株式投資で勝つ確率を上げる方法とは。勝ちたいなら「負ける人」をお手本にしよう!

青木博史

1.はじめに

株で勝つためには、どうしたらいいのだろうと真剣に考える人なら、
「勝率を上げたい!」と誰でも思うはずです。

そんなあなたに一番おすすめなこと。

それは、株で負けない方法の研究です。

なぜなら、株で負けない方法が株で勝つ方法だからです。

株式市場に参入してくる人を見渡せば、株で勝つ方法・勝率を上げる方法を求めている人がとっても多いです。

いわゆる聖杯探しです。しかし、どんなに探しても聖杯は見つかりません。

地道に努力して、株で負けない方法=株で勝つ方法を構築するしかないのです。

「でも、何をすればその方法が構築できるの?」と疑問に思われる方に向けて、1つ提案したいのは

株で負けている人を分析する

ということです。

相場を読み解くには逆転の発想が役に立つことが多いです。

株式市場では、90%以上の人が負けていると言われます。彼らを分析し、その負けている方法の反対の方法が勝つ方法です。

相場には「曲がり屋に向かえ」をいう教えがあります。

曲がり屋とは、相場で損ばかりしている投資家を意味します。
相場で損ばかりしている人と真逆の考え方で反対の売買をすれば勝つことができるというわけです。

「勝ちたい!勝ちたい!」といくら念じてみても、勝てるようにはなれません。

そうではなくて、柔軟な思考で「勝つ=負けない」について考え抜いた上で、

  • どうしたら勝率を上げることができるか
  • トータルで利益を出し続けることができるか

を試行錯誤しながら研究していくことが大切です。

この記事では株式投資で負けないことを軸にして「勝つ確率を上げる」ための方法を解説します。

株式投資を始めたけれど、中々利益が出なくて困っている人や、これから株式投資を始めようと考えている人はぜひ参考にしてください。

2.株式投資で勝つ確率はどのくらい?

勝ち負けについて、単純に利益を出した取引を勝ち・損失した取引を負けとした場合。

チャートの上がり下がりだけで予想する取引は勝つ確率は負ける確率と同様に50%になります。

つまり、勝ち負けは五分五分です。

しかし株式投資は上がったから勝ち、下がったから負けではなく利益の多さや損失の多さによって勝敗が変わってきます。

例えば利益を50万円だして買った人が次の取引でマイナス60万円をだしてしまったとします。

勝敗では1勝1敗となり、勝つ確率は50%となりますが資金を見るとマイナス10万円になっています。

上記のように株式投資の勝つ確率は、利益を出した・損失を出したということだけでは断定することはできません

単純に勝ち負けだけを追い求めたいという投資家は別ですが、株式投資をしている人たちは利益を出したいと考えています。

投資の目的は「資産を増やすこと」です。

勝つ確率を上げることそのものではありません。

勝つ確率はシンプルに考えると50%ですが、投資で勝つ定義を明確にすると
単純に50%とは言えないということを理解しておきましょう。

株式投資はトレードのテクニックや情報収集によって勝率が左右されるため、2択のどちらかを単純に当てるゲームではありません。

勝つ確率は個人の能力によって変わってくるので、単純に「上がる・下がる」を予想すれば良いだけという考え方はやめましょう。

2-1.勝ちの定義付けが難しいので確率を出すことはできない

株式投資の勝ちの定義付けは難しく、単純に利益が出たから勝ちとは言えません。

利益を出すといっても50円利益をだしたトレードと10万円利益をだしたトレードでは中身にかなりの差が生まれます。

更に負ける定義も難しく、損切りして3万円損失したのとロスカットで30万円失ったのでは大きく違います。

そして何より勝つ内容だけでなく、個人の能力によって勝つ確率は大きく変化するので確率を明確にだすのは不可能です。

2択を勘だけに頼って当てるゲームの場合、確率は50%となります。

株式投資の場合、根拠のないゲームではなく「期待値」や「テクニカル分析」によって勝つ確率や利益・損益の金額が変わってきます

ですから、株式投資は一般的な勝ちの確率を知るより、自分の取引勝率を見て投資方針を考える方が有意義です。

2-2.株式投資で儲けている人は勝率が悪くても利益を上げている

億以上稼いでいる投資家は国内に存在しています。

稼いでいる投資家だから負けることは絶対ないだろうなと考えている初心者もいますが、勝率の低いトレーダーもいます。

投資は勝ち・負けで固定されておらず、どのくらいの利益をだしてどのくらいの損失が出たかで最終的な勝ち負けがきまります

つまり勝率の低いトレーダーで稼いでいる人たちは、利益を出すトレード回数が少ないが1回の利益が大きく、損失してしまうトレード回数が多いが総合損失額が少ないということになります。

