投資信託の始め方とは?|初心者がやってはいけない3つの注意点も解説

青木博史
青木博史

1.はじめに

資産運用は、資産を賢く増やす上で誰もが活用すべき行動です。株式やFX(外国為替証拠金取引)など、資産運用の方法にはさまざまなものがありますが、中でも投資信託は、初心者にも比較的取りやすい金融商品として人気です。

しかし初めて投資信託しよう思っても、何から勉強すればいいのかわからないという人も多いのではないでしょうか。

本記事では、初心者に向けて投資信託の仕組みや種類、勉強方法について解説しています。初心者がやってはいけない注意点にも触れているので、勉強を始める前に確認してみてください。

実際に投資する前に上記のことを学んでおけば、自分に合った投資信託を選ぶのに役立つでしょう。資産運用の幅が広がるので、リスクヘッジにもよい方法です。

2.投資信託とはなにか?

それでは投資信託とはどのような金融商品なのかについて説明します。投資信託は株式やFXとは違った特徴があります。投資信託を始める前に、投資信託と株式投資などの違いや、運用方法、仕組みについて学ぶことは非常に重要です。よく理解してから始めましょう。

これから詳しく解説していくので、ぜひ参考にしてください。

2-1.投資信託とは資産運用をプロに任せる金融商品のこと

投資信託を簡単に説明すると、ファンドを選んで販売会社に資金を預け、実際の運用は資産運用の専門家である運用会社が行う金融商品です。投資家が直接運用する必要はないため、資産運用の初心者でも始めやすいというメリットがあります。

小口投資が可能なファンドも多く、少ない資金で投資したり分散投資したりするのにも使いやすいのが特徴です。比較的簡単に始められる資産運用なので、初めての投資先を探している方は投資信託の中から検討するのがおすすめです。

2-2.投資信託の運用方法とは

投資信託では、資金の運用は以下のように行われます。投資信託に興味がある方は、あらかじめチェックしておきましょう。

  1. 投資家が投資したいファンドを選んで販売会社に資金を預ける
  2. 販売会社が複数の投資家から集めた資金をまとめ、信託銀行に保管する
  3. 信託銀行は運用会社の指示にもとづいて金融市場で資金を運用する

投資信託には投資家・販売会社・運用会社・信託銀行が関わります。株式やFXなどとは異なり、複数の投資家から集めた資金をまとめて運用するのが大きな違いのひとつです。

運用によって発生した利益は信託銀行から販売会社を経由し、手数料を差し引いて投資家に還元します。投資した資金は法律によって保全されるため、万が一販売会社・運用会社・信託銀行が破綻した場合でも信託財産は失いません。

投資資金の安全が保たれている点でも、投資信託は初心者に優しい投資先と言えます。

3.投資信託の主な種類

投資信託は運用先によっていくつかの種類に分けられます。ファンドによってどの金融市場で運用するか異なるため、それぞれの特徴を考慮して選ぶことが大切です。ここでは主なファンドと特徴をご紹介するので、投資先に迷っている方はぜひ参考にしてください。

3-1.国内型と海外型のある「株式」

株式型投資信託には、国内に投資する「国内株式型」と海外に投資する「海外株式型」の2種類があります。株価は企業の業績によって変動するため、ハイリスクハイリターンの投資信託です。

株式型投資信託には、任意のタイミングで売買できるオープン型(追加型)株式投信と期間を定めて単発で募集するスポット型(単位型)株式投信の2種類があります。スポット型にはクローズド期間といわれる解約できない期間が定められるのが一般的なので、注意が必要です。リスクがあっても収益を出せる可能性に賭けたいと考えている方は、株式型投資信託を選ぶのがよいでしょう。

 

3-2.リターンが低いがリスクも低い「債券」

債権とは国や地方公共団体、民間営業などが投資家から資金を借り入れる ときに発行するものです。一般的に債権は、満期になれば発行元が破綻しない限り額面全額に利子をプラスして払い戻されます。このような債券を利用して資金を運用するのが債券型投資信託です。

