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1.はじめに
外貨預金やFX (外国為替証拠金取引) について、利益を得たという話を聞くと
誰でも興味が湧いてきますよね。
しかし、どちらもどのような商品なのかよくわからないという
投資初心者の声を多く耳にします。
この記事では初心者には外貨預金とFXのどちらが向いているのか、
それぞれの仕組みや特徴を踏まえて解説します。
2.FXの特徴とは?
FXは、「外国為替証拠金取引」を意味します。
まず、FXの専門会社やFXを扱う金融機関に「証拠金」を預け、
これを担保として為替取引を行います。
外貨預金と似ていますが、FXには外貨預金にはない、以下のような特徴があります。
2-1.預けた資金以上の取引ができる
FXでは、預けた証拠金の数倍の取引ができます。
このシステムを「レバレッジ」といいます。
例えば、証拠金が100万円で、レバレッジを10倍に設定したら、
1,000万円までの通貨取引ができるのです。
利益が発生した場合、受取金額が大きくなりますが、
反対に損益が発生した場合も大きな金額となりますので、注意が必要です。
2-2.スワップポイントと呼ばれる差益・差損が発生する
低金利の通貨で高金利の通貨を買った場合、
「2つの通貨の金利差」を受け取ることができます。
これが「スワップポイント」です。
外貨預金の金利に似たものですが、
スワップポイントは毎日受け取れるという点が魅力です。
ただし、高金利の通貨で低金利の通貨を買った場合は、
逆に差額分を支払うことになります。
2-3.取引きできる通貨が多くコストが安い
一般的な傾向ですが、FXでは外貨預金よりも多くの通貨を取引できます。
そのため、為替の状況を見ながら、より有利な通貨を選んでいくことができます。
また、外貨取引に必要な為替手数料が安いのもFXの特徴です。
一般的に外貨預金よりも、FXのほうが手数料が安いため、
外貨預金に比べ頻繁に取引をする投資家が多いといわれています。
3.外貨預金の特徴とは?
外貨預金は、海外のさまざまな通貨を金融機関に預金することです。
日本円を銀行に預けるのと同じ感覚でわかりやすく、手間がかかりません。
外貨預金の特徴としては、次の2点が挙げられます。
3-1.日本円に比べ、比較的高い金利が受けられる
超低金利と呼ばれる日本(※)とは異なり、
世界には高金利の通貨もあります。
高金利の通貨をまとまった金額で預けておけば、
それだけ高い利子を受け取ることができます。
(※2021年11月現在)
3-2.為替レートの差益・差損が発生する
為替レートは日々変化しています。
例えば1ドル100円のときに10,000ドル(100万円分)を預金したとしましょう。
その後、円安が進み1ドル110円になると、日本円で110万円となり、
10万円分の為替レートによる差益が発生することになります(※)。
反対に、円高となると、為替レートによる差損が発生することになります。
※実際の取引には為替手数料が発生します。
4.FXと外貨預金の違い
まずは、外貨預金とFXがどのようなものかを確認しましょう。
- 金融機関に外貨を預ける商品。
- 定期預金にすれば金利が固定され受取利息が確定する。
- また、預け入れのときよりも円安になれば利益が見込める。
- 外国為替証拠金取引を意味する。
- 取引の際に担保となる証拠金を使い、取引を行う。
- 安く買って高く売るのが基本で、為替差による利益を狙う。
では、外貨預金とFXはどのような違いがあるのでしょうか。
代表的なポイントを挙げてみました。
外貨預金 | FX | |
---|---|---|
利益を得る方法 | 安く預けて高く引き出す | 安く買って高く売る または高く売って安く買い戻す |
取引コスト | 高い | 安い |
利息の受け取り | 満期時(解約時)に受け取れる | スワップポイントを毎日受け取れる |
取引資金 | 資金の範囲内 | レバレッジにより 資金の1倍~20倍の取引が可能 |
投資期間 | 定期の場合1ヶ月~数年 (普通預金は自由) |
数秒~長期まで自由に決められる |
決済タイミング | 満期時または解約時 | いつでも可能 |
保証 | 預金保証制度の対象外 預けていたお金が戻ってこない可能性がある |
元本保証はないが全額信託保全の会社あり |
外貨預金もFXも為替の差によって
安く買って(預けて)高く売る(引き出す)という利益の狙い方をする点は同じです。
その一方で、取引資金や投資期間、金利を受け取るタイミングなどで
違いがあるということは押さえておきましょう。
5.FXの方が外貨預金よりメリットが多い!