株式投資における勝ち・負けは一概にも当たった・外れたで決めることはできません。

3.株式投資で勝つ確率を上げる方法

株式投資で一般的な勝つ確率を割り出すことはできないと説明しましたが、個人個人の勝率を上げる方法はあります。

プロの投資家達も負けることは当然あります。

重要なのは勝つトレードの時にどれだけ大きく利益をだして、負けトレードの時に損失をどれだけ少なくおさえられるかということです

この章では、株式投資で勝つ確率を上げる方法を紹介するので、資金を損失し続けている人は参考にしてください。

3-1.勝算を計算して取引する

株式投資には絶対がない為、「運」の良し悪しはないとは言えません。

株価の高い銘柄を買っても1日後に下落する可能性もあれば、逆に割安株を買っても絶対に上昇する保証もありません。

デイトレードのような短期トレードは上下の値動き予想が更に難しく、株価の上下運動はランダムであるという「ランダムウォーク理論」というものもあります。

ただし株価の上下がランダムにおこなわれるとしても、株価が上がる勝算が少しでもあれば勝つ確率はあがります。

勝算は企業情報やテクニカル分析で割り出す方法があり、勝算のある投資を行えるようになると株価がランダムに動いていたとしても平均的に勝つ確率はあがります。

つまり、株式投資で取引をはじめる時は勝算がどのくらいあるか考えてエントリーする必要があります。

3-2.負けを減らすのではなく損失をへらす

株式投資での負けは損失を意味します。

1000円で買った株が900円に下がると100円のマイナスになり、900円の株価で売却すると-100円が確定し資金から引かれます。

しかし、負けを一切無くそうと考えても株式投資で「負けない手法」はありません。

資金を増やすためには「負ける場面」も必要です。

どんな才能を持った投資家でも無敗で投資を成功させている人はいません。

株式投資は負けることもある。上手く負けることが成功の鍵と考える必要があります。

そしてそのためにも負けた時の損失をへらす方法を考える必要があります。

例えば、資金が100万円で3回負けて80万円の損失をだした人と
5回負けて10万円損失した人を比較すると負け回数は5回の人の方が多いですが損失額は3回の人より少なくなっています。

上記の場合5回負けた人の方が損失を抑えられているので、今後の取引で勝つチャンスは3回負けた人より多くなります。

株式投資での負けは損失トレードとなりますが、負け回数より負けた内容を重視して対応することが大切です

3-3.リスクヘッジで色々な投資をする

株式投資のみ、あるいは1つの手法のみ限定的に投資をはじめている人は非常に多く、
そのような投資をする人の多くが失敗している傾向があります。

実際に株式投資で成功している人たちは株式投資のみで成功している人もいますが、
資金損失のリスクを考慮して他の投資もしている人が多いです。

株式投資のみで成功している人たちも手法をいくつかわけてリスクヘッジしている人たちが多いので、
資金を1つの手法で全額投資する方法はおすすめできません。

相場は生き物と例えられていますが、相場は何が起こるかわからない場所です。

どんなに才能のある投資家でも100%相場を予想することは不可能なので、資金を分散して運用する必要があります。

資金分散で投資していく方法はいくつかあり、FXや不動産といった他の投資に資金を分散している人もいます。

株式投資一本でやっていくとしても、中長期と分けてリスクを分散させていくことを心がけましょう。

4.株で負けない方法は、負けた人を反面教師にする!

株式投資をする人で負けたくて負ける人はいないはずです。
誰しもが、勝ちたいと思っています。
しかし、なかなか勝てないのが現実…。

どうしたら勝てるようになるのかは様々ですが、
株で負けた人の分析をしてみることが勝つための最善の方法と言えます。

つまり、株でどんな負け方をしたのか?
あるいは、株でどんな負け方をしやすいか?