債券は値動きが安定しているという特徴があります。したがって、債券型投資信託はローリスクローリターンの投資先です。利回りよりリスクの低さを優先したい場合など、安定した投資先を探している方は債券型投資信託をチェックしてみましょう。

3-3.REITともいわれる「不動産」

不動産投資信託はREIT(Real Estate Investment Trust)とも呼ばれ、集めた資金を投資対象として定めた不動産で運用します。現物の不動産に投資するためには多額の資金が必要です。しかしREITを利用すれば、少ない資金で不動産投資に参加できます。

住宅や商業施設、物流施設などさまざまな物件が対象で、特定種類の物件に投資する特化型、2種類の物件に投資する複合型、3種類以上の物件に投資する総合型に分けられるのが特徴です。

REITには特定の条件を満たせば法人税が実質的に免税になるというメリットがあり、その分利益率が高くなります。

3-4.原油や金などの「コモディティ型」

コモディティとは「商品」を意味する言葉です。その中には以下のようなものが含まれます。

  • 金・アルミニウム・プラチナなどの貴金属
  • 小麦・トウモロコシ・大豆などの農産物
  • 原油・ガソリン・天然ガスなどのエネルギー資源

コモディティ型の投資信託は商品先物市場で運用するため、インフレに強いのがメリットです。「有事の金」といわれるように、株式市場や外国為替市場と反対の動きをする商品も存在し、リスクヘッジに役立つでしょう。

3-5.全部をバランスよく投資する「バランス型」

投資信託にはバランス型と呼ばれるタイプもあります。バランス型投資信託とは、株式・債券・不動産・コモディティなどの複数の投資先からいくつかをピックアップして投資するものです。

複数の投資信託を利用して分散投資する場合、ファンドの選定や資金のバランスを考慮するのに手間がかかります。このような手間を省いて簡単に分散投資できるようにしたのが、バランス型投資信託といえるでしょう。

4.投資信託初心者におすすめなのは独学?通信講座?

投資信託を始めるにあたり、自宅で勉強したいという人は多いでしょう。ここでは、自宅での学習方法として、まずは入門書を読むことをおすすめした上で、独学と通信講座(投資塾など)について説明していきます。

3-1.まずは投資の入門書を読みましょう

これから投資を始めようと検討している方や、投資に興味を持った方におすすめな勉強の始め方は、本を手に入れて読むことです。近年は便利なツールも増え、気軽に情報を入手できるようになっています。たとえば、インターネットで投資信託について調べてみるとたくさんの情報が出てきますね。

このような情報の氾濫している時代だからこそ、初心者はまずは投資関連の入門書を読んで、多くの情報の中から正しいものだけを選べる程度の知識を得ることが大切です。

入門書には基本的な投資に対する考え方の他、投資にまつわる基礎用語についての解説などが丁寧に書かれています。初心者であれば、文字だけでの解説書はイメージがわきにくいので、出来る限り図解の多い入門書を手に入れるとよいでしょう。

3-2.独学で勉強するメリット・デメリット

独学のメリットは費用が安いことです。また、通勤・通学中や家事の合間など、好きな時間に勉強できることもメリットでしょう。そのため、勉強にあまりお金をかけられない人、スケジュール管理が得意な人、隙間時間で勉強したい人に向いています。

反面、一人でコツコツと勉強を続けなくてはならないため、モチベーションを維持するのが難しいというデメリットがあります。さらには、わからないところがあっても自分で解決しなければなりません。不明点の解消やスケジュール管理が苦手だと途中で挫折する可能性があります。

3-3.投資塾やセミナーなどで勉強するメリット・デメリット

投資のプロから直接最新の情報を聞けることや質問が出来ることが、通信講座やセミナーの良いところです。独学に比べて費用はかかりますが、自宅にいながら講師の指導を受けられることもメリットです。通信講座であれば学習計画もあるので、効率よく勉強したい人に向いています。

