金(ゴールド)投資の魅力とは。金(ゴールド)投資と他の投資商品を徹底比較!

青木博史
青木博史

1.はじめに

突然ですが、あなたは金と聞けばなにを思い浮かべますか?

「なんとなく高価で貴重なもの…」という印象を持つのではないでしょうか?

オリンピックの優勝者に贈られる金メダルなど、投資に関係のない場面でも、金は価値の高いものとして扱われています。

ではなぜ、「金(ゴールド)」は、世界中で価値が高いとされているのでしょうか。
また、価値の高い「金(ゴールド)」は小額の予算では手が出せないものなのでしょうか。

この記事では、金(ゴールド)の特徴や金投資のメリット・デメリットを解説しつつ、金(ゴールド)投資の魅力についてお話しします。

2.金(ゴールド)はなぜ重宝されてきたのか?

ここからは、金という物質が、なぜ世界中で重宝されてきたのかを解説していきます。

金の価値が高い理由をまとめると、以下のようになります。

  • 数が少ないから
  • 利用されるニーズが多いから
  • 代わりになる金属がないから
  • 劣化しにくいから
  • 貨幣や証券とははちがい実物であるから

そもそも金は、地球上にある絶対量が少ない金属です。

現在世界中にある金を一か所にあつめると、わずかに50メートルのプール3.5杯分しかないという、おどろきの少なさなのです。

有史以来、人類が掘ってきた金の総量は、およそ18万トン。(出典:東京商品取引所「貴金属取引の基礎知識」)

そして、世界の金の埋蔵量が5.3万トンと推定されています。

鉄の原料になる鉄鉱石の総埋蔵量が約1,500億トンと推定されているのに対して、金がいかに希少な金属なのかがわかりますね。(出典:国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構

また、金の価値が高いほかの理由には、おおくの人がつかうパソコン・スマホの部品、歯科・医療部品の製造につかわれているというものがあります。

金はサビや腐食につよく、何百年・何千年たっても形状がのこるため、宝飾品や製品の重要なパーツとして用いられているのです。

金は投資の世界でも重宝されています。

理由は、世界的な経済不安がおきたとき、実物のない株や国債は信用不安で価格を暴落させる一方で、実物である金は信用不安による価格暴落のリスクをもっていないからです。

大まかにまとめると、以上が金の価値が高い理由です。

3.金(ゴールド)の特徴

さて、上記のように、金は株式や債券などとは違い、それ自体に価値がある「実物資産」として認められ続けてきた長い歴史があり、その歴史において、金は一度も「無価値」になったことがありません。

一方、預貯金、株式、債券など「紙の資産」は、それ自体に価値があるものではなく、発行企業や発行国の信用あるいは業績によって価値が決まります。そのため世の中が安定し経済が好調な時には「紙の資産」の価値は上がりやすく、世の中が不安定で経済が不調な時には「実物資産」の価値が上がりやすい傾向がみられます。したがって「紙の資産」と「実物資産」の価格は反対の値動きをすることが多いという特徴があります。

こうしたことから金は中長期的にみて「紙の資産」の目減りをカバーしてくれたり、極端な例では発行体の破綻で株式や債券が紙くずになるような厳しい環境下で価値を維持してくれるため、注目されています。

4.金価格の値動きの特徴

金はそれ自体に価値があり、その価値ゆえに世界のどこでも換金できます。「有事の金」と呼ばれるように、政治・経済の混乱やインフレに強い資産として投資家に好まれてきました。

金価格の変動要因としては、①需要と供給のバランス、②米ドルの価値、③各国の経済動向、④各国の金利の状況、⑤原油等の資源価格、⑥地政学リスク、⑦多量に保有する政府・年金基金等の参入、などが挙げられます。

一般的には、例えばインフレによって通貨の価値が下落する場合、または地政学リスクが高まって米ドルを回避するような動きがある場合などで、金価格は上昇することが多いといわれています。

なお、金は国際的に米ドル建てで取引されることから、日本の投資家が日本円で金に投資する場合、国際的な金価格の値動きだけでなく、米ドル/円の為替相場の影響も受けるという特徴があります。(円安になると国内金価格が上がる、円高はその逆)。

4.金(ゴールド)投資のメリット・デメリット

それでは次に、個人投資家が金に投資できる方法とそのメリット・デメリットを見てみましょう。

主な金の投資方法は、①金貨・金地金、②純金積立、③投資信託、④金ETF、⑤金先物・CFDの5つあります。

4-1.金貨・金地金

●メリット: 金の現物を手元で保有できる
●デメリット: 盗難リスクあり、保管コストが掛かる、手数料が高め(少量だと特に割高)、売却益が一定額を超えると確定申告が必要

