一般NISA|お得な非課税口座の種類|資金があるなら一般NISA口座を開設しよう

青木博史

1.はじめに

さて、前回の記事では、つみたてNISAについて、そのメリット・デメリットを詳しく解説しました。

復習になりますが、NISA制度とは

リスクを払って投資をして、大事なお金を失いたくない!

という理由で、銀行預金はできるけれど「投資はやらない」日本人。
世界の中でもダントツ銀行貯金率が多いと言われる中、
金融庁がキモ入りで国民に「投資」をうながす制度として導入した仕組みです。

現在、日本国内ではこのような「お得に投資が始められる口座」が3種類あります。

  1. つみたてNISA口座
  2. 一般NISA口座
  3. 個人型確定拠出年金iDeCoイデコ)口座

この3種類の口座で行う投資は、一般口座での投資よりとってもお得です!

NISA口座は複数持つことはできませんので、もしNISA制度を活用するのであれば
つみたてNISA口座か、一般NISA口座のいずれかを選びましょう。

この記事では、NISA口座のお得なポイントや、メリット・デメリット。
どのような人に向いているかなど分かりやすく解説します。

2.一般NISAは何がお得?

現役世代を中心に、投資初心者であっても、税制上の優遇などを受けながら、
安心して投資を始められるという目的で、NISA制度は2014年にスタートしました。

ところが、制度がスタートしてみると、主に一般NISAを利用しているのは60代、70代の高齢者で、
短期的な値上がりをねらって、まとまった資金を一気に投資するスタイルを好む人たちに積極的に
利用されています。

そうした背景から2018年の1月からつみたてNISAという制度が誕生したのですが、
2014年から始まった一般NISAとつみたてNISA。どちらがお得なの?と、
悩む方もいらっしゃると思います。

結論から言いますと、どちらもそれぞれお得なポイントがありますが、
一般NISA口座はまとまった資金がある人にとって、とってもお得です。

ここでは、一般NISAのお得なポイント、メリット・デメリットについて解説します。

 

2-1.一般NISAの特徴とお得なポイント

<特徴>

  • 対象年齢:20歳以上。
  • 非課税期間:最長5年間。
  • 非課税枠:年間120万円まで
  • 投資可能期間:2014年から2023年
  • 対象商品:上場株式、株式投資信託、ETF(上場投資信託)、REIT(不動産投資信託)など
  • 購入方法:スポット購入・積立方式

<お得な点>

  • 投資で儲けた金額に対して税金がかからない
  • 一度に大きな資金(年間120万円まで)を投資することができる

つみたてNISA口座は資金が少ない人にはオススメですが、
資金がある程度まとまってある人にはNISA口座の方が、
最大限、NISA制度を活用することができると言えます。

 

2-2.一般NISAのメリット

では、ここからは、つみたてNISAで資産運用をするメリットについて
詳しく解説していきます。

メリット1:年の投資枠がつみたてNISAの3倍で、最長5年間は運用益・分配金が非課税

一般NISAの最大のメリットは、ある程度大きな資金で5年間の投資することで
小額投資では時間をかけなければ得られない大きな利益を得られる可能性が高く、
なおかつその運用益や分配金に対して非課税であることです。

つみたてNISAは一般NISAよりも毎年の枠は小さいので、長期になればなるほど
利益が出やすいと言えますが、一般NISAは、年の投資枠がつみたてNISAの3倍。
これは魅力的です。

メリット2:利益が多いほどお得!

一般NISAの毎年の投資額の上限は120万円と決まっていますが、非課税の対象になる運用益・分配金には上限はありません。投資で得られる収益が、無制限に非課税ということなので、利益が多いほど非課税対象も大きくなるので、お得です。

メリット3:低コストな商品ラインナップがつみたてNISAより豊富。

NISA制度は、金融庁が勧める制度です。長期・積立・分散投資に適していると、金融庁からお墨付きをもらった金融商品(投資信託やETF)のみ購入することが可能となっています。

一般口座で投資をする際は、非常にたくさんの金融商品を選択できるかわりに、あまりよくない商品を購入してしまう可能性もあるので、初心者には少しハードルが高いとも言えます。

