「アクティブファンド」と「インデックスファンド」の違いって何?選び方教えて!

青木博史
青木博史

1.はじめに

ファンドとは、日本語で投資信託(投信)のことで、 毎月1万円ずつなど、少額で世界中の株式や債券などに分散投資できる金融商品のことを指します。証券会社や銀行などを通じて購入できるファンドは約6,000本あり、大きくインデックスファンドとアクティブファンドの2種類に分けられます。

コツコツと長期にわたり積み立て投資できる点と初心者であっても気軽に買うことができる点などの理由で、近年、老後の資産づくりや資産運用を目的に投資信託を買う人が増えています。つみたてNISAやiDeCoなど、投資信託を運用しつつ節税メリットが得られる制度も増えており、投資初心者がまずはじめに買う金融商品と言ってもいいくらい、投資信託は人気があります。

そして、ここからが今回のテーマになる話なのですが、投資信託の中でも「アクティブファンドとインデックスファンドのどちらが良いのか」という質問をよく耳にします。皆さんはどちらがいいと思いますか?

雑誌やインターネットでは「資産運用はインデックスファンドだけで十分」という論調をよく見かけます。コストが高いことなどを理由にアクティブファンド=悪、との決めつけ記事も多いですが、本当にそうでしょうか?

今回は、資産運用にあまり縁がなかった人にとってなじみのない言葉。

「インデックスファンド」と「アクティブファンド」の違いや選び方について、 投資信託の仕組みなど基本を押さえつつ解説します。

2.インデックスファンドとアクティブファンドの違いとは?

投資信託は、インデックス型の運用をしているのか、アクティブ型の運用をしているのかによる2つに区分けすることができます。一般に、前者をインデックスファンド、後者をアクティブファンドと呼びます。

インデックスファンドとアクティブファンドの主な違いは、以下のとおりです。

<インデックスファンド>

  • 運用の目的は、指数(たとえば日経平均株価やTOPIXなど)と同じ値動きをすること
  • 保有コストが比較的
  • 低コストで市場全体(指数)に投資できる
  • 代表的な指数に連動するものが多く、情報を得やすい

<アクティブファンド>

  • 運用の目的は、独自のテーマなどに基づいて銘柄を選別して投資し、指数を上回る運用成果を得る事
  • 保有コストは比較的高い(ファンドマネージャー、アナリストなどの人的コストがかかるため)
  • ファンドの種類が多くテーマや目的に沿った投資ができる
  • よいファンドを探し出せれば、指数以上の運用成績を上げられる

2-1.違いその1:インデックスファンド=指数連動、アクティブファンド=指数を上回る成果が運用の目標

インデックスファンドは、特定の指数と投資信託の値動きが一緒になるよう運用されています。大部分のインデックスファンドでは、ファンドの名前に「インデックス(=指数)」という単語が入っています。

指数とは、一般的に株式市場、債券市場など特定の市場で取引されている商品全体の平均的な値動きを指します。株価指数ならば、証券取引所で売買されている各企業の株式(銘柄)の価格(株価)を平均化したものです。

たとえば、テレビでよく目にする日経平均株価は、日本の各業界の代表企業など225社をピックアップしてそれぞれの株価を足し合わせ、平均したものです。日本の株価指数には東証株価指数(TOPIX、トピックス)もありますが、これは、東証1部上場企業すべての株価を、発行済み株式数を考慮したうえで足し合わせて平均化しています。

日経平均株価と一緒の値動きになることを目的としたインデックスファンドであれば、日経平均株価が1%値上がりした日は、投資信託も同じように1%値上がりします。日経平均株価が1%値下がりすれば、やはり1%値下がりします。

一方でアクティブファンドは、日経平均株価のような指数を上回る運用成果を出すことが目的です。たとえば、日経平均株価が1か月で10%値上がりするとしたら、20%の値上がりを目指す運用をします。そのため、企業の成長力などを丹念に分析し、指数を上回る値上がりが期待できそうな銘柄を選別してファンドに組み入れます。

