投資で大損する典型的な7つのステップを知って大損を回避しよう

青木博史

 

投資で大損というのは、すべての投資家が最も避けたい事態です。手持ち資金の大半もしくは全部を失ってしまう可能性が高く、二度と投資をしたくない気持ちになる人もいるでしょう。

誰もが避けたい投資の大損ですが、どの投資家にとっても他人事ではなく、大損をやらかしてしまう可能性は誰にでもあります。

投資の大損とはどんな状況で、どんな流れで発生するのでしょうか。

多くの投資家が経験している大損のありがちな流れをもとに、その二の舞を踏まないための方法を解説していきます。

1.多くの投資家が経験している大損までの7ステップ

成功している人も含めて多くの投資家が経験している、典型的な大損の流れを見てみましょう。

1-1.含み損が大きくなる

大損の発端は、まだそれほど大きくはない含み損から始まります。

その時に損切りをしていれば大損に発展することはないのですが、損切りをしなかった、もしくは損切りが間に合わなかったといった事情で含み損が大きくなってくると、人は一層損切りができなくなります。

このためらいによって、大損へのカウントダウンが始まります。

1-2.チャートを凝視しても含み損はさらに大きくなる

大きくなりすぎた含み損に対してどうすることもできず、ただ祈るような気持ちでチャートを凝視するようになります。刻一刻と含み損が増えていくため、チャートだけでなく含み損の数字も凝視し続けます。

しかし、どれだけ祈っても、どれだけ凝視をしても、すでに反対方向にトレンドが発生している可能性が高く、今すぐ相場が戻ってくる可能性は極めて低いでしょう。

1-3.相場が小康状態になる

しばらくすると、相場は一度小康状態になります。他の投資家による損切り注文を巻き込んで一方向に進んでいた相場が一巡し、一辺倒だったレート変動が止まります。

ここから戻ってくれとばかりに祈りたくなるものですが、すでにこれは願望トレードといって冷静なトレードができる心理状態ではありません。

ここで損切りをすればさらなる損失拡大を防げたわけですが、すでに含み損がかなり大きくなっているので、やはり損切りはできません。

1-4.トレンドが継続、さらに含み損が拡大

「次にまた相場が動き出して含み損が拡大するようなら、絶対に損切りをする」と決めた直後に、往々にして相場が反対方向への動きを再開して含み損の拡大も再開します。

「その直前に決めていたはずなのに、さらに含み損が膨らんでしまうと手が動かなくなる」と株式投資で1000万円近い損失を出したことのある経験者は言います。

クリックひとつで数百万円の損失が確定してしまうといった場合もあるでしょうから、その気持ちも理解できます。

しかし、だからといって含み損の拡大が止まらないという現実が変わることはありません。

1-5.現実を忘れようとするが夜も眠れない

チャートとレート画面を凝視していても、含み損は増えるばかり。そんな時に人は、冷静になりたいのと現実を忘れたいのと半々の気持ちで、トレード画面を閉じます。

しかし、やはり株のことが気になって仕方ありません。そこで再度トレード画面を開くも、大きくなりすぎてしまった含み損が減っているわけではありません。

再び冷静になろうとして画面を閉じて、また気になって開く。そんなことを何度も繰り返してしまい、精神状態は最悪です。

気になり始めると夜も眠れなくなります。しかも日本時間の夜であるロンドン時間やニューヨーク時間のほうが相場が激しく動くことが多く、それが一層不安を大きくさせます。

1-6.半ばヤケクソで損失確定

かくして、含み損の拡大という現実で荒んでしまった精神状態で、半ばヤケクソになって損失を確定します。あとで考えるとその時が最も損失が大きくなるタイミングだった…ということは珍しくありません。

大損をしたものの、含み損の拡大という地獄からは解放されるので、多くの投資家は晴れやかな気持ちになると言います。しかし、その直後に金銭的なダメージを実感することになるのは言うまでもありません。

