将来のお金に対する不安が、金融庁の老後2,000万円不足説によって現実味を帯び、危機感を抱く人が増加していることに伴って、投資を始める人も増加しています。
この記事に辿り着いたあなたも、同様の理由で投資を始めたいと考えている一方で、失敗することが不安でなかなか踏み出せないのではないでしょうか?
これから投資を始めようとする方は、ほぼ全員同じような不安を抱いているので、その感覚はむしろ正常だといえます。
それよりも、「高金利なうえに元本が完全に保証されているので、100%安全に投資ができます」と謳っている投資商品に飛びつく方がハイリスクだといえます。
どんなに実力がある投資家でも元本が完全に保証されていることなどほぼあり得ないことであり、そもそも誰が100%元本を保証するのか分からない時点で、高確率で詐欺の可能性があります。
初心者が投資を失敗する原因と対策を知っておけば、投資に失敗するリスクを軽減することは可能であるため、先に述べたような投資商品に手を出すよりも自分で投資を行った方が賢明です。
あなた自身の力でお金を増やしていける力を身に付け、着実に資産形成をしていくことができるようになるためにも、これからご紹介する投資で失敗する原因や、失敗しないための投資プランを伝授します。
Contents
1.初心者が投資で失敗する3つの典型的な原因
投資で失敗したという話は耳にする機会がありますが、その内容をよく確認すると、共通の原因で失敗しているケースがほとんどです。
そこでまずは、初心者が投資に失敗する場合に多くみられる、3つの典型的かつ共通する原因を解説します。
1-1.勘で投資をする
初心者が投資で失敗する最も典型的な原因は、勘で取引をすることです。
特に市場分析を行わず、景気チェックや経済指標も見ずに、「たぶんこうなるだろう」という曖昧な勘をもとに取引をしてしまう傾向は、初心者であるほど強くあります。
そうやって勘で投資を行い、資金が足りなくなったら追加投入し、また勘で投資をして資金を溶かしてしまうといった繰り返しが、非常に多く見受けられます。
投資は基本的に、必要な情報取集と分析を行い、それによって弾き出した自分の考えのもとに取引をするからこそ、利益を伸ばしていけるものです。
それなのに、勘や感情に任せて取引を行ってしまっては、ビギナーズラックはあるかもしれませんが、継続して利益を伸ばすことは難しいといえます。
1-2.取引のタイミングを決めていない
どんな相場でも取引価格は上がるだけではなく、下がる時もあります。しかし、多くの初心者は取引価格が上がった時のことだけを考えてしまい、取引価格が下がった時にどのように対応するかを決めていない傾向があります。
つまり、投資を始める前に損切りや、利益確定のタイミングを決めていないということです。
投資は取引価格が思い通りに上がったと思ったら、だんだんと下がり始めて利益が減ることもよくあります。
その時に、事前にどのタイミングで損切りや利益確定をするのか決めておかないと、本来得ることができた利益より少なくなってしまうことや、想定外の損失を被ってしまうことにつながります。
1-3.投資期間を決めていない
自分が短期取引をしたいのか、それとも長期取引をしたいのかといった投資期間を決めておかないと、思い通りに取引ができている時に「今は利益が出ているから、もう少し利益を伸ばせるかもしれない」などと考えてしまうケースが非常に多く見受けられます。
できるだけ多くの利益を得たいと思うのは当然のことなので、取引を引き延ばしたくなる気持ちはよく分かります。
しかし、ズルズル取引を続けてしまうと、本来手に入れることができたはずの利益より少なくなってしまうことがあります。
また、もう少し待てば取引価格が上向くかもしれないと考えてしまうと、本当は損切りのタイミングなのに取引を続けてしまい、その結果損失が大きくなってしまうということもよくある話です。
1-4.投資プランを決めておくことが失敗しないコツ
実は、先に述べた投資に失敗する3つの原因には、共通点があります。
それは、投資プランを事前に決めていないということです。
実力のある投資家は投資プランをあらかじめ決めておき、それに従って投資を行うことで利益を伸ばしています。
つまり、初心者もあらかじめ投資プランを決めておく方法を真似すれば、投資に失敗するリスクを軽減できることが期待できます。
では、具体的にどうやって投資プランを決めれば良いのでしょうか?
