貧乏になる節約してませんか?「貧乏節約」と「金持ち節約」の違いとは

青木博史

1.はじめに

「将来のお金を貯めるため節約しているのに、なかなか貧乏から抜け出せられない!」
こんな風に感じている人はいませんか?

節約というと、家計が苦しい人だけが取り組むと思われがちですが、実は豊かな人こそ「お金を無駄に使わない」ことを徹底しています。そうでないと、豊かさを持続できないと知っているからでしょう。

そこで今回は「貧乏節約」と「金持ち節約」の考え方の違いについて解説します。

この機会に自分の考え方が貧乏に向かっているのか? 豊かさに向かっているのか? 考えてみましょう。

また、なかなか貧乏から抜け出せられない人がやっている可能性がある『貧乏になるかもしれない節約』と共に正しい節約術や考えるべきことについても紹介します。是非参考にしてみてください。

2.「貧乏節約」と「金持ち節約」の考え方の違いについて

節約に取り組む時に注意が必要なのは「考え方」です。考え方が貧しいと、どんなに節約しても豊かになりにくく、反対に豊かな考え方で節約をすると、金銭面だけではなく心も豊かになっていきます。

この章では「貧乏節約」と「金持ち節約」の考え方の違いについて解説します。

2-1.節約との向き合い方

「節約」と聞いて嫌悪感や貧乏臭さを連想し、みじめな気持ちになるのが貧乏節約です。損得勘定や値段、ブランド名などでしかモノに価値を見いだせない人がこれに当てはまります。「節約」と聞いたとたん、「安かろう悪かろう」と感じ、心がガックリとしてしまうのです。

反対に、「節約」と聞いて「賢いお金の使い方をしたな」と思うのが金持ち節約で、その商品の価値と値段が合っているか? と考えます。その値段より価値が高い買い物ができた時は、「良いお金の使い方をした」と感じます。

心が豊かな人こそ、無駄なことにお金は使いません。つまり、自分にとっても何が必要で、何が無駄であるかもわかっている人なのです。

2-2.物欲との付き合い方

欲しいモノを我慢したと思うのが貧乏節約、今あるモノに目を向けるのが金持ち節約です。欲しいモノを我慢するのは辛いものです。だからこそ、節約にはマイナスのイメージがつきまとうのだと感じます。

しかし、節約は我慢大会ではありません。私達日本人はすでに多くの物を持っています。その証拠に、ゴミ箱やゴミ処理場は常に溢れ返っています。

人の「欲しい」という欲望は残念ながら尽きることはありません。その欲望に身を任せてお金を使っていたら家計の破綻は目に見えています。今あるモノに目を向け、これで十分といった「足るを知る」ことで、物欲をコントロールすることが大切です。

それでも「欲しいモノ」がある場合は、どうしたらお金をかけずに手に入れることができるか?ということに視点を変えるようにしましょう。

2-3.買い物の仕方

バーゲンで買うのが貧乏節約、欲しい物を必要な時に買うのが金持ち節約です。バーゲンで安くなっているからと買い物に行って、つい衝動買いしたり、失敗したケースは誰にでもあるでしょう。

しかし、そういう買い物はもう卒業したいものです。「値段」を基準に買うのではなく、欲しい物を必要な時に買うようにすれば、ショッピングに行く回数も減り衝動買いも防げます。また気に入った物が見付からない場合は「買わない」という選択肢も大切です。

2-4.金銭感覚の養い方

「無駄使いしてはダメよ」と子どもに教えるのが貧乏節約、「大切に使ってね」と子どもに使い方を教えるのが金持ち節約です。

お金は使わないことが美徳ではありません。子どものうちは無駄使いがどういうことかまだ理解できていません。無駄使いをして、初めて「これは無駄使いだった」と知ります。大人になってからのお金の失敗は、金額も大きくなり取り返しがつかないことになりがちです。

だからこそ、子ども時代はお金を使いながら小さな失敗と成功を繰り返し、金銭感覚を養っていくことが大切です。

いかがでしょうか?「節約してもなかなか生活が豊かにならない……」と思っている人は、貧乏節約と金持ち節約、どちらに自分がいるか考えてみてください。

「節約」というお金の扱い方を家計に取り入れることで、自分や家族、社会、さらに地球環境がどうなるのか?と考えてみましょう。そうすれば、「節約」は上手なお金の扱い方のひとつだと気付くはずです。ぜひ、豊かな考え方でお金と向き合えるようにしてみてください。

3.貧乏になるかもしれない節約

さてここからは、みなさんがやっている可能性がある『貧乏になるかもしれない節約』についてお話ししていきます。

あなたは以下のような節約をしてませんか?

