将来のお金の不安や現在の収入の不満などを解消するために、FXなどの投資をする人が増えてきています。
FXは24時間取引できることや、株式や不動産などの投資と比較して、3万円から5万円ほどの小さな資金でスタートすることができるため、ビジネスマンや主婦の方も始めやすく人気があります。
その一方で、FXを始めてみたい気持ちはあるけれど、必要な資金がどれくらいなのか分からなくて踏み切れない人が多いのも事実です。
投資は初心者にとって未知数のものであるため、できる限り不安を払拭しておきたい気持ちがあるのは自然なことです。
そこで今回は、FXなどの投資の必要性を分かってはいても一歩が踏み出せない方のために、資金はどれくらいあれば良いのか、適切なポジション数はどれくらいなのかなどについてお教えします。
1.FXで必要な資金の大きさとその正体
初心者の方が一番気になるのは、FXを始めるために必要な資金の大きさだと思います。
そこでまずは、どれくらいの資金があれば良いのかということと、気にすべき資金の大きさは単なる金額の大きさとは別のところにあることを解説します。
1-1.資金は小さいより大きい方が良い
結論を先にいってしまうと、安定して勝ちやすいという面で考えれば、口座資金は大きいほど良いといえます。
ただし、これは単に投資する資金は大きい方が良いといった感覚的な話ではなく、FXの性質に根差したもっと深い理由があります。
最初から大きく投資してしまうと、高確率で損失を被ってしまいます。
そのため投資を始めたばかりの時期は、3万円から5万円ほどの小さな資金でFXをスタートすることがセオリーです。
資金が小さい間は、練習をしてトレードに慣れる期間です。
このように投資力を磨く練習期間を設けるからこそ、資金を大きくすればさらに安定して勝ちやすくなるのです。
1-2.着目すべきは「含み損」に耐えられるかどうか
資金の大きさを考える時に着目すべきなのは、含み損にどれだけ耐えられるかということです。含み損とは、決済していない状態で抱えている損失のことです。
為替市場は常に変動するため、ポジションを持っている限りは含み損が発生することになり、含み損が大きくなって余剰資金がなくなった場合は強制決済されてしまいます。
つまりFXで収益を上げるためには、ポジションを持つことで発生する含み損に耐えられる余剰資金が必要ということです。
1-3.FXで考えるべきなのは「余剰資金」の大きさ
余剰資金がたくさんあればそれだけ含み損に耐えることができますが、余剰資金が少ないと余裕が無いためポジションが予想と反対に動いた時に強制決済されやすく、含み損に耐えることができません。
つまり、FXを始めるために必要な資金は単なる金額の大小で考えるのではなく、含み損に耐えられるくらいの資金を考えることが重要です。
2.FXの成否を分けるのは「資金の大きさ」よりも「資金管理」
FXで投資をするうえでは資金の大きさそのものよりも、資金管理の方が非常に重要になります。資金管理がFXの成否を分けるといっても過言ではないので、これを機にしっかり学んでいきましょう。
2-1.同じ資金でもポジション量でリスクが変わる
同じ資金の大きさでも、ポジション量が1万通貨と千通貨では余剰資金が違うため、強制決済などのリスクの大きさも変わってきます。
どういうことかというと、1万通貨の保証金が50,000円の場合、千通貨の保証金は5,000円です。
この時に資金が60,000円であるとすると、1万通貨では余剰資金が10,000円となりますが、千通貨であれば余剰資金が55,000円であるため、ゆとりをもって取引をすることが可能です。
つまり、ポジション量によって含み損に対する耐性が変わるということです。
これは、レバレッジの倍率でも同様のことがいえます。
2-2.資金管理が成否を分ける
FXにおける成功は、資金額よりも資金管理に掛かっています。
資金管理の良し悪しによってどのような差が生じるのか、次に2つの例を示します。
例えば25,000円の資金で5,000円分の投資をした場合、余剰資金は20,000円となります。
つまり20,000円の含み損まで耐えられるので、多少の値動きがあっても落ち着いて取引することができます。
同じ取引を6,000円の資金で行った場合、余剰資金は1,000円しかありません。つまり反対方向への動きに対しての余力が少ししかないため、ロスカットになりやすいだけでなく、資金にゆとりがないことから精神的に不安定になりやすく、冷静な取引ができなくなる恐れがもあるでしょう。
