年金など将来のお金を作るためにFXや株式などの投資を始めようと考えている方であれば、レバレッジという言葉はご存知だと思います。
より効率的に、より大きくお金を増やそうと思って、レバレッジを効かせた投資をする方がいらっしゃいますが、投資レベルが低い段階ではレバレッジの恩恵を受けるのは難しいかもしれません。
そこでこれから投資を始める初心者の方のために、レバレッジを使って良い人の基準や、レバレッジを最大限に活かして利益を効率良くのばすにはどうしたら良いのか解説します。
Contents
1.レバレッジ投資とは
最初にレバレッジについて言葉は聞いたことがあるものの、よく分からないという方のために、レバレッジの簡単な解説と、レバレッジ投資のメリットなどについて解説したいと思います。
1-1.そもそもレバレッジとは何か
レバレッジは、直訳すると「てこ」という意味です。「てこの原理」では小さな力で重いものを動かすことができると習った記憶がおありだと思いますが、それを投資に活用したのがレバレッジです。
例えば、FXでは最低4,000円程度の資金があれば1,000通貨規模の投資をすることができます。
もし米ドルの投資をする場合、1,000ドルの投資をするには10万円少々の資金が必要になりますが、それが4,000円程度で可能になるのは、FXにレバレッジという概念があるからです。
投資効率を高めることができるため、レバレッジは個人投資家の中でも広く利用されています。
1-2.レバレッジが使える金融商品
先ほどFXの例を用いてレバレッジの解説をしましたので、FXでレバレッジを利用できることはお分かりだと思います。
ちなみに日本国内のFX会社では最大25倍までのレバレッジを利用できます。
その他にも株の信用取引や、ETFといって株価指数などと連動するように運用されている上場投資信託の中には指数の変動に対して、2倍や3倍といった倍数をかけて変動する銘柄などでも、レバレッジ投資が可能です。
2.投資でレバレッジを使って良い人と使ってはいけない人の違い
ネットなどで投資に関する情報を検索すると、レバレッジに触れていないところがないといえるほどに情報が豊富です。
さらに、先ほどの解説でレバレッジを活用したほうが大きく資産を増やせるのではないかとお考えの方も多いことでしょう。
しかし、投資では必ずしもレバレッジを効かせなければいけないわけではありません。
むしろ、レバレッジが本当はどういったもので、自分はレバレッジを使っても問題ないレベルなのかを正しく理解してから使う方が、より安全に投資ができます。
2-1.レバレッジはハイリスク・ハイリターンな投資
レバレッジを効かせると手持ち資金よりも大きな取引ができるため、うまく使えば効率的にお金を増やすことが可能になります。しかし、その反面マイナスが膨らむスピードも加速するリスクを忘れてはいけません。
もちろんリスクの大きさは冒頭でも述べた通り、レバレッジの倍率によって異なります。
どの倍率のレバレッジでも基礎的な投資力は必要であり、投資力が高いほどレバレッジの効果を発揮させて利益を伸ばしていくことが可能になることもあれば、その逆もあり得ます。
つまり、レバレッジは投資レベルが低いほどハイリスク・ハイリターンな投資になる傾向が強くなるといえます。
このことを理解したうえで、本当に自分はレバレッジを使って良いのか判断する必要があります。
2-2.レバレッジを「使って良い人」と「使ってはいけない人」の違い
レバレッジは基本的に、ある程度のリスクを承知で資産形成ができる実力がある人、つまり投資力とリスク管理能力がある人向きだといえます。
このことを考慮すると、レバレッジを使って良い人の基準は1倍のレバレッジで月間収益をプラスにできる人であり、逆にマイナスになる人はまだ使うのは早いと判断できます。
3.レバレッジをかけた投資で効率よく利益が伸ばせる人の基準3選
投資の月間収益をプラスにできる人は、次に挙げる3つの基準を満たしている傾向が強くあります。
そこでこれらの基準をよくお読みいただき、自分が本当にレバレッジを効かせても大丈夫な基準に達しているのか、チェックしてみてください。
