を持つという方が現れるのは、そんなにおかしいことではありません。

そして、中学生であっても株の世界を知ってしまうと、「株でお金持ちになりたい!!」と思うようになります。そんな夢を見ることができるのが株式投資の世界です。

普通の中学生であれば株式投資には縁がないことが多いです。
ですから、株式投資を始めようと思っても、全く分からないので不安だと思います。

しかし、株取引の全体像や勝てるコツを知っていくとその不安は消えていきます。

「株を始める前にすべきことは?」
「そもそも株って何?」
「株式投資ってどのくらいリスクがあるの?」

などなど、中学生でも「株を始めたい!」と思うのであれば、
それはとても良い方向性だと思います。

ただし、始める前に抱えている疑問点を解決しなければいけません。
この記事では中学生から始める株式投資のメリットと勉強方法について解説していきます。

2.中学生から株を始めるメリットと始め方

投資をしたことのない人からすれば、

  • 「え?中学生でも投資って出来るの?」
  • 「まだ未成年者だから速すぎでしょう」
  • 「せめて責任が取れる年齢になるまではやめた方がいい」

という意見になるかもしれませんが、中学生から株を始めることのメリットを知ることで考えが変わるかもしれません。

また、今、中学生で、株に興味があり、やってみたいと考えている方であれば、始めるにはいくつかのハードルを越えないといけないということも知るべきでしょう。

この章では、中学生が株を始めるメリットと始めるために乗り越えなければいけないハードル、そして始め方について解説します。

2-1.中学生から株を始めるメリット

中学生から株やお金の勉強をしておくと社会人になってから資産増加が加速します。
これが最大のメリットです。

そもそも日本では、昔から「お金は汚いもの」とか「お金に執着するのは卑しい」などというイメージが定着しています。しかし、実際はお金は汚いものどころか、お金がなければ毎日の生活が送ることができません。

つまり、お金は絶対に必要なものなんです。そんなお金を汚いとか卑しいとか言うのは、時代遅れの偏見です。ちなみに、お金持ちは絶対にそんなことは言いません!

実は、お金の話はすっごく面白いです。ここでは、株にフォーカスしますが、株をきっかけに経済や政治や金融について興味が湧けば、毎日がとても楽しくなりますから、まずはお金に対する偏見を捨てましょう。

2-2.中学生が株をしたいと親に言ったら反対されるのが普通

一般的な話ですが、株を始めようと思い立った中学生が両親(母親が多い傾向にあります)に、「株をやってみたい」と話しをすれば、たいてい「ダメだ!」のひと言で終わってしまいます。

頑張って食い下がっても、「子供には早い!」とか「自分で稼げるようになってからやりなさい」と言われることが多いはずです。

場合によっては、「投資するお金はどんな金だ?」とトドメを刺されます。コツコツとお小遣いやお年玉を貯めた自分のお金なのに、まるでギャンブルや賭け事など「世間体の悪いこと」をするかのような言われようをするかもしれません。

いつも寛容・寛大な両親でも株となったら反対することが多いのが現状です。その理由は、

  • 両親が株式投資に関して何も知らない
  • 両親が以前、株式投資で大きな損を出した経験がある
  • 株はギャンブルと同じでリスクが大きいと考えている

と、この3つに集約されます。

株はスポーツと同じで、練習をしていくことで上達します。

つまり、株も上手くなるためには早いうちからたくさん経験を積んでおくべきなのです。株式投資をするにあたり、トレード技術、金融知識、リスク管理など身に付け、実践に落とし込む。

これを繰り返し、練習する。練習の積み重ねが経験となるわけです。経験なくして絶対に上達するわけがないですから、そういう意味でも投資は早くから始めた方が有利なのです。