  • 食費を削りすぎる
  • バーゲンセールで大量購入
  • ポイント目的のみのキャッシュレス決済
  • 漠然と節約しようとする

この節約に見覚えがある、心当たりがある人は、もしかしたらお金がなかなか貯まらない理由はそこにあるかもしれません。

具体的にどうして貧乏になる可能性があるのかそれぞれ解説しましょう。

3-1.食費を削りすぎる

食費を削りすぎると、身体的にも精神的にもストレスが貯まってしまいます。最悪の場合、病院に行くことになって余計に医療費がかかることもあるでしょう。

例えば、「1食100円生活をする」などです。実際にこの方法を実践された方がいました。

結果、食事はあまりにも質素になってうんざりしてしまい、結果的に間食としてお菓子を買うようになったそうです。

このように健康を害するまではいかなくとも、我慢が限界に達して無駄遣いにつながる人もいます。
食費の削りすぎは新たな出費を生む可能性があるので注意してくださいね。

1日3食を守って、健康的な食事を心がけましょう。

3-2.バーゲンセールで大量購入

バーゲンセールなどに乗じて大量に商品を購入すると、ムダなものも購入してしまう場合があります。その時は必要だと思っても、後からいらないと気づくことが多いです。

たしかにセールの時はあらゆる物が安くなりますが、舞い上がってはいけません。事前に買うべきものを決めて、それ以外は買わないようにしましょう。

3-3.ポイント目的のみのキャッシュレス決済

キャッシュレスのポイント還元に目移りして商品を買ってしまうと、無駄遣いが増えてしまいます。

各社が開催する定期的なキャンペーンによって、キャッシュレスは期間限定で高い還元率になっていることが多いです。

「今買わないとポイントを逃してしまう」と思って買った場合、それは必要ない買い物である可能性が高いでしょう。

たしかに多くのポイントはもらえますが、それ以上に支出が出ていることに変わりありません。いつの間にかポイントの獲得が目的にならないようにしましょう。

3-4.漠然と節約しようとする

目標を決めずに、「とりあえず節約しよう」という意気込みで取り組むと失敗しやすいです。

明確な目標がなければ、どのくらいの節約が必要か分かりません。結果、なんとなく節約することになり、ふとした時に「今回はしょうがない」と無駄遣いしてしまうでしょう。

4.本当に正しい節約術

本当にするべき正しい節約方法は次の通りです。

  • 固定費を見直す
  • 節約の目的を明確にする
  • 無理のない程度で家計簿をつける
  • 買い物は『なかったら困るもの』に絞り込む

上記を実践すれば、誰でもお金を貯められるような体質になれます。
それぞれ分かりやすく解説しましょう。

4-1.固定費を見直す

まずは固定費を見直すようにすれば、効率よく節約効果が出てお金を貯められるようになります。

固定費

→ 毎月、一定の金額がかかる支出のこと。

代表的な例は次の通りです。

  • 通信費
  • 水道光熱費
  • 家賃
  • 保険料   など

固定費の節約は一度行ってしまえば、それ以降ずっと効果があります。よって、精神的に楽に行うことができ、成功しやすいのです。

多くの人は食費や衣服代などの変動費から節約しようとします。

変動費

→ 毎月、使う金額が変わる支出のこと。

しかし、変動費の節約は、「今回は我慢しなければ」と感じる機会が多くなるものです。結果的にストレスが溜まりやすく、失敗しやすくなります。

まずは固定費の節約から検討しましょう。

4-2.節約の目標を明確にする

節約の目標が明確になっていれば、節約金額が具体的に分かるためお金を貯められるようになります。
ここで決めるべき目標とは、「なんのための節約か」ということと「必要な金額」です。
例えば、

