FXで損切り貧乏になる3大理由と、損切り貧乏を卒業する方法

青木博史

 

FXでは損切りが重要だと口酸っぱく言われているので、ちゃんと損切り注文を入れているのに、それを繰り返しているうちに手持ち資金をずいぶん減らしてしまった、という心当たりはありませんでしょうか?

そんな状態のことを「損切り貧乏」と表現することもありますが、それならいっそのこと損切りなどしない方がいいのではないかとまで考えたこともあるのではないかと思います。

損切りが重要と思うからこそしっかりと損切り注文を入れているのに、なぜうまくいかないのか。損切り貧乏になってしまうのか。

その理由を3つのトレードパターンに分類して考察してみたいと思います。

1.なぜ、損切り貧乏になってしまうのか

細かい損切りを続けているうちにじり貧になってしまうことを、損切り貧乏といいます。なぜ損切り貧乏の状態になってしまうのか、その理由を考えてみましょう。

1-1.細かく損切りをして負け続けると、どうなる?

FXはハイリスクな一面があるので、損切りをしないと1回のトレードで資産のほとんどを失うリスクがありますよ、というのはFX投資家の方であれば何度となく目にしている注意喚起だと思います。

ならば、ちゃんと損切りをしようということで損切りを続けていると、手持ちの資金がずいぶん減ってしまった…というのが、FXの損切り貧乏です。

1回の損切りはそれほど気になる金額ではなくても、それが積み重なって連敗が続くと、やがて看過できない損失になってしまいます。

1回の損切りが1万円だったとしても、それを20回繰り返せば20万円になるのですから。

1-2.必要な損切りと、無駄な損切り

細かい損切りを繰り返していると損切り貧乏になるであれば、やはり損切りなどしないほうが良いのでは?と考えてしまうのは早計です。

ここで認識しておきたいのは、損切りには2つの種類があるという事実です。損切りの中には必要な損切りと、無駄な損切りがあるのです。

言うまでもなく、損切り貧乏の原因になっているのは、無駄な損切りの乱発です。

1-3.問題は、無駄な損切り

それでは、無駄な損切りとは何でしょうか。これは損切りをしなければならない事態になる以前の段階にさかのぼる必要があります。

新規にエントリーをする戦略が、果たしてどこまで勝算のあるものであったかということが重要になります。

自分で決めたトレードのルールや相場分析に基づいたものであれば、新規エントリーにも根拠がありますが、無駄な損切りが多発している時には、ほぼ間違いなくエントリー時の問題があります。

エントリー時の問題として考えられるのが、3つの典型的なパターンです。

2.損切り貧乏になる典型的な3つのパターン

損切り貧乏を招いてしまう、問題のある新規エントリー。そこにひそんでいる3つの典型的なパターンを解説します。

2-1.感覚トレード

「〜〜だろう」という根拠のない推測に基づいてFXトレードをすることを、感覚トレードといいます。自分の判断で売買注文を出すことを裁量トレードといいますが、「裁量」と「感覚」は違います。

・しばらく下がり続けているので、ここからは上がる「だろう」。

・ずっと上がっているのでまだまだ上がる「だろう」

これらの「だろう」が、チャート分析に基づいたものであれば良いのですが、感覚的なものだと、感覚トレードという失敗パターンになってしまいます。

2-2.感情トレード

FXトレードをしていて、負けた直後にすぐ負けを取り返したくなったことはありませんか?

逆に本来の利食い水準までレートが動いていないのに、「せっかく含み益が出ているのに、ここで反転したら怖いので利食いしておこう」といったように、恐怖心からトレードを焦ってしまった心当たりはないでしょうか?

こうした人間の感情に支配されたトレードのことを、感情トレードといいます。

特に負けた直後に取り返そうとする感情は冷静な判断力を鈍らせてしまうので、倍返しとばかりにポジションを大きくしがちであることから、最も危険です。

2-3.願望トレード

相場の分析では、客観性が重要です。そこに人間の願望が入ってしまうと分析が大きく歪められてしまい、正しい判断を下せなくなります。

「上がってほしい」「下がってほしい」「戻ってきてほしい」といった願望で相場が動いてくれれば苦労はありませんが、現実がそうなってくれるとは限りません。

こうした願望トレードをしてしまうと、その結果損切りをする場合も無駄な損切りになってしまう可能性大です。

2-4.3つのパターンに共通する重大な事実

ここまで損切り貧乏になる典型的な3つのパターンを解説しましたが、これらに共通している重大な事実があることに、お気づきでしょうか。

それは、「人間の弱さ」です。人間は感覚で物事を考え、感情に支配されることがあり、願望を持つ生き物です。

このこと自体は人間らしい部分なので否定する必要はないのですが、FXトレードの世界では判断を歪めてしまうため、いかに人間の弱さを排することができるかが、損切り貧乏から脱皮する最短の道です。

3.感覚、感情、願望によるトレードから脱皮する方法

感覚、感情、そして願望によるトレードで損切り貧乏になってしまうのを防ぎ、強いFX投資家になるための方法は、たった1つです。

3-1.トレードルールを作る

FXの裁量トレードで利益を出し続けるには、それを可能にするトレードルールを確立する必要があります。Meta Traderのように自動売買ソフトにはたくさんの売買プログラムがありますが、これらのプログラムの良いところは人間の感情を一切排しているため、弱さによって振り回される可能性がないことです。

これと同じように、人間の弱さが入り込む余地をなくすために、「この条件になったらこうトレードする」というルールを自分の中で作ってしまい、そのルールに完全に従って機械的なトレードをするのが最も有効です。

3-2.トレードルールを順守する

言うまでもありませんが、一度決めたトレードルールは必ず守ってください。

あらかじめ入れておいた損切り注文にレートが近づいてきたら、損失確定になるのが怖くなって損切り注文が成立しないように変更する、といったことは初心者の多くが一度はやったことがあるかと思います。

これだとトレードルールを作った意味がなくなってしまうので、一度決めたルールは冷徹に実行してください。

そのためには、IFO注文でエントリーから利食い、損切りのシナリオを決めてしまったら、以後約定通知のメールが来るまで相場を見ないというのも効果的です。

3-3.トレードルールは常にブラッシュアップする

一度作ったトレードルールを順守するのは大切ですが、だからといってそのルールを一生そのままにしておくのは好ましくはありません。

投資家のスキル向上によってトレードルールもそれに合わせて修正をしていくべきですし、FXの相場環境がいつまでも同じであるとも限りません。

作ったトレードルールに従うのは当然ですが、トレードルールそのものは必要に応じて常にブラッシュアップをしていきましょう。

4.まとめ

損切り貧乏という言葉自体に、何とも言えないニュアンスを感じる方は多いと思います。それだけに自分はそうなりたくないと思うものですが、実際には多くのFX投資家が無意識に損切り貧乏になってしまっています。

自分はどうなのか?と一度自問自答をしてみて、当てはまる部分があると思ったらこの記事の方法で損切り貧乏を卒業しましょう!

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