Contents
1.はじめに
みなさんは社会人になるまでの期間に、貯蓄や資産運用などお金にまつわる知識を勉強する機会はありましたか?
日本では、古くから収入や支出の内容・貯金の増やし方などお金にまつわることを人前で話すことを
「品がないこと」「よくないことだ」と考えられる傾向がありました。
また学校教育でも金融に関する内容はこれまで積極的に扱われてきませんでした。
とても残念なことです。
しかし、2022年度から高校の家庭科の中で投資を始めとした、将来に備えた資産形成のための金融教育がスタートすることが決まりました。
なぜ、この時期に?と思われる方も多いと思いますが、
これは、少子高齢化社会を迎え、不足する社会保障費の補てんを自分自身で行ってもらうこと。
そして、インターネットで世界中がつながり、投資そのものがしやすくなったことも関係していると考えられます。
それでは、今まで金融教育を受けたことがない、いわゆる金融知識ゼロスタートの人は
これからどのように勉強すればいいのでしょうか?
投資初心者が「投資を初めたいけれど、まず何から勉強を始めるべきなのかわからない」という悩みから投資自体を諦めるケースは多いといわれています。
- 初心者向けの勉強方法にはどういったものがあるの?
- また、勉強時間が少なくてもできる投資はあるの?
- そもそも、投資を始める前に勉強をする必要は果たしてあるの?
今回は、このような疑問をお持ちの方
金融知識ゼロスタートの方でもできる、効率の良い投資の勉強方法について解説していきます。
初めての投資における注意点や、必要な勉強時間に応じたおすすめ投資方法まで詳しく紹介していくので、
投資商品選びの参考に役立ててください。
2.日本の金融教育は海外と比べるとレベルが低すぎ!
日本では2022年度から金融教育がスタートする予定ですが、海外の金融教育事情はどのようになっているのでしょうか?
海外では、なんと小学校からお金の授業が行われています。
投資をはじめ、金融に関する最低限の知識を学んでいます。
学校のみならず、親が子に実際に投資を体験させていることも珍しくありません。
日本は先進国と言われているのにも関わらず、金融教育に関してはかなり遅れをとっていると言えます。
2-1.アメリカの金融教育を見習うべき
ここでは、代表的な例としてアメリカを取り上げてみます。
アメリカは州ごとに教育プログラムが独立しているので全米共通ではありませんが、
中学生・高校生の期間に下記の内容を学ぶことが推奨されています。
金融広報委員会:https://www.shiruporuto.jp/public/family/training/susume/susume401.html
収入・マネー管理・支出とクレジット・貯蓄と投資の4項目に関して学ぶべき内容がしっかりと網羅されています。
収入、支出だけではなく税金や社会保障制度、投資など社会生活を送るうえで欠かせない内容といえるでしょう。
2-2.家計の金融資産構成を比較しても日本のレベルの低さは歴然!
次に下記の図は、日本銀行がまとめた日本・アメリカ・ヨーロッパにおける金融資産構成の違いです。
2-2-1.日本は預貯金の比率が高い
上記の表からもわかるように、金融資産の中で現金・預金の比率が高いです。
アメリカやヨーロッパー以外でも、ここまで預貯金の比重が高い国は日本くらいです。
現金はただ持っているだけでは何も生み出さないどころか、インフレすると価値が減っていきます。
しかし、このような事態に陥ってしまうのも無理ありません。
なぜなら、学校などの教育機関で「お金との付き合い方」を学んでこなかったからです。
何を勉強すればいいのかわからない人がほとんどなので、日本のこの体質は学校教育をなんとかしない限りなかなか改善できないと言えます。
2-2-2.米国は投資を積極的にしている
先進国の中でも金融大国とされるアメリカは、現金・預金の比率がすくなく、債券、投資信託、株式等の比率が多いです。
生活費以外を投資に回していることがわかります。
世界経済が低迷すると資産が減りますが、そのまま保有し続ければいいだけなので、長期投資が生活の基本となっていると言えます。
また、アメリカではサラリーマンでも給与額に関係なく確定申告することが義務付けられています。
同じサラリーマンでも、日本とアメリカでは「節税への意識」が全然違います。
常に「節税」を意識しながら生活することで、金融リテラシーも上がるのかもしれません。
2-2-3.ヨーロッパはバランスの良い資産構成