外貨預金とFXの違いについて紹介しましたが、どちらがおすすめなのでしょうか。
資産を増やしたいのであれば、FXの方がおすすめです。
その理由を、4つのメリットから解説します。
5-1.コスト・手数料
まず、FXは外貨預金もコスト・手数料が安いという特徴があります。
FXの手数料はスプレッド、外貨預金は為替手数料がコストとなりますが、
スプレッドと為替手数料を比較すると為替手数料はかなり割高になっています。
為替レートが1ドル100円(米ドル)のときに100万円分の取引をする際を例に挙げてみましょう。
外貨預金 | FX |
---|---|
25銭 1万米ドル×25銭=2,500円 |
0.3銭 1万米ドル×0.3銭=30円 |
このように、手数料ではFXの方がかなりお得な取引ができるのです。
5-2.スワップポイント
FXのスワップポイントは、外貨預金で言う利息のようなものです。
低金利の通貨で高金利の通貨を買えば、
その金利差(スワップポイント)がもらえます。
受けとったスワップポイントを再投資することもできるので、
FXの方が資金効率も良いと言えるでしょう。
5-3.払い戻しのタイミング
外貨預金は解約時が払い戻し・決済のタイミングとなりますが、
FXはいつでも決済可能です。
FXであれば利益が出たタイミングで払い戻すのはもちろん、
為替レートが不利に動いて損をしそうなときに
払い戻すこともできるので損失を抑えることができるのです。
外貨預金は損失が出ても満期になるまで払い戻せません。
途中で解約すると手数料が高く結果的に元本割れで損をする可能性があります。
5-4.保証
通常、普通預金や定期預金はペイオフと呼ばれる
預金を守るための保険制度があります。
銀行などが破綻をした場合でも、
預金者1人あたり元本1,000万円までと
破綻日までの利息を保護してもらえるのです。
しかし、外貨預金はペイオフの保護対象外となっており、
銀行が破綻した場合に資産が保護されません。
一方、FXには信託保全と呼ばれる仕組みがあります。
信託保全とは証拠金をFX会社の固有資産として管理するのではなく
信託銀行に信託することで、FX会社が破綻したときにも資産を保全する仕組み。
信託保全の対象は現金だけでなく累積スワップポイントも含まれます。
6.FXよりも外貨預金を選んだ方が良い人は?
FXの方が外貨預金よりも様々なメリットがあるのは事実ですが、
注意点があることも忘れてはいけません。
FXでレバレッジをかければ手持ちの資金以上の取引も可能で
ハイリターンも狙えますが、それだけハイリスクになります。
一方、外貨預金はデメリットも多いのですが
仕組みが分かりやすく少額からでも始められるため、
投資初心者や少額で投資を体験してみたい方におすすめです。
ただ、外貨預金は手数料が高いため取引コストを抑えたい方にはFXの方がおすすめできます。
FXと外貨預金それぞれのメリットとデメリットを十分に把握した上で
検討することをおすすめします。
7.外貨預金とFX、どのように使い分ける?
外貨預金とFXには先に述べたような特徴の違いがありますが、
どのように使い分ければよいでしょうか?
7-1.手間をかけずに安定的に増やす「外貨預金」
あまり手間をかけず、ある程度「預けっぱなしにしたい」という人は、
外貨預金が良いでしょう。
ただし、預けっぱなしといっても、
預金した通貨が暴落してしまうと大きな損失が出ますから、
為替の状況や現地の政情などは、
定期的にチェックするのが良いでしょう。
よく海外旅行に出掛ける人なら、現地の通貨を預金しておくと、
現金やトラベラーズチェックで引き出すこともできる金融機関もあります。
7-2.攻めの運用で短期間に利益を出す「FX」
FXは、利益の出そうな通貨取引をみずから仕掛け、
レバレッジを活用して大きな利益を得ることができます。
その反面、正確な情報取得力や、
タイミングを逃がさない判断力などが求められ、
一般的には初心者にはハードルが高いと言われています。
レバレッジを利かせた大きな取引ができるということは、
大きな損失を被るリスクもはらんでいます。
その点はしっかり認識しておくようにしましょう。
8.まとめ
外貨預金とFX、どちらも一長一短があります。
自分の経験や性格を考慮し、目的をはっきりさせた上でどちらが向いているのか、
よく考えて運用してみてください。