投資初心者向け|資産運用の種類と特徴|お金を増やす投資にはどんな種類がある?

青木博史

1.資産運用でお金を増やすなら、目的にあった資産の種類と特徴を知ろう

資産運用には貯めることを目的とした「預金」と、増やすことを目的とした「投資」があります。

安全に資産を守りながら増やしていくためには、100%の資金を「預金」として保有するのではなく、
何割かを「投資」にまわすというのが資産運用・投資の考え方です。
さまざまな資産に資金を分散投資することでリスクを回避していくということです。

低金利時代の今、銀行にお金を預けていても、金利が低いのでお金はなかなか増えません。

しかも、お金の価値が下がってしまうと、預金していると目減りする可能性もあるので、
資産運用・投資はこれからの時代を安心して生きていくためにも必要です。

この記事では、「預金」「貯金」といった「貯めること」ではなく、
「増やすこと」を目的とした資産運用・投資の種類と特徴についてお話しします。

 

2.資産は大きく2つに分類できる

資産には大きく分けて2つの種類があります。

一つはペーパーアセット、もう一つはリアルアセットです。

聞き慣れない言葉かもしれませんが、「アセット」とは日本語で「資産」のことです。

 

2-1.ペーパーアセット

ペーパーは紙。アセットは資産。

ですから、紙の資産のことを指します。
具体的には、株式・投資信託・国債など、現物としては存在し得ない「権利」の資産のことを言います。

例えば、Aという会社の株を持っているといっても、
その会社の何か現物に当たるようなモノを所有するわけではありません。
A社の権利の一部を資産として保有するということになります。

一般的に流動性が高く、紙切れなので持ち運びもしやすいのが特徴です。
よほどのことがない限り、すぐに現金化することができるという点も
投資資産として人気の高い要因の一つと言えます。

 

2-2.リアルアセット

ペーパーアセットは「権利」とういう抽象的な資産全般のことを指すのに対し、
実際に存在する資産のことをリアルアセットと呼びます。

実物資産、現物資産とも言いますが、分かりやすい例えで言えば、
不動産や、金、宝飾品、絵画などの芸術品、現金などがこれにあたります。

このリアルアセットと呼ばれるような種類の資産は、流動性が低く、
買い手が見つからないと現金化することはできません。
また、その資産によっては現金化するためには色々な手続きを経なければならず、
手続きだけで数ヶ月はかかる場合があります。

価格についても、ペーパーアセットと違い、決まりはありませんので、
扱う業者によって価格に開きが生まれるということも起こりやすい資産と言えます。

 

3.5つの投資資産の種類と特徴について

上記のように、資産の種類を『権利』と『現物』の二つに分類した上で、
次にお話ししたいことは投資資産の種類と特徴についてです。

資産には権利系の「ペーパーアセット」と現物系の「リアルアセット」があることは、
今までの話の中で理解できたと思います。

でも、この二つを知ったからといって、ちょっとまだ具体性に欠けるのでは?
と思う方も多いのではないでしょうか。

これから投資を始めようとする場合、1番に知りたいことは、

「どの投資資産を選べばいいのだろう?」

ということですね。

 

投資資産の種類は大きく分けて5つあります。

一般的には4つあると言われているのですが、ここではあえて5つとします。

  1. 事業資産・ビジネス資産
  2. 不動産資産
  3. 金や原油といったデリバティブ資産
  4. 銀行や証券会社などが取り扱っている金融資産
  5. 現金資産

この5つの投資資産のリアルアセットとペーパーアセットの特徴を理解してから
資産運用のポートフォリオを組むことが重要です。

なお、一般的には五つ目の現金資産は触れられませんが、
為替などに関しては金融資産とも現金資産とも分類することが可能です。

この記事では資産の種類の中に現金資産も加えてお伝えします。

 

3-1.事業資産

ビジネス資産ともいい、起業したり、会社・起業を買収するなど、
なんらかの事業へ資金を投入して利益を上げることを事業投資・ビジネス投資と呼びます。

事業資産にはリアルアセットとペーパーアセットの2つの種類に分けられます。

 

3-1-1.リアルアセットの特徴

リアルアセットとしての事業資産は、自分の会社・自分の事業を指します。

インカムゲイン(保有することで生まれる利益)を目的に事業資産に投資する場合と
キャピタルゲイン(売買差益)を目的に投資する場合に分かれますが、

流動性が低いので上手くいけば大きな利益を得ることができますが、

不発に終わったり失敗してしまうと大きな損失を抱えることになります。

 

3-1-2.ペーパーアセットの特徴

ペーパーアセットとしての事業資産は、事業型ファンドや株式投資などを指します。

事業型ファンドの多くの場合は、

太陽光発電事業や金採掘事業といった事業そのものに投資する形をとります。

相場ではなく、企業が提示した条件に沿って投資を行い配当を得るので、

基本的にはハイリスク・ハイリターンと言われています。

そのため安全な投資が前提となる「老後資金の形成」には向いていません。

 