普通の親がやめなさいと言うのは、大損した時が怖いからで、いたって普通の対応です。

なので、時間をかけて説得していくしか方法はないでしょう。
根気よくご両親と話し合いをすることが肝心です。

2-3.株を始めるためにまずは両親に頼んで証券会社で口座を開設しよう

株を始めるには、まずは証券会社の口座が必要になってきます。もし、両親の同意が得られれば、両親に口座開設をしてもらいましょう。

株の売買は、証券取引所で行なわれています。だからと言って、私たち個人投資家が株を売買を証券取引所と直接取引をすることはできません。

そこで、証券会社を通じて株の売買をすることになります。言い換えると、証券会社に注文を出し、その注文を証券会社が代行して、取引所で売買をするという仕組みです。

ですから、株を始める前にすべきことは証券会社での口座開設です。証券会社の口座にはちょっと時間がかかるので、両親に丁寧にお願いしてやってもらいましょう。

日本には、たくさんの証券会社があります。我々が使うのは、ネット証券といわれる証券会社です。売買手数料が安く、機動的にトレードできるネット証券を使うのがベストです。

しかも、インターネット環境があれば、24時間どこにいても取引が可能です。いまなら、スマホを使ってトレードが出来るので、場所を選ばずとっても便利です。

では、どこの証券会社を使えば良いのか?

考えてもよく分からない方は、個人投資家に人気の3社、楽天証券、SBI証券、マネックス証券に申し込むと良いでしょう。

もちろん、両親がすでに持っている証券会社でも大丈夫です。しかし、手数料にだけは注意してください。

証券口座の新規開設は、住所、氏名、銀行口座、マイナンバーなどが必要で、ちょっと面倒です。根気よく、一気に済ませておきましょう。

3.株を始める前に株の売買の全体の流れを知ろう

証券会社の口座開設が完了したら、次は証券会社へ送金します。実際に売買するまでの大まかな流れは以下になります。

①証券会社に送金する

②銘柄を決める

③何株買うのかを決める

④注文方法を決める

⑤買い注文の有効期間を決める

⑥買った銘柄の売り注文を出す

①証券会社に送金する

証券会社から、口座のログインID・パスワード送られてきたら、いよいよトレード準備完了です。さっそく、証券口座に投資資金を送金しましょう。

なお、送金に当たっては、振込手数料が不要だったり、リアルタイムで送金できたりと、証券会社によって多少異なることもあるので、確認しておきましょう。

②銘柄を決める

まずは、勝てそうな銘柄を決めることが、株式投資の最重要ポイントのひとつになります。

銘柄には証券コードと言われる数字とセットになっています。ここで、証券コードとは取引所に上場されているすべての企業に割り当てられた4ケタの数字のことです。

銘柄コードとも言われ、例えば、DeNAであれば2432、パナソニックであれば6752、トヨタ自動車であれば7203、ソフトバンクグループであれば9984などで表されています。

出来れば銘柄名と一緒に4桁の数字も覚えてしまいましょう。

③何株買うのかを決める

株を売買する場合は、すべての銘柄が1株ずつ取引されているのではなく、それぞれの銘柄ごとに最低限の売買株数が定められています。これを売買単位といいますが、1株単位、50株単位、100株単位、500株単位、1000株単位などさまざまです。

ただ、ほとんどの銘柄は100株単位、もしくは1000株単位で取引されています。もちろん、株を購入する際には、株価に売買単位をかけた金額がトレードに必要な最小限の資金になります。

④注文方法を決める

いろいろな注文方法がありますが、まずは、「成行注文」、「指値注文」、「逆指値注文」という3つの注文方法だけを覚えてください。

まず、成行注文ですが、株価を指定せず株数のみ指定して取引を行う方法で、そのとき売買されている値段で約定(取引が成立すること)する注文方法です。

成行注文は、株価を指定しないため、買いたいと思ったときに素早く確実に売買できるというメリットがあります。しかし、相場変動が大きいときには、意外に高く買ってしまうことになったり、安く売れてしまったりというデメリットもあります。

次に、指値注文です。指値注文とは、取引したい価格を指定して、その価格まで株価が下がってきたら買い、もしくは、この価格まで株価が上がってきたら売りという注文方法です。

現在の株価が500円で推移しているとき、この株価はまだ高いから、400円まで下がってきたら買いたいと考えていたとします。このような時には400円で指値注文を出しておきます。その後、株価が下落し、買いたいと考えていた400円まで下がってきた場合には取引が成立します。