・金貨
最も手軽に金を所有する方法は金貨の購入でしょう。宝飾店やデパートなどで購入できます。有名なものでは、オーストラリア・パース造幣局発行の「カンガルー金貨」、オーストリア造幣局発行の「ウィーン金貨ハーモニー」、カナダ王室造幣局発行の「メイプルリーフ金貨」などがあります。

購入は1/10トロイオンス(約2万円)、1/4トロイオンス(約4.5万円)、1/2トロイオンス(約9.5万円)、1トロイオンス(約19万円)が一般的(1トロイオンス=約31.1035g、2020年6月末日現在)。

金貨は美しいデザインのものが多く、持っているだけで金投資の実感を味わうことができます。

・金地金
金地金は「インゴット」や「バー」ともいい、平らな板状の形をしています。一般的に「金の延べ棒」と呼ばれるものがこれにあたります。表面には通常、金塊番号、販売元の商標、重量、素材、品位(ほとんどが純度99.99%(フォアナイン)の純金)、精錬分析者マークなどが記載されています。

金地金は地金商や金属メーカー、商社などで購入が可能だ。購入できる地金のサイズは販売業者によって異なりますが、最低は1gからで5g、10g、20g、50g、100g、200g、300g、500g、1kgなどとなっています。

1gあたりの手数料・税込の販売価格は約6500 円(2020年6月末日現在)。なお金地金の購入には消費税がかかりますが、売却時には逆に消費税額を受け取ることができます。

金貨・金地金への投資では手元に金の現物を保有できるのがメリットですが、一方で大きなデメリットは盗難リスクでしょう。耐火金庫(小型金庫で3~10万円程度)を購入して自宅に保管したとしても、盗難リスク自体はなくなりません。銀行などの貸金庫(年間手数料2~5万円程度)や、販売業者の保護預り(年間の保管手数料等で無料~3000円程度、金額は重量等によって異なる)を利用するのも手ではありますが、追加のコストが発生してしまうのが難点です。

4-2.純金積立

●メリット: 少額から始められる、自動積立ができる、盗難リスクなし、金の現物に交換できる
●デメリット: 手数料が比較的高め、保管方法により業者の破綻リスクあり、売却益が一定額を超えると確定申告が必要

金貨や金地金への投資は投資額が比較的大きく、また投資のたびに購入手続きをするのも面倒です。それに対して販売業者(地金商、金属メーカー、証券会社、商品先物業者など)が提供をしているのが「純金積立」という方法です。

純金積立は、申し込みをしておけば定額または定量で毎月自動的に金を購入してくれる方法で、通常1000~3000円から1000円単位で積み立てができます。定額での積み立てであれば「ドルコスト平均法」によって、定量で買うよりも購入単価を抑えることもできます。業者によっては、積み立ての月額を営業日で日割りして、毎日少額で購入してくれるところもあります。

株式や投資信託などと同様、インターネット経由で純金積立の申し込みをできる業者も増えてきています。またスポット取引を利用することにより、ボーナス月などで毎月の積立額に加えて臨時で買い増すこともでき非常に便利です。

手数料としては、金地金と同様に売値・買値のスプレッドが掛かるほか、購入手数料、入会費・年会費(無料~1000円程度)、保管手数料(無料~年間3000円程度)があります。

特に購入手数料は2.5~3.5%掛かるケースが多く、金のETF(0~0.1%)や投資信託(0~2%)の購入手数料などと比較するとやや割高といえるでしょう。

積み立てた金の引き出しや、ジュエリーや金貨への等価交換ができるのは純金積立のメリット(交換できないところもあります)ですが、等価交換の場合、3000~5000円程度の引き出し手数料と郵送手数料が掛かることがあるので注意が必要です。

なお、純金積立において、長期投資の観点で最も注意しなければならないのが「保管方法」です。純金積立における金の保管方法は、「消費寄託」と「混蔵寄託(特定保管)」の2パターンあります。

「消費寄託」は銀行預金と同じ仕組みです。金の保管会社(販売業者)が積み立てた金を使って運用することで、銀行預金の利息と同様、預けた人はその収益の一部をもらうことができます。ただし、所有権は保管会社に移っており、保管会社が破綻した場合には預けた資産が目減り・返却されないリスクがあります(銀行預金は元本1000万円とその利息まで預金保険で保護されます)。

