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1.はじめに
私たちは、毎日の生活の中で、お金にかかわって暮らしています。
例えば
- モノやサービスを買う
- 給料や代金を受け取る
- お金を貯める
- お金を借りる
など、1日たりともお金と関わらない日はないと言っていいほど、実は現代社会を生きる上でお金はなくてはならないものの一つなのです。
そして、様々な形でお金やお金の流れに関する知識や判断力=「金融リテラシー」は、
私たちが社会の中で経済的に自立し、しっかりと生きていくために欠かすことのできないものです。
ここでは最低限身に付けておきたい金融リテラシーについて解説します。
2.金融リテラシーとは?
私たちがしっかりとした生活基盤をもって生活していくためには、お金を上手に管理したり、注意深く使ったりすることが重要です。
そのために必要なのが「金融リテラシー」です。
金融リテラシーとは、お金や経済に関する知識全般と、お金を使ったり投資をしたりする際の判断力のことです。
つまり金融リテラシーとは、「お金との付き合い方」というような意味であり、
お金と上手に付き合っていくために、情報や知識や判断力を身につける力と言ってもいいでしょう。
例えば、加入する保険を選んだり、財形貯蓄を設計する際には、自分の収入やライフスタイル、将来の人生設計などを踏まえて、いつどのような時期にどの程度のお金が必要になるか、そのためのお金をどのように準備すればよいかなどを考えて、保険や資産運用に関する情報を集め、理解し、判断したりする…。金融リテラシーが役に立つ場面は、至るところにあるのです。
また、実態のない投資話を持ち掛ける悪質商法や投資詐欺の被害などのトラブルを避け、確かな生活を実現できるようにするためにも、金融リテラシーを育む「金融経済教育」が必要であると言われています。
それでは、具体的に「金融リテラシー」というものがどういうスキルであるかについて簡単に説明します。
2-1.金融や経済に関する知識
投資商品を購入する、保険に加入するなど、資産形成を行う時やローンを借りる際には、大前提として金融や経済に対する知識が必要です。
例えば株式投資を行うのであれば、株式市場の状況や業界動向、企業の業績などについて理解しておかなければ、適切に株式投資をすることは難しくなります。
このようにお金に関する行動を起こす前の前提条件として、金融リテラシーが投資の世界において必要になります。
金融リテラシーは経済新聞やニュースなどで身につけることができますが、最近では金融経済教育も進んでおり、子供の頃から金融リテラシーを身につけるトレンドも生まれています。
2-2.お金を使う・投資する際の判断力
お金の活用や投資をする際の判断力も、金融リテラシーの重要な要素です。
例えば適切なタイミングで投資ができれば大きく利益を出せますが、タイミングか悪ければ大損してしまうこともあります。
このように、お金とうまく付き合うには「いかに適切なタイミングで投資ができるか」など、判断力が非常に重要です。
また投資詐欺などに引っかかってしまうかどうかも判断力によって左右されます。
投資の成功に向けて自分の身を守るためにも、金融リテラシーを正しく身につけて適切な判断力を培うことが大切です。
3.金融リテラシー高めることによる4つのメリット
金融リテラシーを身につけることで、以下3つのメリットが得られます。
- 将来の資金計画が立てやすくなる
- 家系の収支を改善できる
- 運用で資産を増やせるようになる
- 投資詐欺などの抑止力になる
この章では、これら4つのメリットについて詳しく解説していきます。
2-1. 将来の資金計画が立てやすくなる
金融リテラシーを高めると、将来の資金計画を立てる能力が高まり、
以下のようなライフイベントごとに必要な資金を把握して、計画的な貯蓄や運用ができるようになります。
- 結婚
- 出産
- マイホームの購入
- 子供の進学・独立
- 退職・リタイア
また、資金計画を入念に立てることで、将来のお金に対する不安を軽減する効果も期待できます。
人生のそれぞれのステージにおいて、必要な出費やお金の準備を効率的かつ合理的に行うことができるため、
人生を無駄なく計画的に生活を送ることができるでしょう。
そして、それは自分自身だけでなく家族にとっても豊かに生活を送るための重要なスキルにもなっていくでしょう。
2-2. 家計の収支を改善できる
金融リテラシーが高まると、家計を管理する能力が高まり、赤字家計から脱却しやすくなります。
金融リテラシーが高い人ほど、自分自身の状況で備えるべきリスクや公的な保険制度を理解しています。
必要に応じて掛け捨て型保険も活用し、必要な保障を準備しつつ保険料負担を抑えているのです。
また、ふるさと納税の利用やiDeCoへの加入など、さまざまな方法で節税しているだけでなく、
ローンの利用も必要最小限にして手元に残るお金を増やしています。
その結果、家計の収入と支出のバランスが改善されてお金が貯まりやすくなり、
普段の生活やライフイベントで、金銭的な不安を抱える可能性がさらに低くなるでしょう。
2-3. 運用で資産を増やせるようになる
投資の知識を深めると、株の配当や不動産の家賃収入などで収入源を増やせる可能性があります。
給与収入が上がりにくい時代に突入しているため、収入源の増加は、大きなメリットと言えるでしょう。
また、金融リテラシーを高めることで、優良な金融商品を見分ける力が身につき、効果的に資産を形成していけると考えられます。
実際に金融リテラシーが高い人ほど、現金や保険にもリスクがあることを理解したうえで、