3-1.投資の基礎知識を身に付けている
自分が行う投資に関する知識が全くない状態でレバレッジをかけて投資をするのは、無謀以外の何物でもなく、それはもはや投資ではなくギャンブルです。
投資とは本来コツコツと継続的に知識を学び、それをもとに収集した情報と合わせて分析を行い、勘ではなく自分なりの理論を持って行うものです。
従って、初心者の方はいきなり投資を始めるのではなく、まずは基礎知識を身に付けることを強く推奨します。
3-2.テクニカル分析ができる
月間収益をプラスにできているトレーダーは、自分が得意とするテクニカル分析を使っていることが大半です。
投資利益をより多く得ている人ほど、勘や感情による場当たり的な取引は行わないものです。
テクニカル指標の種類はかなり多いため、どれを使えば良いか迷ってしまうかもしれません。
しかし、どんなに実力がある投資家も最初は初心者であり、手探りで時間をかけて自分が使いやすいテクニカル指標を見つけているので焦る必要はありません。
最初はとにかく様々なテクニカル指標を使ってみて、その中から使いやすいものや利益が出やすいものを見つけたら、それを使って投資の力を伸ばしていくと良いでしょう。
3-3.ファンダメンタルズ分析ができる
ファンダメンタルズ分析とは、扱っている株式を発行している企業や通貨を発行している国の経済状況、景気や経済指標などをもとに市場分析することを指します。
数秒から数分程度の取引を行うスキャルピングのような短期トレードであれば、ファンダメンタルズ分析は必ずしも必要ではありません。
むしろ情報を見て回っているうちにチャンスを逃す可能性があるので、テクニカル分析重視でチャートを見ていた方が良いでしょう。
しかし、数か月単位で取引を行う中期トレードや、特にスワップポイントによる利益を目的とする長期トレードの方は国の情勢や経済状況による影響が大きくなるため、ファンダメンタルズ分析が重要です。
なんとなくポジションを保有し続けていたら、いつのまにか損失が膨らんでしまっていたなどを防ぐために、情報収集は怠らないようにしましょう。
3-4.投資の基礎力が身についたらレバレッジを使ってみよう
先に挙げた3つの投資の基礎ができていれば、誰でも投資収益をプラスにすることは難しくありません。
そして、この基準に達している状態でレバレッジを効かせれば、さらに効率的に収益を伸ばせる見込みがあります。
4.投資におけるレバレッジの本当に効果的な使い方
レバレッジは誰でも使える便利な道具ですが、本当に効果的な使い方を知ればさらに高い効果を発揮させて利益を大きく伸ばすことが可能です。
4-1.レバレッジは利益を上げられる人がさらに利益を伸ばす仕組み
レバレッジは小さな資金で大きな金額の取引ができる便利さがありますが、レバレッジ1倍の現物取引でも十分に利益を上げられる人が使うと、さらに効率的に利益を伸ばせる仕組みでもあります。
つまり、レバレッジは元々利益をあげる実力がある人が使えば、さらに高い効果を発揮してより大きな資産形成につながります。
4-2.レバレッジは勝てる人が使えば最大限の効果を発揮する
ここまでに述べたことをご理解いただけていれば、レバレッジはトレードで勝てる人が使うことでより大きな効果が得られるとお分かりいただけると思います。
さらにいえば、レバレッジは勝てない人が勝てるようになる魔法の道具ではなく、勝てない人が使うとさらに損失が大きくなる諸刃の剣でもあります。
このことを肝に銘じたうえで、レバレッジを使っても良い人の基準に達してから無理のない倍率で使うことを推奨します。
5.まとめ
レバレッジは大きくお金を増やせる可能性を秘めていますが、楽をして利益を伸ばせるものではありません。
むしろ、最大25倍や資金ぎりぎりの取引になる倍率など、投資の実力と資金に見合わないレバレッジをかけてしまうと大きな損失を抱えてしまい、最悪の場合強制ロスカットで終了となるリスクもあります。
このような目に合わずに投資で将来お金に困らない十分な資産を形成するためにも、まずは投資の基礎力とリテラシーを身に付けてから、資金に余裕のある倍率のレバレッジを利用した投資を行ってください。