なんのための節約か
→ 半年後に海外旅行に行くため。

必要な金額
→ 15万円

と目標を立てたとしましょう。

それなら月に25,000円の節約が必要です。そして、家計を見直してどうしたら25,000円分を削れるか考え始められます。

このように目標を決めれば計画が立てられ、節約によって得られる明るい未来が鮮明に見えてくるのです。

結果、節約へのモチベーションが上がり、ふとした時に不要な出費をすることが少なくなります。節約を始める前に一回でいいので、目標を決めておきましょう。

4-3.無理のない程度で家計簿をつける

家計簿をつけると、節約すべき項目の優先度が分かるようになってお金を貯められるようになります。

さきほど固定費から節約するべきと述べましたが、どうしても限界があります。その時に家計簿をつけていれば、支出の全体像が分かって自分が使い過ぎている項目から節約に移れるのです。

また、定期的に家計簿をつければ節約の進捗も知れるため、モチベーションの向上にもつながります。1ヵ月に1回で充分なので、これから家計簿をつけていきましょう。

4-4.買い物は『なかったら困るもの』に絞り込む

「なかったら困るものを買おう」という意識を持っていると、ムダな出費が減らしやすくなってお金が貯まるようになります。

あったらあるだけいいものは無限大にあります。例えば、洋服やバック、化粧品などです。

しかし、これらを事あるごとに買っていては、当然お金は貯まりませんよね。

そこで、これからは「なかったら困るものを買おう」と考えましょう。例えば、食材やトイレットペーパーなどです。

この考えでいれば、必然と購入するべきものが減って節約につながります。意識を持つだけなら今からでもすぐにできるので、ぜひ実践してみてください。

5.節約の本質とは幸せになるため

節約の根本的な目的を考えると、幸せになるためであるはずです。

たまに我慢を続けて辛そうに節約している人がいます。しかし、それは本来の目的を見失ってしまっているのです。

たしかに節約を成功させるためには、一時的に努力が必要になります。とはいえ、正しく節約ができている人はそれすら楽しんでいるのです。

これを機に、「節約はお金に困らない幸せな未来をむかえるためだ」と、もう一度確認しておきましょう。節約の本質を捉えておけば、成功する可能性は飛躍的に高くなります。

6.節約しながら考えるべきこと

節約と同時に考えてほしいことは次の2つです。

  • 収入の増加
  • 資産運用

上記を節約と一緒に実践すれば、さらにお金を貯めやすくなります。それぞれ具体的に解説しましょう。

6-1.収入の増加

収入が増えれば手元に入ってくるお金が増えるので、貯まるスピードが加速します。

節約をどれだけしても、収入以上にお金を貯めることはできません。収入の増加に成功すれば、貯められる金額は青天井です。

しかし、それに伴って支出も増えては意味がありません。よって、節約と同時に取り組むことが大切です。

具体例を挙げると、以下のような方法があります。

  • 今の職場で出世をする
  • 収入の高いところへ転職する
  • 副業を始める

市場価値の高い人材になる意識を持って、積極的に取り組みましょう。

6-2.資産運用

資産運用すると、効率的にお金を増やすことが可能です。

節約しながら収入を増やすと、少しずつまとまったお金が貯まってくるでしょう。同時に、長期的な資産運用をすれば、銀行預金よりも早くお金を増やせます。

なぜなら、資産運用はリスクがあるものの、長期的に正しく資産運用すれば年間約3~5%ほどのリターンが充分に期待できるからです。

仮に毎月10万円、毎年120万円を貯金できたとしましょう。

それを10年間で5%のリターンを期待して運用したとすると、約1550万円になります。単純に貯金していけば1200万円なので、資産運用の効果はなんと『350万円』です。

一方、現在の銀行預金の金利は定期預金で約0.01%ほどです。

これでは年に120万円を預けられても10年後は1200万5952円となります。

資産運用するか否かで、銀行預金と比較するとなんと『349万4,048円』の差が生まれるのです。このように資産運用も同時に進めていくことで、さらにお金を増やしやすくなります。

7.まとめ|貧乏になる節約してませんか?「貧乏節約」と「金持ち節約」の違いとは

厳しい節約をすれば必ず裕福になるわけではありません。むしろ、誤った節約は貧乏への道を進ませてしまう可能性すらあります。

節約の根本的な目的は、幸せになるためであることを忘れてはいけません。それを意識して、節約の努力さえ楽しめたら、それが一番良い節約になり、同時にお金が増える行為にもつながっていきます。

この記事を読んで、正しい節約方法を知り、将来のためにお金を着実に貯められるようになりましょう。

 

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