もう一つのパターンは「混蔵寄託(特定保管)」は複数の顧客から金を預かって混合して保管する方法です。この場合、保管会社は預かった金を勝手に運用に使うことはできないので、運用収益の一部を利息として受け取ることはできません。ただし所有権は預けた人のままなので、保管会社がきちんと自分と顧客の財産を分別管理していれば、保管会社が破綻した場合でも預けた資産が戻ってきます。

純金積立ではほとんどが消費寄託での保管であり、混蔵寄託での保管は一部の販売会社に限られています。消費寄託で長期に投資をする場合には、保管会社の経営状況に注意しておく必要があります。

4-3.投資信託

●メリット: 少額から始められる、自動積立ができる、証券口座で一元管理ができる、業者の破綻リスク・盗難リスクなし
●デメリット: 金を手元に保有できない、管理費用が金ETFと比較して高め

投資信託とは、投資家から集めたお金をひとつの大きな資金としてまとめ、運用の専門家が株や債券、商品などに投資・運用し、その運用成果が投資家それぞれの投資額に応じて分配される仕組みの金融商品のことです。金の投資信託は金現物や金に連動する金融商品に投資をすることになります。

投資信託の大きなメリットの1つは、証券会社や銀行といった販売会社で少額から購入が可能なことです。最近では最低購入金額が100円となっている証券会社も出てきた。また、投資信託で運用される資産は顧客の財産として信託銀行で分別して管理されることが法令で定められているので、万が一投資信託にたずさわる金融機関が破綻しても保有している資産は保全されます。加えて保有残高は証券口座に記録されるので、資産を盗難される心配もありません。

一方で、金の投資信託を購入したとしても、投資信託の値段は金の価格に連動するものの、あとからその投資信託を現物の金に交換してもらうことはできません。

投資信託の主な手数料としては、販売時の手数料(0~2%)のほか、保有残高に従って管理費用(信託報酬など)が掛かります。管理費用は金の投資信託によって異なるが、年率で0.5%から0.8%(税抜)の程度の割合で保有期間に従って日割りで課金される。金の投資信託はまだそこまで種類が多くないため、株式の投資信託などと比べるとこうした手数料は少し高めとなっています。

金の投資信託の税制は通常の株式や投資信託と同様。売却益については譲渡所得として申告分離課税となるが、「特定口座(源泉徴収あり)」を選べば源泉徴収をされて確定申告が不要になります。株式や投資信託との損益通算も可能です。

4-4.金ETF

●メリット: 年間の管理手数料が安い、証券口座で一元管理できる、業者の破綻リスク・盗難リスクなし
●デメリット: 金を手元に保有できない(保有できるETFもある)、自動積立は難しい

ETFは「上場投資信託」と呼ばれる商品で、証券取引所に上場をしている投資信託のことです。金の投資信託と同様、金のETFでも金現物のような盗難リスクはないほか、たとえ証券会社や管理会社が破綻をしても投資家の資産は保全されます(※)。また株式と同様、証券取引所が開いている時間であれば証券会社経由でいつでも発注をすることができる。

(※)ただしリンク債型ETFについては、リンク債の発行会社が破綻する等でETFの価値が下落、無価値になることがあります。

金に投資をできるETFは大きく分けると、日本の東証に上場している東証ETFと、海外(米国)に上場している海外ETFの2つに分けられます。

東証ETFは東証における円建ての取引で、通常の東証に上場している株式と売買の方法は同様に証券会社経由での発注となります。一方、海外ETFは米国の証券取引所に発注することになるため、外国証券取引口座の開設が必要となるほか、取り扱っている証券会社も限られます。ただし東証に上場していないETFに投資することができます。

ETFの主なコストは、売買の都度証券会社に支払う売買手数料と、投資信託と同様に日々掛かる管理費用(信託報酬など)です。ETFは上場していることから、投資信託と比較して管理費用が低くなることが特徴です。

一方で、ETFは自分で都度売買をする必要があり、投資信託のように毎月の自動積立をすることが難しいというデメリットもあります。また取引所での流動性が低い銘柄の場合、売買の際に予想以上に大きな値動きとなってしまう可能性があるので注意が必要です。

ETFの税制は通常の株式や投資信託と同様で、売却益については譲渡所得として申告分離課税となりますが、「特定口座(源泉徴収あり)」を選べば源泉徴収をされて確定申告が不要になります。株式や投資信託との損益通算も可能です。

4-5. 金先物

●メリット: レバレッジを効かせて大きな金額を取引できる
●デメリット: 中長期の投資には向かない

先物取引とは、ある商品を、将来の決められた日に、取引の時点で決められた価格で売買することを約束する取引のことです。

日本で取引できる金先物は、大阪取引所(2020年7月、東京商品取引所(TOCOM)から移管予定。)や米国のCOMEXといった商品先物取引所に上場しているものとなり、商品先物取引業者や証券会社経由で発注することができます。

