2019年に金融庁の諮問機関が発表した報告書に端を発した、いわゆる「老後2,000万円不足説」など、かねてからくすぶっていた老後資金への不安が顕在化しています。
そのため以前に比べて、年金などといった自分の将来の蓄えに対する不安を抱く人が増えていることに伴って、投資を始める人が増えてきています。
しかしその一方で、投資を始めて資産形成したいと思ってもまとまった資金がないせいで、なかなか始められない方もいらっしゃいます。
そこで今回は、少ない投資資金が原因で投資を始められない方のために、ある程度まとまった投資資金の作り方をお教えします。
Contents
1.正しい投資資金の作り方
投資の重要性をヒシヒシと感じている方ほど、老後の蓄えなど将来に向けた資産形成をするために、早く投資を始めたいという気持ちをお持ちだと思います。
しかし、その焦る気持ちを優先してしまい、間違った投資資金の作り方をしてしまうケースが思いのほか多くあります。
投資による資産形成を成功させるためには、実は元手となる投資資金をどのように作ったのかが大きく関わってきます。
そのために、まずは具体的な投資資金の作り方をお教えする前に、正しい投資資金の作り方についての考え方を知っておきましょう。
1-1.投資資金の作り方には2種類ある
投資資金の作り方には、正しい作り方と、間違った作り方の2種類があります。
投資は投資の実力以外にも、どんな状況でも冷静な判断を下すことができるメンタルが非常に重要です。そして、投資資金の作り方がそのメンタルに大きく影響してきます。
それは一体どういうことなのか、投資資金の作り方と併せて詳細に解説します。
1-2.間違った投資資金の作り方
投資とは本来、使う予定のない余剰のお金で行うものです。
しかし、早く投資を始めようと食費や光熱費など、生活に必要なお金に手を出してしまうケースがあります。
生活費を投資資金にしてしまうと少しの損も許すことができず、ほんの少しの利益や損失の上下だけで、大きく心を乱してしまいやすくなります。
投資はリスクを承知でリターンを取りに行くものであるため、これでは冷静な取引ができなくなり、失敗する確率が高くなってしまいます。
1-3.正しい投資資金の作り方
使う予定のない余剰のお金を資金にすれば、多少の損失を被ることがあったとしても、ある程度心に余裕を持ち、冷静に投資を行うことができます。
また、投資で利益を得るためには必要に応じて損切りをする必要があります。
生活費に手を出してしまうと利益を守る為の損切りすら迷ってしまい、投資に失敗する確率が高くなりますが、余剰資金であれば損切りに躊躇することは少ないため、結果的に利益を伸ばしてくことが可能になります。
1-4.投資資金を作る一番の方方法は「貯金」
投資による資産形成を成功させるためには正しい投資資金、つまり余剰資金によって投資をすることが重要です。
そして、投資資金となる余剰のお金を作るには、稼いだお金を貯金することが一番です。
その貯金がうまくいかなくて困っているという方のために、次からは、貯金で投資資金を作るためのコツをお教えします。
2.貯金で投資資金を作るための3つのコツ
貯金で投資資金を貯めるといっても、それがなかなか難しいという方もいらっしゃいます。貯金が習慣となっている方は比較的問題なく投資資金を貯めることができますが、そうでない方が貯金をするには、いくらかコツが必要です。
そこで次に、貯金で投資資金作るためのコツを、3つお教えします。
2-1.目的意識を持つ
お金は手元にあればあるだけ使ってしまうものであり、これはどんなお金持ちにもいえることです。
給与が良くなれば貯金ができるかというとそうでもなく、入ってくるお金が大きくなれば、使うお金も大きくなることが一般的であり、特に貯金が習慣になっていない方はこの傾向が強いといえます。
そのため、本格的に貯金を始める際には最初に、「必ず投資資金を作るぞ!」という強い目的意識を持つことが必要になります。
2-2.明確な目標を決める
貯金は目標もなくボンヤリと貯めるのは難しいので、あらかじめ「100万円貯める」など決めておくと良いでしょう。
具体的には、「2年後までに100万円貯めるから、月々〇万円を必ず貯金する」など、いつまでにいくらの貯金を達成するかということと、そのために月に何万円貯金するかを明確に決めておくことです。
そして、その目標を厳守することを心掛けて生活しましょう。
なお、すでに100万円以上の余剰資金がある方は投資資金を作る段階はクリアしているので、さらなる貯金を作ることに加えて、今この段階で投資を始めることを考えるべきでしょう。
2-3.徹底的にケチになる
先に述べたような明確な目標を決めたら、徹底的にケチになることです。
これは衣食住の必要なところまで切り詰めるということではなく、無駄なことにお金を使わないということです。
具体的にどのようにすれば良いかというと、まずは今までのお金の使い方を振り返ってみてください。
衝動買いをして、タンスなどに眠っている不要なものはありませんか?
