FXに限らず、投資にはマインドがとても重要です。もしかすると初心者や未経験者の方々の中には、このマインドの重要性についても初めて見聞きしたという方がおられるかもしれません。
この記事ではFXに例えてマインドの重要性とマインドを構築する方法について解説しますが、あらゆる投資にも応用できることなので、ぜひマスターしてください。
筆者注:通常、私は「考え方」「思考」という言い方をしますが、マインドという言い方の方が一般的なようなので、この記事では「マインド」という言葉を使って語っています。
Contents
1.FXに必要なマインドとは何か
安定的にFXで勝っているトレーダーに必ずあるもの、それは正しいマインドです。最初にマインドとは何か、そしてその重要性について解説します。
1-1.マインドの重要性
マインドとは、直訳すると心や精神という意味です。つまりFXのマインドとは、投資家としての心といった意味合いになります。人は心で物事を判断するため、正しいマインドがなければ行動も正しいものにはなりません。
実際のFXトレード時に、投資家が判断することはたくさんあります。どの通貨ペアを選ぶか、売りなのか買いなのか、どれくらいのロットでトレードをするのかといった具体的な戦術はすべて、マインドによって判断します。
さらに、キャピタルゲイン(為替変動による利益)を狙うのかインカムゲイン(スワップ)を狙うのか、どれくらいの利益を目指すのかといった投資全体の戦略においてもすべて、判断するのはマインドです。
このマインドがFX投資の成否を決めるといっても過言ではなく、これからFXを始めたいとお考えの方にまず知っていただきたいのは、「正しいマインドを持つことが極めて重要である」という大原則です。
1-2.勝っているFXトレーダーに共通していること
FXで安定的に勝っているトレーダーに共通しているのは、正しいマインドです。もちろん勝っているトレーダーにはそれぞれの得意な手法やテクニックがあるわけですが、これらは正しいマインドがあるからこそ生まれたものです。
この表に見えているテクニックをマスターすれば勝てると思われがちなのですが、それだけだとマインドがないので再現することはできません。仮に再現できたとしても、相場の流れやムードが変わった場合に通用しなくなってしまうでしょう。
勝っているトレーダーには必ず、正しいマインドがある。これからFXの世界に足を踏み入れる方、FX初心者の方、そしてFXを始めたもののなかなか勝てないという方は、「マインドを持つこと」をイメージしてください。
1-3.FXの練習期間とはマインド構築期間でもある
初心者のうちは少額トレードなど通じてFXの練習から始めることになりますが、この練習期間がトレードのテクニックを身につけるだけの期間ではなくマインドを構築するための期間でもあることは、すでにお気づきかと思います。
目先の勝ち負けではなく、その勝ち負けにはどんな理由があったのか、その結果を受けて自分はどう考えるのか、さらに成績を向上していくのは何を改善するべきなのかといったように、経験を通じてマインドを高めていきましょう。
これができていれば、FXのトレード成績を向上させていくことができます。そして構築されたマインドは、他の誰のものでもなくあなただけのものです。
2.勝てるFXトレーダーになるためのマインド構築法
マインドの重要性をご理解いただいたうえで、次に勝てるFXトレーダーになるためのマインド構築法を伝授しましょう。
2-1.勝っているトレーダーと同じマインドを持つ
勝っているトレーダーとは、一時的な勝ち負けはあってもトータルでプラス収支を出している人たちのことです。どんなに優秀なトレーダーであっても無敗ではあるはずはなく、負けることも多々あります。しかし彼らが負けることはあってもFXの世界から退場させられることはなく、その後も安定的に利益を伸ばしていけるのは、正しいマインドがあるからです。
初心者の方は、勝っているトレーダーが持っているテクニックではなく、その奥にあるマインドに関心を持ってください。特にトレードで負けた時にマインドの持ち方が表れやすいので、なぜそのトレーダーが損切りをしたのかについて考察してみると、その人のマインドが見えやすくなります。
2-2.勝っても負けても結果について考える
FXに勝ち負けがあるのは当然のこととして、重要なのは結果の考察です。なぜそのレートでエントリーしたのか、売買判断の根拠はなんだったのか、テクニカル的にどう見えていたのか、なぜそのレートで利食い(または損切り)をしたのか…といったように、結果について考えるべきポイントは多数あります。
これらをすべて自分自身で説明できるかどうかを検証し、説明できないようなトレードをしてしまったのであれば、それはマインドのないトレードです。
2-3.正しく負ける
FXトレーダーとしての器量が試されるのは、やはり負けた時でしょう。思惑と違う方向にレートが逆行してしまい、含み損が出た時にどうするか? 100%勝ち続けることがない以上、正しく負ける方法を知らなければなりません。
自分の中で作ったルールに基づいてトレードをした結果、含み損が出てしまった。しかし正しいマインドがあれば、自分で行った分析の結果からエントリー時に損切注文も出せているはずです。なぜなら、どんなに自信のあるエントリーであってもそれが100%ではなく、負けることもあるとマインドで理解できているからです。
この場合、仮に損切注文がヒットして損失が確定しても正しく負けたのであり、マインドがすでに確立しているトレーダーは何とも思わないはずです。
3.マインドを常に成長させよう
勝てるFXトレーダーには必ずある、正しいマインド。しかしこれは勝っているからといって完成済みのものではなく、常に変化し、ブラッシュアップしていくべきものです。マインドを成長させることを、常にイメージしましょう。
3-1.マインドは永遠に完成しない
自分なりにマインドを構築し、トレードの成績も向上しているというのは、FX投資家として成長できている証拠です。しかし、だからといってマインドを固定してしまう必要はありません。
まだまだ成長できる余地があると考える必要がありますし、今後相場のありようが変わった時に今のマインドが通用しなくなるかもしれません。投資家の心構えによってマインドの質を高めていくことができるので、次項で解説するPDCAサイクルを採り入れてみてください。
勝っている時にはなかなかイメージしにくいことですが、「勝って兜の緒を締めよ」の精神で、それを持続させるためにも結果の検証は怠らないようにしてください。
3-2.負けが続いた時にはマインドの再検証を
先ほど正しく負けることの重要性について述べました。優秀なトレーダーは正しい負けであれば何とも思わないとも述べましたが、負けが続くようであればマインドそのものの再検証が必要です。
ビジネスの世界には、PDCAサイクルと呼ばれる手法があります。Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Action(改善)の4プロセスをサイクル化して繰り返すことにより、業務改善を進める考え方です。これと全く同じことがFXのマインドにも言えるので、相場分析⇒トレード⇒結果の検証⇒マインド改善という流れを常に意識しましょう。
4.まとめ
FX投資家として成長するために欠かせない、マインドの重要性について解説しました。どうしても小手先のテクニックに走りがちな世界ではありますが、そのテクニックには必ずそれぞれの投資家のマインドがあることに気づいていただき、それを高めることをイメージしてみてください。今は結果が出ていない方は特に、ご自身のマインドと向き合ってみることをおすすめします。