これだけ知っていれば株取引の準備は完璧!株取引の基礎知識

青木博史

1.はじめに|株を始める前に最低限知っておいてほしいこと

投資初心者の方が株をはじめるときに悩むのは、「投資に必要な知識がない」ということではないでしょうか?

確かに株式投資などを始めるには、それなりの知識や準備が必要です。

ただ、それ自体は株式投資をこれから始めようとしている初心者の方が想像している
漠然とした「投資に必要な知識」ほど膨大な量でもなければ難しいことでもありません。

最低限、知っておいた方が良い知識を得るのはそんなに大変ではないので
あまり難しくは考えずに、最初は簡単な投資知識をマスターし、
ハードルの低いところから投資活動を始めてみましょう。

この記事では、株式投資の初心者が必要最低限知っておいて欲しいことについて解説します。

 

1-1.取引時間

株式取引は24時間できるわけではなく、取引時間があります。
相場の変動を予測し、自分が取引(売買)をしたいと思える価格で取引をするためにも
この取引時間を把握しておく必要があります。

例えば、朝のニュースなどの情報から、寄り付き前(取引時間が始まる前)に売っておこう、買っておこうというような計画が立てられるようになります。これから株式投資を始めようとするならば、この「取引時間」は知っておいてください。

取引時間は証券取引所によって違います。東証の取引時間は前場が9:00〜11:30まで。後場が12:30〜15:00までとなっています。ちなみに名証は大引けが15:30と東証よりも30分遅いので参考までに頭に入れておくと良いでしょう。

取引で注意が必要な時間帯は、寄り付き(取引開始時間直前)と大引け前(取引終了時間直前)です。この時間帯は一番株価が動きやすい傾向があるので、取引時間と一緒に変動しやすい時間帯についても覚えておきましょう。

 

1-2.銘柄コード

銘柄コードとは証券コードともいい、すべての銘柄についているコード(番号)のことです。上場株式や上場投資信託などを識別するために割り振られた数字4ケタの番号を指します。証券コード協議会が決定し、運営主体は全国の証券取引所および証券保管振替機構で、東京証券取引所に事務局が置かれています。

市場全体で3.600以上(2019年6月末時点)もある銘柄群の中には似たような会社名も多数あり、銘柄コードと会社名を照合することで誤った発注を避けるようにするのが主な目的となっています。

ですから、業種ごとにコード番号は振り分けられているので、銘柄コードの番号が近い会社は同じ業種だったりします。

<業種ごとに区分される証券コード>
1,300番台 (水産・農林業)
1,500番台 (鉱業)
1,600番台 (石油ガス開発)
1,700~1,900番台 (建設)
2,000番台 (食品)
3,000番台 (繊維・紙パルプ)
4,000番台 (化学・薬品)
5,000番台 (資源・素材)
6,000番台 (機械・電機)
7,000番台 (自動車・輸送用機器)
8,000番台 (金融・商業)
9,000番台 (運輸・通信・放送・ソフトウェア)

特に覚える必要はありませんが、今後、会社四季報などで投資銘柄を探すときは、あいうえお順ではなく、証券コード順に並んでいますので、知っておくと便利です。

 

1-3.注文の種類

株式を売買するときの主な注文方法には以下の2つの種類があります。

  • 成り行き注文:売買の値段を指定せず、売買の成立を優先させる注文方法
  • 指し値注文:売買の値段及び注文の有効期限を指定して注文する方法

成り行き注文はいくらの値段で成立するのかは、市場の流れに左右されるので、市場価格の変動が激しい場合は、自分の予定している価格(予想価格)よりも高い(または安い)値段で売買が成立する場合もあります。

また、指し値注文は、希望する値段で売買できる反面、値段によっては売買が成立しない場合があります。

 

1-4.取引の成立方法

取引(売買)が成立することを約定といいます。

株式取引の場合、買い注文をしても、売ってくれる投資家がいないと取引が成立しません。
買いたい人と売りたい人の条件が一致して、取引が成立した状態が約定です。

そして、「約定」にはルールがあります。

そのルールを一言でいうならば、
「買いたい(売りたい)と意思表示した注文から優先して取引される」ということです。

意思表示レベルの基準は注文の種類と関係していて、
「指し値注文か成り行き注文か」「取引したい価格がいくらか」「注文した時間がいつか」の3つです。

優先順位は

「成り行き注文」>「指し値注文」

その後の優先は、「価格優先の原則」として、
成り行き注文の成立後の指し値注文の優先順位は注文した価格が優先されます。

例えば、買い注文であれば、より高い金額での注文の方が
「より買いたい気持ちが強い」と考えられるため、
買い注文は指値の金額が高いものから順番に優先されます。

売り注文の場合も同様で、より安い金額での注文の方が、
「より売りたい気持ちが強い」と判断されるため、
指値の金額が安い者から順に優先されます。

最後に同じ価格の指し値注文の中でも優先順位の決定は、「時間優先の原則」に従って
早い者勝ちで優先されます。

早く注文を出した人の方が、より早く帰る権利を得られるということです。

行列のできるお店に行った時の行列に並ぶお客さんを想像するとわかりやすいでしょう。

 

1-5.売買代金の受け渡し

株式の買い注文や売り注文が成立した日が「約定日」に対して、
売買の決済をする日を受渡日といい、売買代金の受け渡しにもルールがあります。

買い注文:約定日から2営業日後
売り注文:約定日から2営業日後

土曜日・日曜日などの証券会社が営業していない日は受け渡しは行われません。

例えば、月曜日に約定したら、受け渡しは水曜日。
木曜日に約定したら、受け渡しは月曜日になります。

 

