FXで損切りしないと起きる2つのシナリオと、損切りとFX上達との関係

青木博史

 

FXの大敵が損失であることは誰もが思うことですが、それでは損失を最小限に食い止めるための損切りについての考えはどうでしょうか。

レバレッジを効かせられるだけに少額であっても大きなトレードが可能なのが、FXのメリットです。しかしその一方で損失が出る時は大きくなりがちで、損切りの重要性がより高くなります。

この記事では、FXで損切りしないとどうなるのか?というテーマで、損切りの重要性や損切りしない場合のリスクについて解説します。「今までも大丈夫だったし、損切りしないでいてもなんとかなるのでは?」と考えている人は絶対に最後までご覧ください。

1.FXの損切りの重要性

FXの初心者向けの解説を見ていると、どこでも損切りの重要性が説かれています。なぜ損切りがそんなに重要なのか、その基本から解説していきましょう。

1-1.そもそもFXの損切りとは?

FXはレート変動の価格差を利用して利益を狙うことができる投資です。レート変動が思惑通りの方向に進めば利益が出ますが、その逆に動いてしまうと含み損が発生します。

その損失を確定させて、さらなる含み損の拡大を防ぐのが損切りです。もともとは株式投資の世界で使われている言葉ですが、FXでも一般的に用いられています。

1-2.損切り注文を入れる方法

FXで損切り注文を入れるには、いくつかの方法があります。

  • 含み損が出ている時に成行注文でポジションを決済する
  • 保有しているポジションに対して損失を確定させる逆指値注文を入れる
  • 最初からIFOなど二段階の注文で損切りの注文を入れておく

いずれも含み損が出ている状態で損失覚悟の決済注文を入れるという点では共通していますが、どの段階で損切り注文を入れるかによって性格が異なります。

1-3.自分の意思とは無関係に発動される損切りもある

先ほど解説した損切り注文は、いずれも自らの意思によって行う損切りです。それに加えて、FXには自らの意思にかかわらず強制的に損切りをされてしまうことがあります。

それはロスカットと呼ばれ、取引会社に預けている資金のほとんどを失ってしまうレベルにまで含み損が拡大すると、預け資産を超える損失を防ぐために強制的に決済される仕組みになっています。

ロスカットが発動すると、預け資産のほとんどを失います。「こんなことなら自分で損切りをしておけば良かった」と後悔しても時間を戻すことはできません。

2.FXで損切りしないとどうなる?

喜んで損切りをする投資家は皆無だと思いますが、嫌だからと言って損切りしないとどうなるのか?そのシナリオを解説します。

2-1.損切りをしたくない人間心理

含み損と損失の違いは、損失が確定しているか否かです。含み損がどれだけ出ていても確定させて損切りをしなければ、目に見える損失は出ません。

そのため、人間心理として含み損が出ているポジションがあるとしても、「いつかは相場が同じレベルに戻ってくる時が来る」という何の根拠もない期待のもとに、損切りしない状態で塩漬けにしてしまいます。

通貨ペアによっては、受け取りスワップが大きいこともあります。オセアニア系通貨やトルコリラ、南アランドなどはその代表格ですが、これらの通貨ペアで円売りポジションを持っていれば、スワップの積み重ねによって含み損を時間が解決してくれるかも知れません。

こういった事情が複雑に交錯することにより、特にFX初心者の中には損切りしない人がたくさんいるわけです。

2-2.損切りしない場合に考えられる展開

では、含み損が出ているポジションを持ったまま損切りしないと、その後どうなっていくのでしょうか。そこから考えられるシナリオは、2つしかありません。

2-2-1.相場がエントリーポイントまで戻ってくる

当初の相場観を外してしまったものの、その後別の理由によって含み損が出ているポジションがエントリーポイントまで戻ってくるというシナリオがあります。

これだと含み損を解消できるため、「結果オーライ」としてポジションを決済することができます。

2-2-2.相場がさらに反対方向に動き、含み損が拡大する

もうひとつのシナリオは、外してしまった相場観だけにレートはどんどん反対方向に進んでしまい、含み損が拡大し続けるという展開です。

多くの投資家が最も恐れている展開で、「こんなことならもっと早めに損切りをしておけば良かった」となってしまいます。

2-3.実際に多いのは「エントリーポイントまで戻る」という展開

エントリーポイントまでレートが回復する「結果オーライ」と、さらなる含み損の拡大。実際に多いのはどちらかというと、実は前者です。

エントリーした根拠とは裏腹に相場が逆方向に進んだものの反転して元のレートに戻ってくることが多いのであれば、損切りの必要性を感じないという声が聞こえてきそうです。

確かに目先の利益だけを見ると正しいかも知れないのですが、長い目でFX投資を考えた時に、こうした考え方はマイナスの結果をもたらします。その理由については、次章で解説します。

2-4.損切りしない怖さは「一度に資金のほとんどを失う」こと

レートの回復によって含み損を解消し、ポジションを無事決済できることが多いとは言え、100%ではありません。

しかも多いと言っても「やや多い」というだけで、さらなる含み損の拡大というFX最大のリスクは決して少なくありません。

このリスクが現実になると、見えてくるのは預け資産のほとんどを失うという最悪の結果です。それが手持ちの全財産だとしたらFX投資からの退場を意味しますし、実生活にも多大な影響を及ぼすことでしょう。

3.損切りの上達は、FX上達に必要不可欠

FXで利益を狙うという攻めに対して、損切りは守りです。損切りしないということは守りを放棄していることに他なりません。FX上達のためにも、守りである損切りが欠かせない理由を解説します。

3-1.損切りはFXの保険である

新規エントリーでポジションを保有する目的は、言うまでもなく為替レート変動による利益です。しかし必ずしも思っていた通りにならないことは、多くのFX投資家の方々が肌で感じておられることと思います。

では、思惑が外れて含み損が出た時にはどうするべきか?

その答えが、損切りです。損切り注文を出しておくと、そのポジションで損切りレベル以上の損失が出ないことをほぼ確定させることができます(相場急変動時のスリッページで損切りレベル以上の損失が出る可能性はあります)。

これは言わばFX投資の保険であり、損切りをしたことによって生じる損失は保険料だと思ってください。

3-2.損切りで全額を失うことはない

損切りしないことによって含み損が拡大し、ロスカットされてしまったら預け資産のほとんどを失います。しかし、自分で行う損切りで預け資産の損失をコントロールすることができます。

投資の世界には損小利大といって、損切りでリスクを最小限に留めて、儲ける時は大きく儲けるのが理想であるという言葉があります。

損切りしないということは、その反対の損大利小となる可能性があることを覚えておきましょう。

3-3.新規注文と同時に損切り注文を入れよう

以上のことから理想的な損切りは、新規注文時に利益確定だけでなく損切り注文を入れておくことです。

チャートを分析すれば、新規エントリーをする際の戦略として利益目標のポイントが見えてきます。

それと同時に「これ以上反対に動いたらその先はどうなるか分からない」というポイントも分析し、そこを損切りポイントとします。

IFO注文などの逆指値を利用して、新規エントリーの時点で攻めと守りの上限を確定することで、FX投資の安全性を高めることができるのです。

4.まとめ

FXで損切りしないとどうなるのか?というのは、多くの方が一度は持ったことがある疑問だと思います。その疑問に対する答えと、FX上達のために損切りを活用する方法を解説しました。

損切りを味方につけて一発退場になるリスクを回避し、FXで長期的に稼げる投資家を目指しましょう!

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