通信講座のデメリットは、わからない点をすぐに確認できない講座もあることです。そのため、自分にあった通信講座を選ばないと、かえって勉強しづらくなってしまいます。通信講座を選ぶ場合は、初心者でもわかりやすいテキストや、細やかな質問・添削サポートがあることがポイントです。

4.投資信託の始め方

ここでは実際に投資信託を始めるときにおさえておきたい6つのステップについて説明します。迷わず始めるためにも前もって確認しておきましょう。投資制度やファンドを決めるときに迷いがちなポイントについても解説するので、あわせてチェックしてみてください。

始め方その1.目標や運用方針を決める

投資信託を始めることを決めたら、最初に目標と運用方針を定めましょう。手元にある資金のうち、投資に回せる資金がいくらかを考えます。

元手が決まったら、どの程度の期間でいくらに増やしたいのかを考えましょう。これによって必要な利回りが決まります。求める利回りによってどの投資信託を選べばよいのか定まってくるので、重要なステップです。

始め方その2.投資制度を決める

投資信託で利用できる制度には、主にNISA・つみたてNISA・iDeCoの3種類があります。それぞれの特徴は次のとおりです。

  1. NISAは個人投資家が利用できる税制優遇制度で、毎年120万円までの非課税投資枠が設定されています。投資信託の分配金や譲渡益も非課税対象です。
  2. つみたてNISAの非課税枠は年間40万円までと少ないものの、非課税期間が最長20年と長くなっています。長期投資や分散投資のための制度なので、特定の条件を満たした投資信託で利用可能です。
  3. iDeCoとは個人型確定拠出年金のことで、加入者が掛金を拠出して用意されている金融商品で運用します。運用に使える金融商品に投資信託も用意されているので、忘れずにチェックしておきましょう。iDeCoで運用した場合、受け取れるのは60歳以降です。

投資制度を決めるときは、どのような目的で投資信託を利用するのかを考えることが大切です。NISAやつみたてNISAには非課税投資枠が定められているため、1年間に投資する資金に応じて選びましょう。

まとめて投資したい方や株式に投資して値上がりに期待したい方は、上限が120万円のNISAが適切です。少額で分散投資したい方や長期保有を前提としている方は、40万円を上限とするつみたてNISAがよいでしょう。老後の資産を準備したい方は、iDeCoがおすすめです。

始め方その3.投資信託の種類を決める

利用する投資制度を決めたら、実際に購入する投資信託を選びます。利回りを重視する場合は株式型投資信託を、安定性を重視する場合は債券型投資信託を選ぶとよいでしょう。分散投資したい場合は、バランス型投資信託という選択肢もあります。

証券会社や銀行によって取り扱っている投資信託が異なる点に注意が必要です。自分が投資したいものを取り扱っている金融機関がどこかを事前に確認しましょう。

なお、初めて投資信託を利用する場合は、手数料や純資産額、運用方針なども確認しておくことが大切です。株価の変動は自分でコントロールできませんが、手数料は安いところを選べます。したがって、可能な限り手数料が安い金融機関を選ぶのが投資信託を始める上で重要なポイントになります。

また、各種投資信託の情報の中にある「純資産総額」とは、ファンドの時価評価額に利息や配当金などの収入をプラスして算出する数値です。純資産総額が少なくなると運用不能になり繰上償還に陥る可能性があります。順調に増えている場合は資金が集まっていることを意味しているので、こちらの数値の増減や資金額についても忘れずに確認しましょう。

始め方その4.証券会社で口座を開設する

投資信託を始めるときは証券会社の口座を開設しなければなりません。証券会社にはネット型と店舗型(総合証券)の2種類があり、それぞれの特徴は次のとおりです。

  • ネット型(ネット証券):注文はオンラインで受付。専属の営業担当者やコンサルティングサービスがない分手数料が安い
  • 店舗型(総合証券):投資家対応を行う窓口を設置した店舗を用意している。サービスが充実している分手数料が高い