毎日のようにコンビニに寄って、コーヒーや何かちょっとしたものを買ってはいませんか?
そうしてどこに無駄遣いをしているかが分かれば、対策を講じることができます。
衝動買いは物を買う前に、「本当に必要なのか」一呼吸置いて考えれば防ぐことができます。
コンビニの100円コーヒーも毎日買えばそれなりの金額になるため、買う回数を減らすだけでも貯金に繋げることができます。
また、外食はやめて自分で作るようにすれば節約になります。
以上のように、ちょっとした無駄遣いの習慣を洗い出して直していけば、その分を投資資金として貯金することが可能です。
3.貯金で確実に投資資金を作る秘策
「貯金で投資資金を作るための3つのコツ」をお教えしましたが、それでも貯金がなかなか難しい方がいらっしゃるかもしれません。
そのような方のために、貯金で確実に投資資金を作る秘策を伝授しましょう。
3-1.貯金の発想を変える
貯金というと、あなたはどのような方法を考えるでしょうか?普通は、月末に余ったお金を貯金しようと考えることがほとんどです。
実はその考え方こそが、貯金ができない原因なのです。
先に述べた通り、お金はあればあるだけ使ってしまいますし、貯金の習慣ができていない方はその特徴が強いといえます。
そのため、普通の貯金の仕方では投資資金を作ることはなかなか難しいと考えられます。
では、どうすれば良いのでしょうか?
答えは単純で、貯金の発想を逆のものに変えれば良いでしょう。
3-2.確実に貯金をする方法は「お金の先抜き」
月末に余ったお金を貯金することが難しいなら、月々これだけ貯めると決めた分のお金を、先に抜いてしまうことが一番です。そして、残ったお金で生活をするようにしましょう。
これが一番手っ取り早く、かつ確実に貯金をする方法です。
それに、残ったお金で生活をするので何にお金を使うべきかについて考える癖が付きやすく、お金を大事にする習慣も身に付きやすくなります。
つまり、貯金ができる体質になっていくことができるといえます。
3-3.貯金から投資に切り替える
ある程度大きなお金が貯まると、それを使うことが惜しく思ってしまう方もいらっしゃいますが、貯金ではお金は増えません。
やっと貯まったまとまったお金ではありますが、そうなるまでに貯金を頑張ったのは、投資資金を作るためだったはずです。
従って、自分で決めた目標資金に到達したら、あとは投資をしながらお金を増やしていく方向に思考を切り替えていきましょう。もちろん、せっかく身に付いた貯金習慣なので、それを継続して貯金も増やしていくことが資産形成を加速させます。
4.まとめ
投資は余剰のお金でするものであるため、十分な投資資金がないのなら貯金で作ることが一番です。しかも、それは特に難しいことではありません。
文中では貯金の目標金額を100万円としましたが、FXなど、投資によっては5万円や10万円が貯まれば始められるものもあります。
従って、あなたがやりたいと思う投資スタイルや、貯金にかけられる期間などを総合的に考え、最適だと考えられる投資方法を選んだうえで、必要な投資資金を貯金で作るようにしましょう。