1.小額投資とは
小額投資とは、「おこづかい投資」と呼ばれたりするほどの小さな金額で投資を行うことです。
明確な定義はありませんが、一般的なイメージとしては10万円以下の金額から始められる投資をさします。
小額投資は、投資初心者や資金が少ない人でも簡単に始められることが特徴で、
証券会社によっては100円から投資できる金融商品があったり、
スマホアプリで手軽に始められる小額投資など、さまざまな種類の投資方法があります。
投資や資産運用は、資金量がなければできないものというイメージがある中で、
近年、ネット証券の台頭などにより、さまざまな種類の小額投資商品が生まれてきたことで
投資や資産運用がしやすい環境になってきています。
また、小額から始められる「つみたてNISA」や「イデコ」などの非課税制度を利用した運用方法が
注目されています。
1-1.小額でもお金は増えちゃうってホント?
ある程度大きな金額を投資しないとお金は増えるわけない!と思いがちですが、
そんなことはありません。
確かに1ヶ月から5年程度では、あまり増える実感はもてない可能性はありますが、
10年、20年、と長期的に続ければ続けるほど、お金は増えていきます。
今、積み立て貯金をしてる人なら、銀行に毎月1万円貯金するより
毎月1万円を投資した方がお金が増える可能性は高まります。
1-2.小額投資で1000万円貯めるとしたら、、、?
毎月3万円を20年間小額投資した場合。
年利が5%とすると、20年後12,331,010円と計算することができます。
元本が毎月3万円という小額であっても、20年間継続することで、合計金額が720万円となるので、
年利が5%であれば、約500万円はお金が増えるということになりますね。
毎月3万円の小額投資を、17年半続けると、630万円の元本でお金は1000万円まで増えちゃいます。
小額投資でも、長期間続けることでお金は増やすことができるんです。
2.小額投資のメリットデメリットとは
小額投資を始めるにあたってのメリットとデメリットをまとめると以下の通りです。
2-1.小額投資のメリット
- リスクが少ない
- 分散投資しやすい
- 税制面の優遇制度を活用できる
- スマホアプリで気軽に投資・資産運用ができる
2-2.小額投資のデメリット
- まとまった利益を得るまでに時間がかかる
- 投資するときの手数料で損をする可能性がある
3.小額投資の種類
小額投資にはさまざまな種類がありますが、それぞれ必要になる資金量が違います。
ここでは代表的な小額投資の種類についてご紹介します。
3-1.ミニ株(単限未満株)
通常の取引所での株取引は、銘柄ごとに1,000株/口、100株/口など売買の
最低単位である単元株数が決まっています。
株式を一口買うためには、銘柄ごとに決まっている最低必要な株数を買わないといけないので、
最低必要な資金量が大きくなります。
しかし、ミニ株では、単元株数にかかわらず、単元株数の1/10単位での取引となるので、
- 多額の資金を必要とする銘柄も小額で取引ができる。
- 小額の資金で分散投資ができる。
- 株式分割などで発生した単元未満株を買い増しして単元株にすることも可能
という特徴があります。
3-2.るいとう(株式累積投資)
るいとうは毎月定額で株式を購入する投資方法のことです。
1口座で20銘柄まで選択でき、1,000円単位の小額から少しずつ投資を始めることができます。
保有株数に応じて配当金を受け取ることができ、保有株数が1単元を超えた際は、
自分の口座に移して株主優待など、株主としての権利を得ることができるのが特徴です。
一度に買うのではなく、定期的に定額で株式を買い続けることで、
株価が高いときは少しの株数、安いときはたくさんの株数を購入する。
ドル・コスト平均法で運用することができる投資方法です。
3-3.投資信託(ファンド)
投資信託は、投資の専門家に投資を託す形式の金融商品です。
投資信託会社は投資家から集めたお金で株や債券、不動産リート、
ETFなどの商品にテーマをもって投資し、運用をおこないます。
小額から始められ、しかもプロに任せるので、自分で売買のタイミングを判断するような
個別株投資のような難しさはなく、投資初心者でもチャレンジしやすいのが特徴です。
ただし、専門家に任せることでリスクがなくなると言うことはないので、
メリット・デメリットを把握した上で始めることが大切です。
3-4.つみたて投資
つみたて投資は毎月定額を積み立てながら投資信託を購入する投資方法です。
積み立てのタイミングは、毎月1回、週1回など、証券会社によって異なります。
積み立ての金額も同様で、証券会社によっては100円から投資できるものもあります。
つみたて投資は、基本的に投資信託を購入して分散投資するスタイルになるので、
商品価格の暴落によるリスクを分散できるというメリットがあります。
また、るいとうと同じく、ドル・コスト平均法で運用することができる投資方法です。