次の章で、このことについて詳細に解説します。
2.初心者が失敗しないための投資プラン
初心者が投資に失敗しないための対策は、あらかじめ投資プランを立てておくことだと申し上げました。
しかしそうはいっても、何も分からない状態でいきなり投資プランを立てるのは難しいため、投資プランを立てる際の考え方を伝授します。これから投資を始めるにあたって、ぜひ参考にしてみてください。
2-1.投資期間を決めておく
投資をする時は、将来をなるべく広く想定してプランを組む必要があります。
例えば、金利による収益を得たいなら長期間投資、短期で大きく勝負に出て一気に利益をあげたいなら短期投資など、どのようにして利益を手に入れたいかによって戦略や適した投資の種類が異なります。
以上のことから、自分が何によって利益を得たいのかを考えたうえで、投資期間を決めておきましょう。
2-2.損切りのタイミングを決めておく
損切りは投資をするなら基本中の基本です。損切りなくして利益を積み上げていくことは困難であるといわれるほど重要であるため、ぜひマスターしておきましょう。
具体的には、自分がどれくらいの損失なら許容できるかを決めておきます。例えば、1万円の損失までが価格変動の許容範囲なら、その範囲内で逆指値注文をしておくなどして、損切りができるようにしておきます。
このように、損切りは取引価格が自分の予想と反対に動いた時に、損失が拡大しないために必須のものです。
2-3.利益確定のタイミングを決めておく
初心者であるほど見落としがちなことですが、利益確定のタイミングを決めておくことも大切です。
先に述べた通り、読み通りに取引価格が上がったと思ったら、ある時点で下がり始めて利益が減少してしまうことがあります。
頻繁に取引価格をチェックできるなら、「ここ!」と思った瞬間のタイミングで利益確定をするのも良いですが、それが難しいなら「〇円の利益が出たら利益確定を行う」などの設定をしておいた方が無難です。
3.成功率をアップさせるための3つの投資術
投資によって将来のお金を作るためには、取引の成功率を上げることが重要となります。
そこで、先に解説した初心者が失敗しないための投資プランと合わせて、次に解説する成功率をアップさせるための投資方法も並行して行うと効果的です。
3-1.資金に余裕のある投資をする
投資で成功するためには冷静な判断が必要であり、そのためには資金と心に余裕があることが不可欠です。
資金に余裕がないと取引価格が少し上下するだけで心が乱れやすくなり、冷静な判断が下しにくくなります。また、少しの資金の減少も許容できなくなることから、損切りを躊躇してしまう恐れがあります。
このことを防ぐためにも、投資は必ず余剰資金で行うようにしましょう。使う予定のない余剰資金であれば、損切りもやりやすくなるはずです。
また、投資はリスクを承知でリターンを掴みにいくものであるため、いくらかの損失は想定しておく必要があります。
そのため、ある程度の損失が出ても焦らない投資プランを選ぶようにしましょう。
3-2.得意な投資方法を見つける
市場分析の方法として、ファンダメンタルズ分析やテクニカル分析は有効です。
「それは分かっているけれど、種類が多いし難しそうだから面倒だ」と感じてしまい、敬遠してしまう初心者の方が多くいらっしゃいます。
確かに、ファンダメンタルズ分析やテクニカル分析の種類は多いですが、全てを身に付ける必要はありません。
分析方法には、トレンド相場が得意であるものからレンジ相場が得意なものまで様々であり、どの分析方法を組み合わせた方が良いかも投資家によって異なります。
以上のことから、市場分析にどの方法を使用するかは、投資対象や取引スタイルなどを考慮して決めると良いでしょう。
そうしていくつかの方法を使ってみて得意な方法を2つか3つピックアップし、それを伸ばすことで、成功率が高い独自の取引ができるようになります。
3-3.投資家としての力を磨く
先に述べたことを継続して行い、投資家としての力をコツコツ磨いていくことが、投資を成功させるためには非常に重要です。
根気強く努力を重ねていけば、買値より市場価格が下がっても得をするプランなど、投資対象の取引価格がどうなっても利益を得ることができる戦略を組むことが可能になります。
4.まとめ
これから投資を始めるならば、この記事でご紹介した方法を参考にして、投資プランを練ってから始めることを推奨します。
あとは「習うより慣れろ」という言葉がある通り、少額投資で試行錯誤をしながら経験を積むと良いでしょう。
人生の時間は限られているので、失敗を恐れてばかりいては、いつまでたってもお金は増えません。
投資の世界は個人の能力は関係なく、根気強く努力し続けられる人ほど報われやすい世界です。最初の一歩を踏み出すことができれば、あとはいかに継続して努力ができるかどうかです。
失敗を恐れて悩む時間はここまでにして、これからの時間は将来のお金を作ることに使ってください。