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1.はじめに
銀行でお金を預ける場合、通常何かお金がかかることはありません。
メガバンクでは今後口座維持費などがかかるという話は出てきていますが、基本的に預金をする際にかかる費用はかかりません。
しかし投資信託では、複数の投資家から資金を集め、資産運用の専門家が投資を代行します。運用がうまく進めば投資家に利益が分配されますが、運用にはコストもかかります。
ですから、投資信託は必ず「手数料」がかかります。
この手数料というのがあなどれないもので、投資信託でしっかり利益を得たいなら、手数料に目を光らせることはとても大切です。
投資信託にかかる手数料とはどんなもの? 手数料を低くするためにどうすればいい? いっしょにチェックしていきましょう。
2.信託報酬とは
他の費用の種類についてもきちんと理解し、できるだけコストを抑えた運用を心掛けることが、利益を上げる大きなポイントの一つです。
2-1.投資信託の費用の一つ
投資信託で投資家が負担する費用には、いくつかの種類があります。
信託報酬とは、投資信託で発生する費用の一つです。
投資信託の運用・管理には、さまざまなコストがかかっています。運用会社の運用費・報酬・法定資料作成費用、販売会社の取扱費・分配金や換金代金の支払事務費用、受託会社の資産保管・管理費用が、信託報酬でまかなわれるコストです。
純資産総額を受益権口数で割った「基準価額」は、信託報酬の金額を差し引いた後の価額です。
信託報酬は、投資信託を利用する際の、年会費のようなものと考えれば分かりやすいでしょう。
2-2.毎日差し引かれている
信託報酬は、投資家が別途支払う形の費用ではありません。
信託報酬は、投資信託の“規模の大きさ”を示す「純資産総額」に、一定の割合(%)を掛けた金額が毎日、自動的に差し引かれています。
そして、「純資産総額に対して年●%」というかたちで表されます。
投資信託の種類や販売会社によって異なりますが、年0.5~2%(+消費税)くらいかかるのが一般的です。
保有中に受け取る運用報告書にも、実際に発生した費用が開示されています。
間接的に支払われていることから、意識が及びにくいコストであるといえます。しかし、保有している期間中かかり続けるため、重要なコストとして認識することが大切です。
2-3.信託報酬率の傾向
投資信託を選ぶときには、信託報酬率のチェックは非常に重要です。
信託報酬率は実績に対する金額が設定されているわけではなく、「純資産総額の〇〇%」のように、比率として定められているのが一般的です。
しかし、投資信託の残高は基準価額に連動しながら日々変動しています。信託報酬が比率で表示されていても、実際に支払う信託報酬の実額を簡単に把握できないのが実状です。
信託報酬率は、公社債投資信託・ETF・インデックスファンドは基本的に低めで、アクティブファンドは高くなりやすい傾向にあります。
一般的に、複雑な運用手法を求められる投資信託は、信託報酬率が高くなりがちといえます。
3.他の諸費用もチェック
3-1.販売手数料
商品購入時の商品情報・投資環境に関する情報提供や、購入の際に発生した事務手続きなどの費用を、商品購入時に投資家に支払ってもらう費用のことを指します。
購入時手数料と呼ばれることもあります。
投資家が直接的に支払うタイプの費用です。販売会社によっては、販売手数料を徴収しないケースもあります。
信託報酬率が年会費だとすれば、販売手数料は入会費のようなものだと考えれば分かりやすいかもしれません。
3-2.監査費用
公募投資信託は、監査法人など第三者機関による会計監査を受けなければいけないため、その費用もかかります。
監査を行う機関に支払う費用は、監査費用として投資家の信託財産から日々間接的に差し引かれています。
3-3.信託財産留保額
投資信託を解約するときにかかる費用が信託財産留保額です。
定められた割合を基準価額に掛けた金額が、解約代金から差し引かれる形で支払われます。
この費用は投資家が別途支払う必要はありません。
投資家に解約代金を支払うためには、投資信託内の資産を売却しなければならず、そのために手数料がかかります。投資家が解約するための手数料であるため、投資家自身の負担になるよう、解約代金から差し引かれる仕組みとなっています。
金額を算出するための率は、一般的には約0.3%が多いようです。投資信託の中には、信託財産留保額を差し引かないものもあります。
4.購入手数料節約には「ノーロード投資信託」と「ネット証券」がおすすめ
投資信託を1回買うだけで数千円も払うのは嫌だなと思う人もいるかもしれませんね。
特にまだ投資信託を買ったことがない人にとっては、良く分からないものにお金を使うのは抵抗があると思います。
できれば、払うお金はできれば少なくしたい!
そんな人におすすめな購入手数料を安くできる方法が実は2つあります。
まず1つ目は、購入手数料が無料の投資信託(これを「ノーロード投資信託」といいます)を選ぶという方法です。
最近はネット証券を中心に、購入手数料をとらない投資信託を取り扱うケースが増えています。
二つ目の方法は、ネット証券で購入するという方法です。
同じ投資信託でも、販売会社によって購入手数料が異なり、ネット証券のほうが、証券会社や銀行の窓口と比べると、購入手数料を低くしているケースが多く見受けられます。
かかるお金のことが気になる人は、ネット証券で投資信託の売買をするのがおすすめです。
5.投資信託における諸費用の重要性
特に投資初心者の場合は、信託報酬を抑えられるに越したことはありません。アクティブファンドに比べインデックスファンドの方が、信託報酬率は低めです。
なぜなら、ハイリターンを狙いやすいアクティブ型は運用に手間がかかりやすいため、信託報酬が高めに設定されているからです。
そういう意味では、アクティブファンドの方がリスクが高くなるため、投資信託初心者にはインデックスの方がおすすめです。
販売手数料がかからないノーロード商品も同様です。購入するたびに発生する手数料がかからなければ、コストの大幅な節約につなげられます。
諸費用の扱いは、投資信託ごとに大きく異なります。長期的な視点で資産運用をする場合、最終利益に大きな差がつくこともあるため、諸費用はできるだけ抑えるように心がけましょう。
6.まとめ|運用管理にかかる費用の確認も大切
投資信託で上手に資産運用を進めるためには、発生する費用の種類を知った上で、手元により多くの利益を残せるよう意識することが大切です。
購入手数料の場合は、投資信託を買うときだけ払えばよいのですが、信託報酬については、投資信託を保有している間ずっと払い続けることになります。長期で投資信託を持ち続ける場合、信託報酬の割合が高いと、最終的に運用した資産はその分少なくなってしまいます。
信託報酬を安くするなら、信託報酬の割合が低い投資信託を選ぶことが重要です。
購入手数料と信託報酬の両方をどれだけ安く抑えられるかが、投資信託の運用で成功する大きなポイントになるといっても過言ではありません。
気になる投資信託が見つかったら、それにかかる手数料もしっかりチェックする習慣を身につけましょう。