2-2.違いその2:運用コストはインデックスファンドが安く、アクティブファンドは高い

投資信託を購入すると、売却しないかぎり、運用会社などに対して「信託報酬(しんたくほうしゅう)」という手数料を支払い続けます。

信託報酬は毎営業日、投資信託に投資しているお金(投資元本)から差し引かれます。支払う金額は、1年間合計で投資元本の1%前後というものが多いようです。

たとえば、信託報酬が年1%の投資信託で100万円運用するケースを考えてみましょう。この場合、1年間で合計1万円を信託報酬として運用会社などに支払います。仮に1年間、投資信託の価値が変わらなかった場合、1年後の投資元本は99万円に減ります。

信託報酬が高いほど、投資元本が増えにくかったり、目減りしやすかったりします。運用がうまくいって10%値上がりしたとしても、信託報酬が5%であれば、投資元本は10%-5%=5%しか増えません。運用成果のよしあしに大きく影響するため、投資信託を購入する際には、信託報酬を必ず確認しましょう。

3.アクティブファンドのコストが高い理由は運用に手間がかかるから

なぜ、インデックスファンドとアクティブファンドで、上記のようなコストの違いが出てしまうのでしょうか?

一番の大きな理由は、投資信託を運用するのが比較的簡単か、大変かという「手間の掛け方」の違いです。

インデックスファンドは、指数に連動することが目標です。単純にいえば、指数と同じ銘柄を組み入れれば完成します。日経平均株価に連動するインデックスファンドならば、皆さんから預かったお金で225社の株式を買うだけです。買う銘柄などがほぼ決まっているため人手がかからず、運用するコストも抑えられます。

一方でアクティブファンドは、指数を上回る運用成果が目標なので、指数と同じ銘柄構成にしては意味がありません。日経平均株価を上回る目標を持ったファンドならば、225社の中で値下がりしそうな銘柄を組み入れず 、大きな値上がりが見込める銘柄をたくさん組み入れる、などの運用が必要になります。

そのため、運用を担当するファンドマネージャーだけでなく、企業調査が専門のアナリスト、投資戦略を立てるストラテジストなどたくさんの人が関わります。その分、人件費などがかさんでしまうため、インデックスファンドより信託報酬が高くなるのです。

もちろん、それでも指数を上回れるとはかぎりません。銘柄選びを間違ってしまえば、運用成果が指数を下回ることに加え、コスト負担も重くのしかかるので、かえってリスクが高くなります。

これまで見てきたことからわかるように、市場平均を目指して機械的に投資するわかりやすさ、コストの安さ、アクティブファンドが銘柄選択を間違うリスクなどを踏まえれば、インデックスファンドが人気になるのも納得です。「コストだけ高くて実際に指数を上回る成果が達成できるかわからない」というアクティブファンドばかりであれば、投資するメリットはあまりないといえるでしょう。

4.インデックスファンドはほんとに良い運用手法なの?

指数に連動する(=指数に投資する)ことはわかりやすいうえ、非常にたくさんの銘柄に分散投資していることにもなるので、特定の銘柄の株価が大きく値下がりしても、投資信託の価値全体に与える影響は小さくなります。インデックスファンドは、一見すると効率的に運用できるように見えます。

しかし、市場を丸ごと買う、というインデックスファンドの運用手法が本当に効率的かどうかは考えものです。

たとえば、先ほど挙げたTOPIXを見てみましょう。TOPIXに連動するインデックスファンドは、東証1部上場企業のほぼすべてに投資します。中には、業績が振るわなかったり、経営上問題があったりする企業もあるでしょう。

5.良いアクティブファンドを選ぶ方法ってあるの?

では、「良いアクティブファンド」を選ぶ方法について考えてみましょう。

5-1.まずは分析しランキングを作る

「投資信託事情」という、投資信託の専門雑誌を定期購読すると、投資信託事情に掲載されている全ファンドのエクセルデータをダウンロードできるので、これをデータベースとして使うと良いでしょう。そこまでしたくない!めんどくさい!という方は、アクティブファンドをあきらめるか、各証券会社のウェブサイト上のデータを見ながら、以下のように分析をしていきましょう。

基本的には主に日本株に投資するアクティブファンドを選ぶだけですから、「国内株式・大型・ブレンド型/割安型/成長型」と「国内株式・中小型・ブレンド型/割安型/成長型」という2つの分類に含まれているファンドのみを対象にします。このうち前者の分類にインデックスファンドが含まれています。

エクセルデータをダウンロードしたら不要なデータをカットしたり、並べ替えたりして分析してみてください。過去5年の成績で比較したいなら、5年の運用成績を持たないファンドはすべて削除します。過去10年で比較するなら、ファンド数は相当程度削除できるでしょう。

