投資脳という言葉をご存じでしょうか。また、この言葉を初めて目にする方は、投資脳という言葉にどんなイメージをお持ちでしょうか。
- 投資に成功するための知識が詰まった脳
- 時には大胆、時に細心になれる投資家向きの脳
- 投資家になるために生まれてきたような嗅覚を備えた脳
この中にいくつか、ご自身がお持ちのイメージに近いものがあるのではないかと思います。
しかし、今から解説する投資脳の意味と比べると、いずれも完全な正解ではありません。
では、投資脳とは何か?それがあると株式や投資信託、FXなどの投資で成功できるのか?といった疑問にお答えしましょう。
Contents
1.普段の脳と投資脳の違い
投資脳という言葉の意味と定義、そして投資脳がなぜ必要なのかという前提を押さえておきましょう。
1-1.投資脳とは?
投資脳とは、頭の中にあるもうひとつの器だと思ってください。人は何かひとつのことだけをしているわけではなく、仕事や家庭、趣味などさまざまな場面で脳を使い分けています。
「オンとオフを切り替える」という言い回しがありますが、これも仕事=オン、家庭=オフという最低でも2つの脳を切り替えているという意味です。
これにもうひとつ、投資をするためだけの思考回路を持った脳を持つことを、投資脳といいます。
1-2.投資脳が必要になる理由
人が投資行動をしている時は自然に投資脳になっているかというと、実はそうではありません。
なぜなら、投資をするのにあたって人は「お金を増やしたい」という目的を持っており、そのお金の使い道やお金が増えた時の自分像までを頭に描いてしまっているからです。
こうした心理は投資判断を鈍らせてしまい、冷徹に利益のみを追求するという目的に雑念をもたらしてしまいます。そういった普段の脳から隔離したところに作るべきなのが、投資脳というわけです。
1-3.投資脳があるとできること
人間的な雑念が入り込まない投資脳があると、できることが2つあります。
1つは、損切りです。損切りは自らの手で損失を確定させる行為なので、「このお金があったら……」と思うとなかなかクリックできないと思います。
しかし、投資脳にはそんな雑念が入ることはないので、「戦略が誤っていたのだからそんなポジションはさっさと手仕舞い」という冷静な判断ができるわけです。
もう1つは、恐怖心からくる利食い焦りの防止です。俗に言う「チキン利食い」ですね。
当初の戦略ではもっと利益が出てから利食いをする予定になっているものが、わずかな含み益が出ている段階で「もしかしたらここから反転するかも知れない」という恐怖心にかられて決済をしてしまうという行動に心当たりがある方は多いと思いますが、投資脳はそんな早計な判断はせず、予定通り淡々と利食いができるはずです。
1-4.投資脳がないと起きてしまうこと
冷静な投資判断ができる投資脳がないと、人間的な感情による影響を常に受けたトレードになってしまいます。
感覚トレード、感情トレード、願望トレードというのは危険トレードの三兄弟ですが、これらはすべて投資脳ではなく普段の脳で行うからこそやってしまうトレードです。
投資脳ではなく普通の脳でこうしたトレードをやってしまうと、いつか大損もしくは手持ち資金の全額を失うという事態に直面することになります。
2.投資脳の作り方
株やFXなど投資で成功するために投資脳が必要であることをご理解いただいた上で、それではどうすれば投資脳を作ることができるのでしょうか。その方法を解説します。
2-1.頭の中に別の器を作る
同じ脳の中にあっても、投資脳は他の脳とは隔離された別の器です。そこでは投資のことしか考える必要がないので、むしろ「自分の決めた投資判断に従って投資行動をとる」ということのみに使います。
難しく感じるかも知れませんが、私たちはすでに脳の中にたくさんの器を持っています。
趣味でゴルフをしている人にはゴルフ脳があり、ゴルフの練習やコースを回っている時に他のことをほとんど考えない器ができているはずです。
投資脳はこれと全く同じなので、投資のことを考えている時は投資脳のみを使うようにするのがポイントです。
2-2.普段の脳と投資脳を切り替えるスイッチを作る
投資のことを考えている時は、投資以外のことを考えないようにするのがポイントと述べました。この切り替えはとても重要で、投資脳への切り替えスイッチを持っておくことが成功の鍵を握っています。