1-6.口座開設までの流れ

株式取引を開始するにはまずは証券会社の口座開設をしなくてはいけません。

ネット証券会社での口座開設はとてもカンタン!
オンライン申し込みなら最短1日で始められます。

大まかなオンラインでの口座開設の流れは以下になります。

  1. 好きなネット証券会社を選ぶ
  2. ネット証券会社のトップページにアクセス
  3. 「口座開設はこちら」をクリック
  4. 口座開設ページの誘導にしたがって必要な情報を入力
    (名前・生年月日・性別・連絡先など)
  5. マイナンバーカード(『個人番号カード』または『マイナンバー通知カード』)『免許証』等の準備とデータアップロード

いますぐに株式投資を始めたい人には、オンライン上で口座開設の申し込みをし、
翌日から株取引を始めることが可能なネット証券会社がおすすめです。

もちろん、郵送で口座開設申込書をネット証券会社から取り寄せて
口座開設することもできます。

その場合はオンラインでの口座開設より時間がかかります。
郵送で口座開設する場合は、
自宅にプリンターがあるのならば自分で口座開設申込書を印刷して申し込む方が良いでしょう。

 

1-7.「特定口座」「厳選あり・なし」とは

口座登録申し込みフォームに記入する際に、多くの人が戸惑う項目と言っていいのが、この「特定口座」の項目です。

選択肢には「特定口座・源泉あり」「特定口座・源泉なし」「一般口座(特定口座を開設しない)」の3つがあります。

この項目については、会社員の場合は「特定口座・源泉なし」が有利な場合もありますが、
多くの人は「特定口座・源泉あり」を選べば良いと思います。

株で利益が出たら税金を支払います。(利益の20%)
そして、税金の支払い方は証券会社に源泉徴収してもらう方法と、確定申告する方法があります。

めんどくさいことは嫌であれば、確定申告の必要がない、
利益が出るごとに源泉徴収される「特定口座・源泉あり」を選びましょう。

確定申告してもいいのなら、「特定口座・源泉なし」を選んでもいいと思います。
まとめて取引明細書を証券会社が送ってくれるのでそれをもとに自分で確定申告を行えます。

会社員の場合、給与所得以外の収入が20万円以内なら、
その分に関しては確定申告(納税)が免除されるという特例があります。
給与以外の所得がなければ、株での利益20万円までは実質無税になるということになります。
ただし、この特例を利用するなら、必ず「特定口座・源泉なし」を選ばなければいいけません。

以上の話をおさらいすると「特定口座」の項目の選択肢の選び方は以下になります。

  • めんどくさい作業が嫌な人は「特定口座・源泉あり」
  • サラリーマンで、特例を利用したい人は「特定口座・源泉なし」

ここまでで、口座開設申込書と本人確認書類を証券会社に提出するまでの流れを解説しました。

上記で解説した工程を済めば、証券会社によって異なりますが、だいたい1〜2週間後には口座開設は完了し、
取引に必要なIDやパスワード、入金するときに使う銀行口座が記載された用紙が郵送で送られてきます。

口座開設は無料でできますし、口座を開いたから必ず取引をしなくてはならないということではありませんので
まずは気軽にいくつかのネット証券会社で口座を開いてみることをおすすめします。

 

2.投資の心得

さて、口座開設も無事完了し、株式投資の最低限の基礎的な知識も手に入れて、
次に知らなければいけないこと。

それは投資の心得です。

投資を始める前に、自分自身が投資活動をどのように考えているのか。

正しい投資の考え方で投資活動を始めていくことが、資産を増やす結果につながる大事な要素となります。

ここでは、投資に対する考え方について説明します。

 

2-1.長期投資と短期投資

投資はおおざっぱに時間軸で長期投資と短期投資という2つの種類に分類することができます。

そして、投資初心者の方が陥りやすいところは、本来投資とは、長期目線で考える必要があることを知らないので、
短期投資の目線で値動きを見てしまうという点です。

株式投資は、これから価格が上がっていくだろう。今、価格が上がっていて更に上がるモノに投資する。という考え方で銘柄を選定します。

潰れない会社を買っておく。長期目線で、すぐに儲かるとは思わないで投資をすることで、資産が増えることを知っておいてください。

 

2-2利益目標と損切りを決めよう!

株式投資をする際は、必ずチャートを見ます。

そして、現在の価格で買いたいと思えるチャート形状であれば、買い注文をするのですが、
同時に必ず利益確定目標と損切り目標を決めることが大切です。

長期目線で株式を買い、そのまま放置するのは良くありません。

ここまでのリスクは許容できる。ここまでの利益になったら利益を確定しよう。という計画を立ててから
株式投資をすることをおすすめします。

 

3.これだけ知っていれば株取引の準備は完璧!株取引の基礎知識のまとめ

株式投資に対して、ハードルの高さを感じている投資初心者の方でも、

ここまでの株式投資に関する基礎知識を手に入れれば、株式投資は気軽に始めることができます。

そこで、注意して欲しいことは株式投資に対する『心構え』です。

いくつかのネット証券会社で口座を開いたら、
長期投資の目線で、すぐに儲けようとせずに、まずは小額からの株式投資を始めてみることをおすすめします。

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