ここはつみたてNISAと共通のメリットとなりますが、一般NISAの方が、商品ラインナップのバリエーションは豊富であるため、ETFやREITなどの商品の購入を検討されている方にとってはメリットと言えます。

 

2-3.一般NISAのデメリット

投資のデメリットとも言えますが、貯金と違い元本保証はされていないため、
元本割れが起きる可能性があるというのは、つみたてNISAも一般口座での投資と同様です。

NISA制度だからといっても、絶対に儲かるという保証や確約はありません。

一般NISAを始める前にしっかりとデメリットについても理解することは投資をする上で大切です。

デメリット1:5年間しかない=損失なのに税金を払う可能性がある!

毎年の投資に対する非課税枠が120万円である代わりに、その非課税の期間が5年しかないというのは、
長期投資をしたい人にとってはデメリットと言えます。

最長5年の非課税期間が終了した時には、

  • 非課税期間が終了するまでに売却する
  • 翌年の非課税投資枠に移管する(ロールオーバー)
  • 課税口座に移管する

といった手続きが必要となります。

 

ここで問題になるのは、課税口座に移管時に値下がりした場合、値下がり額が購入額として扱われるため、その後の利益に対して税金がかかってしまうということになります。

例えば、120万円購入した株式が、移管時に50万円まで値下がりした場合、
課税口座に移管した際は50万円で株式を購入したとして扱われるので、
その後に120万円まで値が戻ったとしても、70万円の利益が出たとされ、
その利益に対して税金を支払わなければいけなくなってしまうということです。

のんびりと長期保有をすることで資産づくりをしたいという考え方であれば
5年後のわずらわしい作業や問題については、あらかじめ理解した方が良いでしょう。

デメリット2:損をしたときに、税制上の恩恵がない

NISA制度だからと言って、必ず利益が出るというわけではなく
損失が出ることももちろんあります。

その場合、通常の投資では認められているような、
税制上の優遇(損益通算や繰越控除)といったことができません。

例えば、一般NISAと一般口座での投資を併用して行っていた場合、
つみたてNISA口座で損失が出ていても一般口座で同じだけ利益が出ているといった時、
それを相殺して運用利益をゼロ円にすることはできません。

また、損失についても、通常の投資であれば、3年間繰り越せるという恩恵があるので、
利益と損益のやりくりが可能ですが、NISA口座はこうした恩恵は適応されません。

これはつみたてNISA口座も同様です。

 

3.一般NISAはどんな人に向いてるの?

NISA口座は、ひとり一つしか持つことが認められていません。

ですから「つみたてNISA口座」を選んだら「一般NISA口座」を開設することは出来ません。
どちらか一つ!と考えると、結構悩ましい問題です。

一般NISAの最大の魅力は、なんといっても毎年の非課税枠120万円ですね!

逆に、毎年120万円も投資するなんて、難しいと思う方もいらっしゃるとは思いますが、
この非課税枠120万円を、メリットとして見ることができる人は一般NISAに向いていると思います。

  • 具体的には、投資については若干の経験がある人
  • 投資は未経験だけれど、余剰金がまとまってある人
  • 一般口座でも投資は行っていて、非課税枠としての投資をしたいと考えている人

このような人には、一般NISAはオススメです。

 

 

4.まとめ|「一般NISA」はまとまった資金がある人にオススメ!

一般NISAの投資期限である2023年を間近に控え、2024年以降に制度変更もあるかも?という噂をチラホラと耳にするようになってきています。

最長5年という運用期間は長期投資とは言えない長さではあるので、つみたてNISAのような小額での長期投資にメリットを感じられない人や、ある程度短期間での成果を狙うような人には一般NISAはオススメです。

今後、この5年という運用期間が延長されるかどうかはわかりませんので、つみたてNISAと一般NISAのどちらにしようか悩まれている方は、それぞれのメリット・デメリットを理解した上でご検討ください。

なお、投資初心者の方で、資金はあるけれどちょっと大きな資金を最初から投資に使うのはちょっと不安…と思われる方は、途中で切り替えることも可能なので、まずはつみたてNISAから投資をスタートし、慣れてきたら一般NISA口座に移行するという流れが良いと思います。

 

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