2-3. 短期間に売買益を狙うトレードでは損切りは必須
FXにおける取引は利益を出すか、余剰資金がなくなるかの2択ではないため、余剰資金がなくなるまで損失に耐えるわけではありません。
逆指値注文などで損切りを行い、損失の拡大を防ぐことが基本です。
短期間に売買益を狙うトレードでは損切りは当たり前のことですし、損切りをするから収益を得られる損切りをしないトレードをするのであればどんなに資金が大きくても勝つことは困難です。
3.心にゆとりを持てる資金がFXの勝敗を左右する
心にゆとりも持つことは資金管理と同様に、FXの勝敗を左右するほど非常に重要なことです。このことをしっかりと理解しているのとしていないのとでは、結果にかなりの違いが生じることが考えられます。
この記事を通して、なぜ心にゆとりを持つことが必要なのか、感覚ではなく知識として覚えておきましょう。
3-1.心にゆとりを持てない資金はリスクが高い
心にゆとりを持てない資金はなぜリスクが高いのか、主な理由として次の2つが挙げられます。
3-1-1.焦ってミスにつながりやすい
資金にゆとりがないと「負けられない!」という気持ちが強くなりやすく、それによって焦りが生じたり、集中できなってしまうことが考えられます。
焦りや損失に対する恐怖心などによる判断力や集中力の低下は、取引中のミスの原因にもつながります。
3-1-2.資金を減らすリスクが高まる
「早く稼ぎたい」と思ってしまう人は、小さな資金で資金いっぱいの大きなポジションを持ってしまう傾向があります。
このようなポジションを持ってしまうと、勝てば一気に資金を増やすことができますが、一気に資金を減らしてしまうリスクも高いです。
経験豊かな実力のあるトレーダーでない限り、多くの場合は資金を減らす結果となるケースが多いのが事実です。
3-2.心のゆとりはFXの勝敗に直結する
資金に余裕がなく、全くといって良いほどゆとりのない心理状態だと、冷静に取引することが困難になるため負けやすい状態となってしまいます。
FXをやるからには勝って資金を増やし、将来のための蓄えや、現在不足しているお金の足しにしたいはずです。
そのためにも、資金は必ずゆとりを持った金額を確保しておきましょう。
3-3.資金が小さい時期は投資力を磨く時期
FXを始めた最初のうちは、3万円から5万円といった小さめの資金の方も多いと思います。
先ほども述べた通り、資金が小さい間は資金いっぱいにポジションを持つことはせずに、余剰資金にゆとりができるようにするべきです。
このことから、資金は小さい間はポジションが小さくなるために収益も小さくなりますが、早く稼ごうと焦ってはいけません。
資金が小さい時は大きく稼ぐよりも、投資家としての実力をつけることを優先する時期です。
3-4.FXで勝つために必要なのは「資金力」と「投資力」
資金と収益は、投資の実力に応じて変わるものです。
つまり、取引の方法は資金に応じて変わるため、単純に資金が何円あれば良いというわけではありません。
ただ1ついえることは、小さい資金で一気に稼ごうとしてはいけないということです。また、投資力が身に付いていないうちに大きな資金を投入しても、資金を大きく減らしてしまう確率の方が高いと考えられます。
FXは運や感情に任せる取引や、ビギナーズラックで大きく資金を増やせることはまずないといえます。
以上のことから、大きく賭けて大きく稼ぐためにも、コツコツと継続して投資の実力を身に付けることにも力を注ぎましょう。
4.まとめ
FX初心者であるほど、「FXを始めるには資金はいくら必要か?」や、「○○万円の収益を手に入れるためにはいくらの資金があれば良いか?」などといったことを考える傾向があります。
日々変わる為替市場で取引を行うFXは、いくらの資金があればいくらの収益を得られるなどといった、確固たる法則は存在していません。
むしろ投資の実力があるトレーダーの中には、どんなに小さな資金でも適切な資金管理ができ、コツコツと収益を伸ばしていける人達が大勢いらっしゃいます。
これからFXを始めようと考えているあなたも、余剰資金と資金管理に焦点を当てつつ、着実に投資力を身に付けていき、資金の大小に関わらず収益を伸ばしていけるトレーダーになってください。