先物取引のメリットとして、金の現物投資などに比較して取引にかかるコストが安いこと、また売りからでも買いからでも取引を始められることが挙げられます。

先物取引は証拠金を差し入れることにより、元手となる投資資金の数倍の金額を取引することができます(レバレッジ効果)。小さな資金で大きな金額を取引できるのが特徴と言えます。

レバレッジを効かせた取引は、少ない元手で大きな金額で売買をできることから大きなリターンを得る可能性がある一方、同じだけ大きな損失となる可能性もあるので、とてもリスクが高いことを忘れないようにしましょう。

先物取引では取引期限の満了日が決まっているため、期限ごとに決済が必要となります。値段が大きく変動したとき には追加の証拠金差し入れが必要となります。レバレッジを効かせたこうした取引は中長期の資産形成向きではなく、あくまでも短期のトレーディングで効率よく利益を上げるための方法と考えておくとよいでしょう。

なお、先物取引による損益通算後の利益は20%(所得税15%、地方税5%)+復興特別所得税の申告分離課税となります。

5.「守りの資産」としての金(ゴールド)投資

上記のことを踏まえますと、短期の利益を期待するよりも現在の資産価値を守りながら長期的視点で投資をしたいと思う人は、
金投資に向いていると言えるでしょう。

世界同時株安や世界各地で起きる紛争やテロなど、世界情勢は不安定で突然起こる不測の事態を予想することは困難です。

長期的な投資としての金投資は、資産価値を守れるというメリットがあるため、おすすめです。

短期的な投資としての金投資としては、金先物がありますが、金の値動きの特徴をしっかり知っておかないと資産を減らしてしまう可能性がありますので、注意が必要です。

金投資に向いている方 短期の利益よりも現在の資産を守りながら投資をしたいと思う方
金投資に向いていない方 短期で利益を得たいと思う方

6.他の投資商品との比較

この章では、金投資の特徴や、メリット・デメリットを踏まえ、金以外の主な投資商品とのメリット・デメリットを確認していきます。

投資商品 メリット デメリット
  • 信用リスクがない(無価値にならない)
  • 値動きに左右されずインフレ対策ができる
  • 円建て価格は為替の影響を受ける
  • 利息や配当を生まない
株式
  • 値上がり益を狙える
  • 配当や株主優待を受けられる
  • いつ、どの銘柄を、いくら取引すべきかの判断が難しい
  • ある程度まとまった購入資金が必要
投資信託 少額から設定し、幅広い銘柄に投資できる
  • 元本保証がない
  • ファンド選びの情報収集に時間がかかる
  • 手数料などの費用がかかる
国債
  • 金利下限が預金に比べて高金利
  • 元本割れの心配がほぼ無い
  • 購入は1万円から可能
  • 半年ごとに利息を受け取れる
  • 中途換金時に、額面金額から直前2回分の利子相当分の金額が差し引かれる
外貨預金
  • 為替差益を狙える
  • 日本に比べ金利の高い国の通貨で預金することで、より多くの利息を受け取れる
  • 外貨建てでは元本と利息が保証される
  • 円に交換する時の為替レートによっては差損を被るリスクがある
  • 通常交換には手数料がかかる
FX
  • 少額で大きな取引ができる
  • 外貨との間の金利差によっても利益(スワップポイント)が受け取れる
  • レバレッジ効果で高額の収益が期待できる
  • 為替相場が不利に動けば大きな損失を出す
不動産
  • 比較的安定した収入が見込める
  • 値動きに左右されずインフレ対策ができる
  • 大きな資金が必要
  • 管理にも手間と費用がかかる
  • 容易に現金化できない
  • 固定資産税などがかかる
  • 火災・自然災害のリスクがある

それぞれ性格の異なる投資商品をライフステージや資産状況に合わせて選択し、投資先や比率を変えていくことが賢い資産運用と言えるでしょう。

まとめ|金(ゴールド)投資の魅力とは。金(ゴールド)投資と他の投資商品を徹底比較!

金投資は、株価下落の影響を受けにくい上、希少価値が高いため信用リスクが低く、株式などと合わせた分散投資に向いています。

また、金は他の金融資産との相関性が比較的低いため、金を保有することで、経済危機が起きた場合に資産の目減りを抑えることが期待できます。

興味のある方は、ご自身の投資目的や投資できる金額等にあった方法を考えたうえで検討を進めてみてください。

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