子供がお金に困らないために身に付けるべき力とたった1つの投資教育とは

青木博史

年金2,000万問題が明るみに出た頃から年金や将来のお金に対する不安を感じる方が増え、それに伴って投資に対する意識が高まることで、子供に投資教育を受けさせたいと考える親が増加傾向にあります。

ただ、日本国内では投資教育を受けていない大人が大半であるため、子供にどうやって投資教育をすれば良いのか分からない親御さんが非常に多いという現状があります。

そこで子供が将来お金に困らない生活を送るために、子供のうちに身に付けるべき力と、その力を付けるための教育方法をお教えします。

1.子供に受けさせるべき投資教育とは

子供に投資教育として何をさせるべきか分からない方のために、まずは子供にどのような力を身に付けさせるべきかを解説します。

1-1.子供が身に付けるべき力は3つある

グローバル化による企業間の競争の激化と、AIの進化などで仕事や社会のデジタル化が進むことを考慮すると、投資の他に英語とITも学ばせるべきだと考えられます。

ただし、英語とITは子供のうちから実践すると良いですが、投資は自分で稼いだお金を投じて行うことが基本なので、実践は働き始めてからでも良いでしょう。

「実践が大人になってからで良いのなら、子供の投資教育は何をすれば良いの?」という疑問に対する答えとして、子供には投資を始めるための根本的な力を付けさせることが重要になります。

その根本的な力とは、「お金をコントロールする力」です。

1-2.投資に必須の「お金をコントロールする力」を身に付けさせる

投資で稼ぐためには、資金管理が必須となります。なぜならば、投資はある程度の損失を承知のうえで利益を得るものであり、余裕のある資金管理ができてこそ利益を伸ばしていくことが可能だからです。

これができずにその場の気分や感情で資金を投じてしまうのは、投資ではなくギャンブルであり、お金に困らないどころかお金に困る生活になってしまうリスクがあります。

つまり、投資ではお金に振り回されるのではなく、「お金をコントロールする力」が必須なのです。

この力は大人になってからよりも子供のうちの方が身に付きやすく、投資だけでなく日常でのお金の使い方にも大きな影響を与えます。

では、「お金をコントロールする力」はどうやって身に付ければ良いのでしょうか?

1-3.こんなに大切なことなのに学校では一切教えていない

「お金をコントロールする力」は、投資でお金に困らない生活を手に入れるために必要不可欠ですが、残念ながら学校では一切教えていないのが現状です。
「こんなに大切なことなのに、なぜ学校で教えてくれないの?」とお思いでしょうか?

答えは単純で、日本国内の大人の大半が労働でお金を得ることは知っていても、投資でお金を得る方法を知らず、教えることができないからです。

だからこそ、この記事をお読みいただいているあなただけに、次に子供に実践させるべき効果的な投資教育をお教えします。

2.子供に実践させるべきたった1つの投資教育は「貯金」

子供に受けさせるべき投資教育はテキストやアプリなどによる勉強ではなく、「貯金」です。

このたった1つの投資教育を実践させるだけで、子供の「お金をコントロールする力」を大きく成長させることが可能です。

なぜ「貯金」でそのようなことができるのか、その理由を解説します。

2-1.貯金で収支のバランスを考えさせる

貯金は特別な知識が必要なく、誰でもできるくらい簡単だというイメージがあることから、「本当に投資教育になるの?」と疑問を抱く方もいらっしゃるでしょう。

しかし、貯金は誰でもできて当たり前のようでいて実はなかなか難しいもので、大人でも貯金ができないケースが多いのが良い証拠です。

貯金ができない人の共通点として、お金が入ったら入った分だけ使ってしまうといったことや、衝動買いや無駄使いなどをしてしまうなど、お金をコントロールする力が不足していることが挙げられます。