株や投資信託、不動産などさまざまな資産を「バランスよく」保有しています。
ですから、金融リテラシーを身につければ、健全な投資で確実にお金を増やすことができるでしょう。
投資はリスクによってリターンが異なるものです。
高いリターンを求めるのであれば高いリスクを負わなければなりませんし、低リスクを希望するのであれば低いリターンまでしか求めることができません。
自分のリスク許容度や目標とする資産額を達成できるように、
投資先を選定する必要がありますが、金融リテラシーがなければ適切に投資をすることは不可能です。
金融リテラシーがあれば、適度なリスクをとりながら目標達成に向け、賢く投資を行えるようになります。
2-4.投資詐欺などの抑止力になる
金融リテラシーを身につければ、投資詐欺などに引っかかるリスクを軽減できます。
「絶対儲かる」「異常に利回りが高い」このようなおいしい儲け話を騙った詐欺は世の中に横行しています。
金融リテラシーがあれば「絶対儲かる利回りが異常に高い儲け話」は「怪しい」と判断できるので、詐欺に騙されるケースは軽減されます。
しかし、金融リテラシーがない人は怪しい儲け話に乗ってしまい、騙されてしまう可能性があります。
3.生きていく上で必要な金融リテラシー4分野
金融リテラシーは人生で全ての場面にお金と関わってきますので、あらゆる分野で必要です。
その中でも最も必要な分野は次の4つです。
・家計管理
・生活管理
・金融商品を選ぶスキル
・外部の知見の活用
これら4つの分野について詳しく解説していきます。
この4つの分野が人生を豊かにさせる上で無視できない事柄なので、
もしも今まで無頓着だった項目がある、または、ちょっと苦手に感じるようでしたら、
是非この機会に意識的に取り入れてみてください。
3-1.家計管理
家計の収入と支出のバランスを取り、家計の赤字を解消することができます。
家計管理は主に支出の見直しがメインになります。
金融リテラシーを身につけて不要な支出の見直しや固定費を削減しましょう。
「どうすれば不要な支出を減らすことができるのか」「どうすれば家計を黒字にできるのか」という知識を身につけることが、家計に関する金融リテラシーです。
3-2.生活設計
人生の各段階において出費が伴います。
結婚、出産、住宅ローン借入、自動車購入、子供の進学など、それぞれの段階でいくらお金が必要で、その資金をどうやって用意するのか、目標達成のためにどのように貯蓄していくのかという計画を立てます。
金融リテラシーがないと、この計画を立てることができません。
すると、必要なタイミングでお金が足りなかったり、場当たり的に借金に頼ったりすることになりがちです。
必要なタイミングで必要な資金を用意できるよう、生活設計で金融リテラシーを身につけましょう。
3-3.金融商品を選ぶスキル
これから一般個人の方も投資が必要になる時代において、最も大切な金融リテラシーと言っても過言ではないのが「金融商品を選ぶスキル」です。
具体的には株や投資信託や保険商品など、金融商品を選ぶための基本的な知識や、
商品ごとの特徴や違い、適切なローンの選び方や資産形成の方法などのスキルのことです。
政府は政府広報オンラインの中で金融リテラシーについて詳細に説明しており、
そこでは「金融商品を選ぶスキル」として具体的に次の内容が掲げられています。
<基本的な金融取引における心得>
・契約をするとき、契約の基本的な姿勢(契約書をよく読む、相手方や日付・金額・支払い条件などが明記されているか、不明点があれば確認するなど)を習慣にすること
・情報の入手先や契約の相手方である業者が信頼できるかどうかを必ず確認すること
・インターネット取引の利点と注意点を理解すること
<(共通)金融分野>
・金融と経済の基礎知識(単利・複利などの金利、インフレ、デフレ、為替、リスク・リターンなど)や金融経済情勢に応じた金融商品の選択について理解すること
・取引の実質的なコスト(価格、手数料)を必ず確認すること
<保険について>
・自分にとって保険でカバーしたい事態(死亡、病気、火災など)が何かを考えること
・カバーすべき事態が起きたとき、必要になる金額を考えること
<クレジット・ローンについて>
・住宅ローンを組む際の留意点を理解すること
ア.無理のない借入限度額の設定、返済計画を立てること
イ.返済を難しくさせる事態に備えること
・無計画・無謀なカードローンやクレジットカードなどの利用を行わないことを習慣にすること
・高いリターンを得ようとする場合には、より高いリスクを伴うことを理解すること
<資産運用商品について>
・資産形成における分散(運用資産の分散、投資時期の分散)の効果を理解すること
・資産形成における長期運用の効果を理解すること
投資やローンを選択して契約する際には、商品や手続きについて理解を深めて適切に金融商品を選ぶ能力が求められています。
3-4.外部の知見を適切に活用する
外部からの知見を適切に活用することも大切です。
専門家やニュースなどの情報を活用し、金融商品の選定や投資に対する判断に役立てることでより効率的に投資をすることができるでしょう。
4.まとめ|金融リテラシーとは?豊かな人生を歩むための金融の知識
金融リテラシーとは、お金に関する付き合い方のことです。
必要な知識を身につけて、適切に判断することによって、投資や借入の際に正しい選択をすることができます。
お金に関する知識を得たい時は、銀行や証券会社などが定期的に行っているセミナーへ参加したり、
投資やお金に関する書籍を読んでみたり、あるいは行政が発信している情報を定期的にチェックしたりするとよいでしょう。
金融リテラシーを高めることで、人生はとても豊かになっていきます。