1-7.最悪の場合は強制ロスカット

半ばヤケクソになって損失を確定した場合よりも、さらに最悪な結末があります。それは、結局最後まで損切りをすることができず、証拠金維持率が低下してしまい強制ロスカットの憂き目に遭うという結末です。

この場合は間違いなく手持ち資金のほとんどを失うので、精神的なダメージも計り知れないものがあります。

2.この大損は何がいけなかったのか

先ほどご紹介した大損の典型的なパターンは、いかがでしたか? 規模の大小はあっても、心当たりがあるという方は多いのではないでしょうか。

それでは、この大損は何がいけなかったのでしょうか。それを検証しましょう。

2-1.正しい損切りができなかった

最もまずかったのは、最初の段階で正しい損切りができなかったことです。エントリー時、もしくはポジション成立後に指値で損切り注文を入れておけば、損失を最小限に食い止められたはずです。

その注文を怠ったか、損失を確定させたくないという気持ちから損切りをしなかったことが、後々の大損を自ら招き入れたようなものです。

2-2.感情に支配されて建てたポジションだった

損切りが必要なポジションというのは、そもそも相場観を見誤ったポジションです。なぜそんなポジションを建てたのかを考察してみると、2つのパターンが見えてきます。

  • 勝ち続けている時、さらに大きく勝とうとして大勝負に出た
  • 負け続けている時、最後に大きく勝って収支をプラスにしたい

いずれも感情で行動しているので、感情トレードと呼ばれる危険なトレードです。感情トレードでエントリーした時点で、大損のリスクが高くなっていると言えます。

2-3.必要以上にポジションを大きくしてしまった

前項で挙げた2つのパターンはいずれも感情トレードですが、感情トレードであるがゆえにもうひとつの危険行動があります。

それは、「大きく勝つ」という目的を達成するために、必要以上にポジションを大きくしてしまっていることです。ポジションを大きくするということは、それだけレート変動による損益の影響が大きいということです。

中には、最初はそれほど大きなポジションではなかったものが、その後ナンピンを入れたことによって大きなポジションになってしまったということもあるでしょう。

2-4.含み損が大きくなりすぎて手遅れになってしまった

感情トレードで含み損を出してしまい、その含み損を確定させたくない思いでポジションを持ち続けた結果、含み損が大きくなりすぎて手遅れになってしまったら、これはもう大損確定の段階です。

ここから先は、もはやレートが戻ってくることを祈ることくらいしかできません。

3.投資の大損との付き合い方

何としても投資で大損だけは避けたいと思う方が、持っておくべき知識を伝授します。

3-1.勝ち続けている投資家も大損を経験している

投資の大損というと初心者が陥りやすいというイメージをお持ちの方は多いと思いますが、実は勝ち続けているような投資家のほうが多いのではないかと思います。

逆に言うと、大損を経験したことによって戦略の立て方やリスク管理、資金管理の手法を身につけていくということなのかも知れません。

3-2.大切なのは、そこからの学び

すでに大損を経験した方、または現在大きな含み損でお悩みの方は、目先のトレードで取り返したりレートの回復を祈るということではなく、その大損からいかに学べるかを大切にしてください。

そうすることで、大損によって失ったお金の価値があるというものです。

3-3.大損を他山の石にできるか

投資家として成長したいとは思っているものの、そのための登竜門のように言われている大損を経験したくはないという方は多いでしょう。そんな方におすすめしたいのは、他人の大損から学び他山の石とすることです。

記事の冒頭では典型的な大損のパターンを時系列で解説しましたが、実際に起きている大損のほぼすべてはこうした流れで発生しています。7段階ある大損への流れのうち、いかに早い段階で止めることができるかを考えてください。

4.まとめ

誰もが忌み嫌う投資の大損について、その典型的なパターンとそこから得られる教訓を解説しました。

投資をしている以上大損のリスクをゼロにすることはできませんが、損切りの徹底や感情に支配されたトレードの排除などで限りなくリスクをゼロに近づけることはできます。

大損を避けて楽しく投資と向き合えるよう、この記事をお役立ていただければと思います。

 

もっと投資に失敗してしまう共通点を知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。

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