先ほどの例え話で、ゴルフ脳について触れました。ゴルフ練習場やゴルフ場に行くことで「ゴルフしかない空間」という刺激を受けるため、自然にゴルフ脳に切り替えることができます。
それでは投資の場合はどうなのかと言いますと、パソコンやスマホといった日常にあるものがツールであり、自宅やオフィスなどこれまた日常空間でトレードをすることになります。
もし「投資専門カフェ」のようなものがあれば自然に投資脳に切り替わると思いますが、どこにでもあるものではないので、ご自身の生活の中にスイッチを切り替える方法を持っておく必要があります。
また、投資専門のパソコン端末を用意して、そのパソコンは取引以外に使わないといったように、使うツールを切り替えるのもひとつの方法だと思います。
2-3.投資脳を信じて任せる
投資脳の中では自信に満ちた投資判断ができていたとしても、普段の脳がそれに懐疑的だと、やがて普段の脳から影響を受けるようになってしまいます。
投資脳を信じて自由に行動させてあげる環境づくりも、投資脳を育てるために重要なポイントです。
2-4.余剰金以外では投資をしない
投資脳を信じるといっても、もし負け続きだったら次第に普段の脳でトレードをしてしまうようになるでしょう。そこで重要になるのが、資金的な余裕です。
株やFXなどあらゆる投資は余剰資金でやるべきだというのは、よく言われていることです。
これは冷静な投資判断ができる精神的な余裕を確保するため(つまり投資脳を使うため)です。
最悪の場合は預け資産の全額を失っても生活に支障が出ないお金であることが、投資脳を活躍させてくれる環境づくりの大前提になります。
3.人を成功に導く「〇〇脳」
投資脳は投資のことだけを考える脳ですが、こうした「〇〇脳」には、人を成功に導く力があります。
3-1.人が成功するためには専用の脳が必要である
すでに私たちの頭の中には、たくさんの「〇〇脳」があります。
受験生だった頃には受験のことだけを考える受験脳があったことと思いますが、それは受験が終わるとともに役割を終えます。
受験からずいぶん時間が経っている人が子供を持ち、子供が受験勉強で使っている問題集を見て、果たしてどれだけの問題を解けるでしょうか。
当時は解けたはずの問題を解けないのは、すでに受験脳が役割を終えて時間とともになくなってしまったからです。
予備校の講師など職業として受験と向き合い続けている人には、依然として受験脳があるはずです。しかも長年にわたって鍛え続けたことで優れた受験脳となっていることでしょう。
このように、人は自分が置かれた状況に応じて必要な〇〇脳を作り、それを成長させる力があります。いかに〇〇脳を成長させて活躍させるかに、その人の成功がかかっていると言っても良いでしょう。
3-2.一流のアスリートは自分に投資をしている
一流のアスリートには、アスリート脳と呼ばれる素晴らしい専用の脳があります。プロ野球選手にはプロ野球選手脳、マラソンランナーにはマラソン脳といった具合です。
特にプロ選手はパフォーマンスが年俸に直結するので、トレーナーを雇って体づくりをすることに余念がありません。つまりお金を使ってでも自分に投資をして、より高いパフォーマンスを目指すわけです。
これができるのはアスリート脳であり、普段の脳であればトレーニングのために高いお金を支払おうとは思わないかも知れません。
お金を使ってでも自分を高めたいという発想を導き出すアスリート脳は、損失を確定させるというコストを支払っても次のトレードで成功を期す投資脳と同じ思考パターンを持っているわけです。
3-3.あなたも成功するために「〇〇脳」を持とう
投資で成功するためには、投資脳が必要です。それ以外にも何か成功したいこと、成し遂げたいことがある方は、それぞれの分野に必要な「〇〇脳」をぜひ持つように心がけてください。
そんなもう一人の自分が期待通りのパフォーマンスを発揮してくれることで、人生そのものの成功につながります。
まとめ
投資に成功したいなら持っておくべき投資脳について、投資脳とは何かという概念から具体的な考え方、そして同様の「〇〇脳」を持つことの意義について解説してきました。
投資だけでなく、あらゆる物事の成功に欠かせない概念なので、ぜひマスターしてください。