預貯金、有価証券、保険を3分の1ずつバランスよく保有しているのがわかります。
アメリカよりは、世界経済が低迷した時の影響は小さくなります。
3.投資の勉強は何から始めるのがいいのか
さて、日本の金融教育がいかに他の先進国の遅れをとっているかを知った上で、次は「投資」自体について理解を深めていきましょう。
金融教育を受けていない状態を打破するには、まずは「投資の基本知識」を取り入れることが大切です。
何から始めたらいいのか分からない!と悩むのなら、投資の基本知識を頭に入れるために何冊か投資関係の本を読むのもおすすめです。
ここでは、
- 基本知識を理解する
- 初心者向けの投資本を読む
- 初心者向けの投資方法を知り、実践する
上記、投資の勉強を始めるにあたってやるべきこと3つについて解説します。
3-1.投資の基本知識を理解する
ここでは簡単に投資について5つの事柄について説明します。
最低限、これだけは知っていないと、投資はできませんので、しっかりと理解しましょう。
1.投資にはリスクがある
投資は預貯金と違い、元本保証はありません。株式でいえば投資先の企業が倒産すれば資産価値は0円です。詳細は割愛しますが、取引方法によっては負債を抱えることもあります。投資が初めての人は、自由に使える資金の2割程度でスタートすることをおすすめします。2割程度であれば生活への影響も比較的少なく、勉強代としても許容範囲ではないでしょうか。
2.投資は時間がかかる
今日投資をして、明日儲かるというものではありません。
3.投資は資産価値が上下する
マーケットの状況で資産価値が上下します。一喜一憂する必要はありません。
4.投資はマネーゲームではない
スマホのゲームで熱くなりやすい人は要注意です。淡々と続けましょう。
5.投資の王道は長期・分散・積み立て
短期で大儲けできる方法があれば世間は大金持ちだらけですが、残念ながらそんなに甘くはありません。短期間で利益を得ようとすることは投資のリスクを高めます。個人投資家にとって王道の投資方法は「長期間保有、一点集中ではなく投資先を分散すること、投資のタイミングを分散=積み立てすること」です。この3つでリターンを得やすくなります。
3-2.投資初心者向けの本を読む
ネットにもいろいろな情報があふれていますが、手に取って勉強してみたいという方には下記の本がおすすめです。
バビロン大富豪の教え 「お金」と「幸せ」を生み出す五つの黄金法則 ジョージ・S・クレイソン著
小説版もありますが漫画版の方が親しみやすいでしょう。具体的な投資方法ではなく、お金に関する考え方を記したものです。
忙しいビジネスマンでも続けられる 毎月5万円で7000万円つくる積立て投資術 カン・チュンド著
出版年は少し古いのですが、インデックス型の投資信託を積み立てしながら資産を増やしていこう!という内容が詳しく記されています。
節約・貯蓄・投資の前に 今さら聞けないお金の超基本(朝日新聞出版)
社会保険や税金など知っているようで知らないお金の話をまとめてあります。社会人だけではなく、中学生以上のお子さんであれば概要は伝わると思います。社会保障制度や税金のことを知ったうえで、生命保険や投資のことを考えてみることをおすすめします。
3-3.投資初心者向けの投資方法を知り、実践する
ずばり、投資初心者におすすめの投資方法は積み立てNISAの活用です。
ネット証券であれば100円から投資が可能です。手順は以下のようになります。
- ネット証券に積み立てNISAの口座開設をする
- 毎月の積み立て上限は3万3333円なので、自分で積み立てしたい金額を決める。初めてであれば3000~5000円ぐらいからスタートでも十分
- 商品を選んで積み立てを開始する。どの商品を購入したら良いか迷ったときは、信託報酬(手数料が安いインデックス型の4資産や8資産に分散して投資してくれるバランス型の投資信託)を積み立てる。
投資の知識をいくら頭に詰め込んでみても、実際にやらないと分からないことはたくさんあります。
とはいえ、投資にはリスクが伴うので練習は必要。
ですから、初心者でもやりやすい積み立てNISAをぜひ活用してみてください。
4.まとめ|投資の勉強何から始める?金融知識ゼロスタートからの投資勉強方法とは
2022年から高校生への金融教育がついにスタートします。
海外からはかなり遅れをとっている日本の金融教育ですが、始まることは良いことです。
しかし、若者がこうして金融知識を得やすい世の中になってきた今だからこそ
たとえ金融知識ゼロスタートであっても、大人も負けずに投資の勉強を始めてみてはいかがでしょう?