上記の特徴を参考にしつつ、自分が投資したい投資信託を取り扱っている証券会社の口座を開設しましょう。口座開設は証券会社の専用フォームから行い、必要事項を入力して本人確認書類などの書類をアップロードする流れが一般的です。

始め方その5.投資金額を口座に入金する

投資信託を購入するために必要な資金は証券会社の口座に入金しなければなりません。入金は銀行振込で行うことが一般的ですが、入金のルールなどの細かいポイントは証券会社によって異なります。

投資信託を購入するために必要な金額以上の資金を預け入れる必要があるため、十分な資金を入金しているか確認しましょう。資金を入金し、投資信託を購入したら運用が始まります。

始め方その6.運用を始める

運用が始まったら1か月に1回は投資状況を確認することが重要なポイントです。投資期間が短いうちはあまり操作しないほうがよいでしょう。

投資信託は短期間で多大な利益を求めるものではなく、長期投資して資産を築くのが理想の資産運用スタイルです。可能な限り長期間運用することが最大のポイントです。短期目線で資金の増減に一喜一憂するのではなく、ゆったりとした目線で資産運用をしていきましょう。

 

5.初心者が投資信託を始めるにあたっての注意点

投資信託は初心者にもおすすめの資産運用ですが、始めるときにはいくつかのポイントに気をつけなければなりません。特に手数料とリスクには注意が必要なので、投資信託をする前にこれからご紹介するポイントをおさえておきましょう。

5-1.手数料が高いものには注意

投資信託の手数料は利益に直結する重要な要素です。同じ金額の利益が出た場合でも、手数料が高いファンドは安いファンドに比べて実際に受け取れる金額が減ります。

手数料は投資家がコントロールできる数少ない要素のひとつなので、可能な限り安いものを選びましょう。ノーロード・ファンドのように手数料がかからないものもおすすめの選択肢です。

ファンドや証券会社によって手数料は大きく異なるため、手数料の種類や具体的な手数料率をきちんと調べてから始めましょう。

5-2.リスクを抑えたいなら「分散投資」が基本

投資にはリスクがつきものです。大きな損失が出ることを防ぐためにも、分散投資をしてリスクヘッジしておくことをおすすめします。

分散投資とは、値動きが異なる複数の資産に資金を分散させる方法です。ひとつの資産で損失が出ても、別の資産を持っていることで大きく損失が拡大することを防げます。投資信託では株式とコモディティ投資など、運用先が異なるファンドに資金を分散させるのがよいでしょう。

5-3.セミナー参加やプロに相談で情報を集めてから始めること

投資信託は長期的に資産を運用する投資であり、最初の計画が大切です。始める前にはきちんと勉強して特徴や利回り、リスクなどを理解しましょう。

知識を得るためには投資信託や資産運用をテーマにしたセミナーに参加したり、投資に精通したプロに相談したりするのがおすすめです。セミナーなどで専門家から情報を入手できれば、自分に合う投資信託を選ぶのに役立つでしょう。

 

7.まとめ

投資信託は運用をプロに任せる資産運用で、初心者でも始めやすいのがメリットです。一定金額まで非課税になる投資制度もあるため、うまく活用すれば長期的な資産形成ができるでしょう。

投資信託は最初の計画が重要です。始める前にはさまざまな知識をつけておく必要があります。まずは投資の入門書や投資信託に関する本を手に入れて最低限の金融に対する基礎知識を学習することがおすすめです。ある程度の基礎が理解出来た後にセミナーに参加したり、専門家に相談したりするとさらに理解が深まります。

投資はリスクはありますが、しっかりと目標を立て、学習をしてから始めればお金を増やすことができます。

長期投資だけでなく、短期投資も平行して学ぶことも、資産運用をしていく上では有利になります。
投資信託を始めることで投資全般に対しての学びにつなげていくと、さらに投資活動が面白くなるでしょう。

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