お金をコントロールするためには、お金は使ってしまうと貯まらないことを理解し、必要な出費と無駄な出費を分け、収支のバランスを考える力が必要です。

貯金は、この力を養うのに向いている教育方法だといえます。

2-2.貯金を習慣にする

お小遣いやお年玉の一部を貯金することは我慢が伴いますが、「お金を使いたい」気持ちをコントロールして貯金を継続することを習慣化しましょう。

そのためには、貯金したお金は徹底して使わないことです。使うお金はあくまでも貯金をした残りのお金でやりくりすることを当たり前にさせましょう。

これは、アルバイトで収入を得られる年齢になっても同じであり、欲しい物があっても計画を立てて使えるお金の中から賄うことや、別の収入源を持つことで対応するようにし、貯金には手を付けないことを徹底させることが重要です。

これによってその時の感情や気分でお金を使うことをせずに、お金をコントロールする力が身に付きます。

ここまでに述べたことを当たり前にしておかないと、大人になった時にお金をコントロールすることができず、お金に困る生活を送る可能性が高くなります。

2-3.貯金で「お金をコントロールする力」が身に付く

投資は勘や感情で資金を投じると、思わぬ損失を被って失敗するリスクが高くなります。従って、投資で成功するためには感情でお金を使うことをせず、使うべきお金と残しておくべきお金のバランスを考える資金管理能力、つまり「お金をコントロールする力」が必須だといえます。

貯金はこの力を養うことに向いているうえに子供でもできる投資教育なので、実践させることを強く推奨します。

3.「子供」のうちに貯金をさせるべき本当の理由

子供に貯金をさせるのは、お金をコントロールする力を身に付けさせることが目的ですが、「子供」のうちにさせることに大きな理由があります。

この理由を知ることで、漠然とした将来の不安よりも、確固たる必要性を感じて子供に投資教育をできるようになると考えられます。

3-1.周りの人よりも投資のスタートダッシュが早くなる

長年の習慣を大人になってから急に変えることは難しく、ついお金を使ってしまう習慣がある人がお金をコントロールすることは難しいため、徹底してお金を使わないところから始める必要があります。

しかし、子供のうちから貯金していれば投資が始められる年齢になった頃には、お金をコントロールできる基本的な力が身に付いているはずなので、大人になってからマネーリテラシーを身に付ける人より投資のスタートダッシュが早くなります。

投資は利益を得るために必要な知識が多く、いくらか経験を積む必要もあることから早く始めた方が効果が大きくなるので、お金に困らない生活を送るうえで有利になります。

3-2.まとまった資金が用意できる

子供のうちからコツコツと貯金ができていれば、お金をコントロールする力が身に付く頃にはある程度まとまった資金が用意できているはずです。

投資は日常生活で使う予定がない余剰のお金で行うことが基本なので、大人になってから資金を貯め始める人より早く投資を始めることができます。

従って100万円ほどの資金を貯金できたら、投資を始めてみると良いでしょう。

投資は余裕のある資金管理が鉄則なので、100万円の全て投じるのではなく、まずは10万円や20万円を使ってお金を動かしてみることを推奨します。

そうすることで「もっと買っておけばよかった」や「あの時はこうやって判断すれば良かった」など、お金をいかにうまく運用するかを真剣に考えるようになっていき、投資に慣れていくことができます。

3-3.自発的に投資の勉強に取り組める

投資を始めるとお金の流れとお金を動かすことの難しさを実感するため、今まで以上にお金に対する意識が高まり、今までは気にも留めなかった経済に興味が湧くなど、投資で利益を出すための勉強に自発的に取り組むことが見込めます。

そうやって自発的にコツコツと投資に関する知識を豊かにしていき、実践で学んだ知識を使うことを繰り返すことで、着実に利益を積み重ねることができる確かな投資力を身に付けることが可能になります。

4.まとめ

投資は資金管理やテクニカル分析などを用いた市場の分析など、求められる力や知識が多くあります。そのため、大人になってから投資に必要な知識や力を学び始めるよりも、子供のうちからお金の教育を受けて、段階的に投資の力を身に付けていく方が有利であるといえます。

その教育の一環として、ぜひ貯金を採り入れてみてください。

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