反対に、指値注文で売りたい場合は、上昇してくるであろう株価で指値注文を出せばいいわけです。

しかし、指値注文は指定した株価で売買ができる反面、買いたい株価まで下落、もしくは売りたい株価まで上昇してこないと、売買が成立しないというデメリットもあります。

最後に、逆指値注文です。逆指値注文とは、指定した株価以上になれば買い、もしくは、指定した株価以下になれば売りとする注文方法です。

指定した株価以下で買い、もしくは、指定した株価以上で売りとする通常の指値注文の逆の注文方法であることから「逆指値」と呼ばれます。

最初は馴染みにくい注文方法ですが、損失を限定するためにも非常に重要な注文方法ですので、しっかりと覚えてください。

なお、現段階では逆指値注文は、これ以上損失を拡大させないためのロスカット注文を実行するために使用するものだと考えてください。

⑤買い注文の有効期間を決める

買い注文の有効期間を決めるとは、指値注文や逆指値注文を使う時には、その注文の有効期限を決めるということです。楽天証券なら執行条件として、「本日中」、「今週中」という指定もできます。

⑥買った銘柄の売り注文を出す

買い注文が約定すれば、次は売り注文を出します。注文の出し方は、買い注文の反対となります。

4.中学生、高校生は株は最も高尚なマネーゲームと考えよう!

最近の中学生は、スマホゲームばかりやって、とよく言われるのではないでしょうか?

ゲームは楽しいし、ストレスも発散できるし、友達とも楽しめるし、とても良いのですが、どうせやるなら世界で最も高尚なマネーゲームと言われる株式市場を相手にした方がとてもエキサイティングです。

勝てば実際のお金が手に入ります。もちろん、負けるとお金を失いますが、その分かなり真剣に取り組むことになります。

株式投資は練習の積み重ねによって上手くなります。

中学生から練習すれば、成人する頃にはかなり実力が着くことでしょう。

練習期間は「儲けたい!」と思わずに、お小遣いを投資に回しながら小額で投資を実践し、トレード技術を磨いていきましょう。

5.中学生諸君と親御さんへ

最近、中学生や高校生だけでなく、中高生のお子さんを持つ親御さんの「投資」に対する関心度は高くなっているように思えます。

確かに、今の中学生、高校生のライフスタイルを見ていると、スマホゲームにはまっている人が多いので、スマホゲームをやるなら株式市場でマネーゲームした方がよっぽど身になると言えます。

ここ最近、「親子で株式投資」というのが人気です。

どうせなら中高生とお父さん、お母さんも一緒に株式投資を始め、
一緒にお金を増やしていくのが理想的です。

中高生から株式投資を実践するというのは、今の段階では少数派ですが、
将来の大きな利益に結び付きます。

ちなみに、中高生でも株の勉強をはじめたら、いろんなものに興味が湧き始めたという方は多いです。

株を通して世界を見るというのは、このグローバルな社会に適応し、

「上手に生きていくこと」そのものを学ぶためにも重要な勉強方法と言えるでしょう。

6.まとめ|中学生からはじめる投資の勉強方法

株でしっかりと稼いで、車や家だけでなく、別荘を買う人もいます。
中学生から株始めるなら、夢は大きく持ちましょう。

思考は現実化します。

そして、株式投資は実践による練習や、投資の仕組みへの理解、テクニカルについての学習などの努力が必要ですが、そこはゲーム感覚で楽しみましょう。

しかし、投資の世界、勝ち組といわれているのは、ほんの一握りの人たちです。勝つのはいつも少数派なんです。多くの人は負け組みとなり、マーケットから去って行くのが現実です。

勝つためには、勝てるまでやり続けるという精神力も必要です。中学生なら挫折からの復活はかなり早い傾向にあります。スポーツと同じで、七転八倒、しぶとくやり続けることが成功の秘訣です。

残念なことに、いまだに株式投資をギャンブルだと思い込んでいる人がとっても多いですが、上手く利益が出せるようになると、早くから株をやっててよかった!と思えるはずです。

中学生の段階から投資の世界に関われるのは可能性が広がるチャンスを手にしたということ。
一歩一歩、着実に前に進んでいきましょう。

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