3-5.レバレッジ投資
FXやビットコイン投資など、レバレッジ(少ない資金でも大きな取引が可能になる方法)
がかけられる投資です。
例えば、FXの場合は、1万円の資金を運用して最大25倍(25万円分)にする取引も
レバレッジをかければ可能になります。
ただし、レバレッジをかけた分、損失リスクも同様に高くなる。
つまり、ハイリスクハイリターンの投資ですので、注意が必要です。
3-6.おつり投資
「おつり投資」は、その名の通り、おつりを使った投資方法です。
クレジットカードや電子マネーなどのキャッシュレス決済を利用し、
その取引記録を管理する家計簿アプリと連携して、
自分で設定した「おつり」で投資・運用できるのが特徴。
小額投資から始めたい投資初心者の方や、家計簿好きな人におすすめの投資です。
現在、おつり投資ができるのは、トラノコとマメタスのみです。
3-7.ポイント投資・ポイント運用
ポイント投資は買い物などで溜まったポイントを使って投資できる。
または、投資の擬似体験ができるといったサービスを利用した投資方法です。
楽天ポイント、Tポイント、dポイント、LINEポイントなど、さまざまな種類で
このような投資サービスが利用できるようになってきています。
ポイント投資ができる金融商品は株式投資・投資信託・AIによるETF・クラウドファンディングなどがあり、
バラエティに富んでいるのも魅力です。
ポイントが貯まっているけれど使い道のない方は、そのポイントを利用して
ポイント投資・ポイント運用を始めてみるのも良いと思います。
4.おすすめ小額投資の始め方
ここまでで、小額投資の種類についてご紹介しました。
小額で始められると言っても、投資にはリスクがつきもの。
「絶対に」と言う言葉は使えないのが投資です。
これから投資を始めるなら、まずは小額投資から!
そ小額投資のメリットでもある「リスクを抑えた投資」を
さらに最大限に活用することをおすすめしたいです。
ここでは、投資初心者におすすめの小額投資の始め方について解説します。
4-1.ステップ1:イデコから始める
iDeCo(イデコ)とは、個人が、自分自身のためにお金を支払い
その掛け金を、自分自身で運用し、資産を形成する年金制度です。
投資できる金融商品は、金融庁が厳選した投資信託やETFのみになります。
月額5,000円から始めることができ、掛金・運用益・給付を受け取るときに
税制上の優遇があるのが特徴であり、そこが最大のメリット。
つまり、運用益に税金がかからないなど、投資家にとってはうれしい優遇があるので
使わないと損!と言う制度なんです。
もしも小額投資を始める&60歳まで売らずに育てようという気持ちがあるのなら、
まずはiDeCo(イデコ)の制度を利用して小額投資を始めることをおすすめします。
4-2.ステップ2:積み立てNISA・NISAを併用する
iDeCo(イデコ)が60歳になるまで受け取ることができないのに対して、
NISA制度はそのような制限がなく投資ができ、限度額までなら非課税という
これも投資家にとってうれしい優遇のある制度です。
60歳までという期限が気になるけれど、小額で長期投資をしたいという方は
まずはこのNISA制度を利用して小額投資を始めると良いでしょう。
iDeCo(イデコ)の枠を最大限活用した上で、更にNISA制度も活用するという方法も
長期投資で資産運用をするのなら、賢い選択といえます。
4-3.ステップ3:イデコ・NISAで投資に慣れたら、投資信託以外の投資にも挑戦する
iDeCo(イデコ)や一般NISA・つみたてNISAは、
投資初心者が投資を始める最初のステップとして選択することが推奨されています。
それはなぜか?
その一番の理由は、投資の勉強がしやすい環境だからです。
はじめからハードルの高い個別株式の投資や、FX、ビットコインの短期投資をするよりも
税制面での優遇もある環境での長期投資は、リスクが小さい点で投資初心者向きと言えます。
iDeCo(イデコ)やNISAを活用し、投資信託での資産運用を実践することで、
投資に慣れたら、次は一般口座での投資にも挑戦してみてはいかがでしょうか。
5.まとめ
小額投資だからお金はそんなに増えないのでは?という思い込みから
投資には興味があっても行動に移せないという方は多くいます。
しか〜し!
小額をあなどってはいけません。
長期間であれば、小額であってもお金は想像以上に増えるのです。
毎月銀行に3万円の積み立て貯金をした場合、20年後には720万円の貯金ができますが
お金は貯まっただけで増えませんね。
それが、同じ3万円を小額投資で積み立てた場合は、年利5%と仮定した場合20年後に12,331,010円。
約500万円も増えちゃってるんです!
ですから、運用益に対して税金がかからないiDeCo(イデコ)やNISA制度を上手に活用して
小額投資でしっかりお金を増やしちゃいましょう!