この分析を徹底的にするのです。

さらに、株で勝てない人の悩みを知ることも重要です。

株の負け方を知ることで「負けない方法」を考え出し、
株で勝てない人の悩みから、「勝てる確率の高い方法」を考え出すのです。

これが出来れば、株で負けない方法、つまり株で勝てる方法を構築することができます。
このことに気がつけば、かなりステップアップ出来ます。

思い当たることをリストアップして、じっくり考えてみると良いでしょう。

株で負けるよくある事例

ここでは株で負けるよくあるパターンをご紹介します。
他にもたくさんあるはずです。
自己分析も含めて、独自の「負けパターンリスト」を作ってみましょう。

1、最初は株でかなり儲かったけど、その後にそれ以上に大きくやられてしまった
2、損切りができずに大きな含み損を抱え、資金不足のために違う銘柄に投資できない(機会喪失)
3、逆張りで株を買ったら、さらに下落して含み損になったまま(塩漬け)
4、株を買う時に一気に投資資金を投入してしまう
5、株をいつ買ったら良いのわからないので、適当に買ってしまう
6、どの銘柄を狙ったらいいのか、まったくわからない
7、株の情報に振り回されて、結局負けてしまう
8、相場暴落時に、恐怖に駆られて辛抱たまらず投げ売りすると大底だった
9、チャートの見方が分からず、株の雑誌に書いてある銘柄を買ったら大損した

5.株の世界で利益を出し続けるために必要なこと

株の世界で勝ち続けるための秘訣。
それは…

  • ロスカットをスマートに実行出来るシナリオを準備し、大きく勝てるトレードを選択する。
  • そして、何が起こるかわからないマーケットで、何が起きても対応できるようにいつも準備しておく。

分かってはいるけど、なかなかできないこの2つが大切です。

5-1.株の世界で生き残りたいのなら「損切り」を徹底する

株で大儲けをしたいという願望をもって、多くの投資家はマーケットに参加します。しかし、現実にはその大部分の投資家は、大儲けどころか大金を失うという結果になります。

なぜ、こうなるでしょうか?

答は簡単です。

損切りをしないから負けるのです。

 株の世界から退場する典型的なパターンとして、1回のトレードで大損することが挙げられます。

たとえば、ここぞと思うところで買いエントリーしたのはいいのですが、そこから下落が始まったとします。
勝ち組トレーダーは迷わず損切りします。

この損切りは、“負けトレード”を意味するのでなく、トレードにおける必要コストと考えます。

これに対し、負け組トレーダーは、これくらいなら戻してくるだろうという根拠のない期待感から損切りをせず、
そのままそのポジションを持ち続けます。

ここから上げてくれないと困る!お願いだから上がってくれ!という具合で、
「祈りのトレード」に入ります。

そして、願い虚しくさらに価格は下げ、最終的に大損という形で損失を確定することになります。

これが、たった1回の負けで株式市場から退場するという、よくあるパターンです。

これに対し、勝ち組トレーダーは、大損をしないようにすごく気を使います。

つまり、スマートに損切りをするのです。大損を1回でも少なくすることができれば、勝ち組への仲間入りは近いでしょう。

ここ1年間の投資成績が損失に終わった人は、よ~く考えてみてください。1年で最も大きかった損失を除いて損益計算すると、かなり損失が小さくなりますよね。さらに2番目に大きかった損失を除けば、場合によってはプラスに転じたりします。

株式投資で勝ちたいのであれば、まずは損切りの重要性をしっかりと認識すべきです。

5-2.不確実なマーケットだからこそ対応力が必要

株式投資をしていれば、年に1~2回は天国から地獄に突き落とされるような苦い経験をするものです。

何が起こるか分からないのがマーケットですから、ついさっきまで順調に伸びていた銘柄が突然大暴落することもあったりします。

たまたまそのような銘柄を保有していたとしたら、それは悪夢のような出来事でしかありませんが、
相場の世界では「事故」のようなものなので、回避することはできません。

問題は、このような場合にどのように対応するかです。

対応の仕方は2つしかありません。

直ぐに損切りするか、それとも持ち続けるか、です。

どちらが正解かということは分かりませんし、正解自体がない…とも言えるでしょう。

一時的な下落で、しばらくすると戻してくると思うなら、そのまま保有すればいいし、
さらに下落すると思うならロスカットすればよいのです。

では、この下落が一時的なものであるかどうかを、どのように見極めるのかが重要になってきます。

確かに、大幅下落での寄付きにもかかわらず、前日終値近辺まで戻してくるケースもあります。こんなときは、寄付きでロスカットしてしまったら後悔、後悔、後悔・・・となります。

でも、そうとはならずに、大幅下落での寄付きから、さらに下落したら?