削除したら自分の好きな運用期間の成績でランキングをします。エクセルなら「降順」で並べ替えれば簡単にランキングが作れます。

このような分析作業は1ヵ月分だけでなく、複数月で行えればより精度が上がります。毎月でなくとも、たとえば隔月で同じ作業を行って、常に上位にいるファンドがどれなのかをチェックしておくと良いでしょう。

ちなみにこの方法は、投資信託事情を購入する必要があるので、誰にでも出来るものではないので、興味がある人は是非、投資信託事情のサイトを覗いてみてください。エクセルデータで全ファンドの運用成績をダウンロードできるので便利です。

5-2.資金の流出入をチェックする

ここまでやらないにしても、とりあえず自分で購入するアクティブファンドの候補が決まったら、もうひと手間かけて精度を上げていきましょう。

それは資金の流出入のチェックです。

追加型投資信託は日々、追加設定と解約によって資金の流出入が生じています。継続的に資金が流入し続けているファンドであれば、何も問題はないのですが、資金流出が続いていると、そのファンドは解約資金をつくるためにポートフォリオを取り崩さなければならず、それ運用成績の悪化要因になります。

ちなみに資金の流出入は、モーニングスターのサイトでチェックできます。ファンド名を入れて検索し、個別ファンドのページに行ったら「リターン」→「月次資金流出入学」という流れでタブをクリックしていけば、月次ベースの資金流出入状況のグラフが見られます。資金流出が続いていて、純資産総額が50億円程度まで減っている場合は、候補から外した方が良いでしょう。

もちろん、以上のプロセスを経てアクティブファンドを選んだとしても、必ず高い運用成績が得られるとは限りません。

しかし、大事なことは、ファンドを選ぶに際して自分なりの考え方、基準を作ることです。例えば、複数月で常時、インデックスファンドの運用成績を上回っていて、かつ資金が安定的に流入しているものを選ぶなどが、良い選び方の一例としてあげられます。他にも自分なりに考えて基準を作っていくとファンド選びは楽しくなります。

その意味では、アクティブファンドは株式の個別銘柄投資に近いので、分析したり手間をかけるのが苦手であったり、嫌いな方にはインデックスファンドの方がおすすめと言えます。

6.コストが高くても運用成績が好調なアクティブファンドは?

保有コスト(信託報酬)が運用成績に大きな影響を与えることは間違いありません。コストが低いほうが、それだけ投資元本の目減りが少なくなるため、インデックスファンドは安定した収益を得やすいといえます。しかし、投資信託の運用成果は、保有コスト(信託報酬)が高いか安いかだけで決まるものではありません。下の表のように、保有コストがインデックスファンドより高くても、インデックスファンドを遙かに上回る運用成績をたたき出す投資信託は、意外とたくさんあります。

※2017年8月末時点の公募追加型株式投資信託(ETF、ラップ専用、DC専用を除く)のうち国内株式を主要投資対象とするものから以下の条件をもとに年率収益率(5年)の昇順で三菱アセット・ブレインズが抽出(純資産残高10億以上、テーマ型や通貨選択型ファンドを除く上位10本のアクティブファンド)。信託報酬による目減り分を含む

こうした運用成績は、運用会社のホームページや目論見書などで確認できます。確かにアクティブファンドの数は多く、探すのは手間かもしれませんが、これらを参考に、インデックスファンドに勝てるアクティブファンドを探してみることも投資の醍醐味といえるのではないでしょうか。

7.まとめ|「アクティブファンド」と「インデックスファンド」の違いって何?選び方教えて!

今回はインデックスファンドとアクティブファンドの違いについてと、アクティブファンドの選び方について解説しました。

指数と連動した値動きをするインデックスファンドに対して、独自のテーマなどに基づいて銘柄を選別し、指数を上回る運用成果を得ることを目標としたアクティブファンドは、手数料がインデックスファンドと比較して高いですが、良いファンドを見つけさえすれば、魅力的な金融商品と言えます。

見つけ方には、分析などの手間がかかるため、初心者でそのような努力をするのが面倒に感じる方は、日本株のアクティブファンドを買おうとせず、米国株式や世界株式に分散投資するインデックスファンドを買って持ち続けるのが無難です。

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