戻してくることだけを考えていたら、損切りはできません。
損切りするということは、更なる損失を食い止めることにあるのです。

損切りしなくて逆に助かったという経験もあるかもしれません。
しかし、損切りすべきときには損切りするのが、投資で勝ち続けていくためには必要なこと。

株式投資で勝つためには、どのような値動きになったら「損切りすべきとき」なのかの見極めと、
すべき時にできるという対応力が求められます。

5-3.株の世界で重要なのは勝率ではなく利益

株式投資をする人が勘違いしやすいポイントは、勝率についてです。

勝つことと“勝率”はイコールのように見えますが、そうではないということを理解しにくいのが原因と言えます。

投資は勝率ではありません。意味をもつのは、叩き出した“利益”の絶対額です。
このことは、投資の目標設定が明確であればあるほど理解できるのですが
目標が「目先の勝ち負け」になっていると理解しにくいでしょう。

多くの人は、1度負けると、本当にこれでいいのかと不安を抱きます。
続けて2度負けると、自分の誤った判断を責めずに手法のせいにします。
そして、3度目の負けで株式投資自体を諦めるか、あるいは違う手法を探し出すのです。

どんな状況でも利益を叩き出すには、自分を律し、恐怖心を抑え、
ここぞというエントリー・エグジットのタイミングが来たときには、そのチャンスを逃してはいけません。

エントリー・エグジットのタイミングを外さなければ、そのうち大きなトレンドに乗ることができます。そうすると、大きな利益を得ることができるでしょう。

大きな利益は、小さい損失を一気に吸収してくれます。
毎回の取引で「勝率」を考えていたら、大きな利益は見込めません。

勝率を上げれば「勝った」ことになると勘違いしている人は、もっと「利益」に目を向けましょう。

5-4.株式投資は、諦めたら「負け」

株の世界、どうすれば勝ち続けられるでしょうか?

それは「勝ち続けることができるまで続ける」ことです。

つまり、「絶対、諦めない!」ということです。

勝ち続けているトレーダーが最初から勝つことができたかと言うとそうではありません。
その多くは、負けからスタートしています。

そしてトレードで勝続けることができるレベルに達するまでには、多くの資金をなくし、
数え切れないほどの損切りをし、人には言えない精神的苦痛を味わっています。

しかし、勝ち続けるトレーダーは、どんなに辛く負け続けている時であっても決して諦めません。
諦めずに、研究し続けることで「勝ち続ける」トレーダーに進化するのです。

ですから、勝ち続けるトレーダーになるために必要なことは、『絶対に諦めない』ことです。
『もうダメだ!諦めよう・・・』と追い詰められたら成功は近いと思ってください。

そして、とにかく歯を食いしばって「なぜ負けるのか」を研究を続けることが大切です。

6.まとめ|株式投資で勝つ確率を上げる方法とは。勝ちたいなら「負ける人」をお手本にしよう!

株式投資の勝つ確率を上げるには、取引する時に冷静でいる必要があります

テクニックやセンスも確かに大事ですが、才能を持っていても感情的に取引すると台無しになります。

自分の資金で取引するので「怖い」・「損失は嫌!」・「少し利益がでると嬉しい」といった色々な感情が湧き出てきます。

しかし、利益をしっかりだしている人たちは、上記のような感情を抑えて機械的にトレードしています。
逆に、いつも損益ばかりで資金が減る一方という人は、感情をおさえる方法を知らない傾向が強いと言えます。

株式投資で勝つ確率を上げたい人はテクニックや経験よりまず先に、感情コントロールからしっかり鍛えていきましょう。

そして、勝率よりも大切なことを理解した上で、諦めることなく「資金を増やす」ために「負ける人」を反面教師にすること。

勝ち組の仲間入りをしたいのなら、負け組の行動を知る必要があるのです。

このことを深く受け入れて、謙虚に目の前にある課題をひとつずつ潰していくことで、勝ち続ける投資家になりましょう。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です