3-2.不動産資産

マンション・アパート経営、マンション・アパート以外の賃貸経営のほか、土地、建物、
自分で居住するための家や別荘などのことを不動産資産と呼びます。

不動産資産には、リアルアセットとペーパーアセットの2つの種類に分けられます。

 

3-2-1.リアルアセットの特徴

リアルアセットとしての不動産資産は、土地・建物を指します。
不動産は価格変動が緩やかで、価値がゼロになることはないのが特徴です。

家賃収入などのインカムゲインを目的としたマンション・アパート経営や、
売却益を狙ったキャピタルゲインを目的とした不動産保有。
自分自身で居住するための保有など、不動産の運用は選択肢が多いといえます。

ただし、リアルアセットの不動産は、手続きも多く運用コストもかかりますし、
流動性が悪いので、売りたいときに即日売れないという欠点もあります。

 

3-2-2.ペーパーアセットの特徴

ペーパーアセットとしての不動産資産は、不動産リートを指します。

REITは投資家から集めた資金を不動産に投資し、
それによって得られるインカムゲインやキャピタルゲインを原資として
投資家に配当する投資信託で、一般的には不動産投資信託と呼ばれています。

比較的安定した配当が期待できること。流動性が高く換金が簡単なこと。
リアルアセットのような運用の手間がないことなどが特徴として挙げられます。

 

3-3.デリバティブ資産

デリバティブ資産とは、株式、債券、金利、通貨、金、原油などの原資産の
価格を基準に価値が決まる金融商品を指します。金融派生商品とも呼ばれ、
英語の「derived(派生する)」を語源にデリバティブと言われるようになりまた。

古くは米や綿花などの農作物を対象とした先物取引が起源とされています。

デリバティブ資産は基本的にはペーパーアセットなのですが、わかりやすくするために、
ここではリアルアセットとペーパーアセットの2つの種類に分けて説明します。

 

3-3-1.リアルアセットの特徴

先物取引が起源であるため、リアルアセットとしてのデリバティブ資産の代表格は
ゴールドやシルバー、原油、とうもろこしといったものをイメージしてください。

貴金属、宝飾品、絵画、芸術作品、クラシックカーといった商品資産も、この枠の中に入れると
わかりやすいと思います。

特徴は、保管に経費がかかることと、流動性がよくない商品もあることが挙げられます。

 

3-3-2.ペーパーアセットの特徴

ペーパーアセットとしてのデリバティブ資産は、代表的なものに原油・ゴールド・シルバー・通貨などで
大きく分けて先物取引、オプション取引、スワップ取引の3種類に分類されます。

デリバティブ取引の多くはレバレッジを効かせて効率的に資産運用ができる一方、
手持ち資金以上の損失を抱える場合があり、リスクも大きくなるので注意が必要です。

高リスク高リターンが特徴となります。

 

3-4.金融資産

金融資産とは、「実体」を持たないけれど「権利」が資産として評価することができ、
現金化できる資産のことを指します。

この金融資産の中に現金を入れる考え方もあります。

ただし、資産運用のポートフォリオを組むことを前提とした場合、
この項目に現金を入れるとまぎらわしくなると思いますので、
この記事ではわかりやすくペーパーアセットのみとして説明します。

 

3-4-1.金融資産=ペーパーアセットの特徴

金融資産は基本的にペーパーアセットであるというのが特徴と言えます。

株式・債券・投資信託・生命保険(掛け捨てタイプの生命保険を除く)・商品券や小切手などが
金融資産にあたります。

特徴は流動性が高く、換金が簡単なこと。
配当や株主優待といったインカムゲインも狙えることが挙げられます。

 

3-5.現金資産の特徴

現金資産とは、この記事ではあえて金融資産やデリバティブ資産に入れていない
現金そのものと為替を指します。

なぜ、このふたつを独立させて「現金資産」と分類したかというと
資産運用のポートフォリオを組む際に、この項目を設けた方が分かりやすいからです。

日本人は世界の中で最も貯金・預金が大好きな民族と言われてしまうくらい
資産のほとんどが現金である人が多いです。

現金とはどういう資産なのかを考える上で、ここではあえて現金資産と分類し解説します。

 

3-5-1.リアルアセットの特徴

これはまさに現金です。日本円の他、外貨も含めて現金のことを指します。

現金はインフレになると価値が下がるのが特徴です。

手元に現金があった方が、リスクが低いと考えがちですが、
物価が上昇すると現金の価値は下がります。

時代とともに価値が変化するのが現金の特徴です。

 

3-5-2.ペーパーアセットの特徴

一般的な考え方ではないのですが、ここでは「為替」のことを指します。

為替は国と国の強弱によってその価値が変化し、金利が発生するという特徴があります。

FXなどはデリバティブ資産のペーパーアセットにも属しますが、
ポートフォリオを組む上では現金資産としての位置付けをしてもOKだと思います。

機能としての種類分けか、対象としての種類分けかの差になりますので
この種類に関しては、自分にとって分かりやすい分類をしていくことをオススメします。

 

4.投資初心者向け|資産運用の種類と特徴|お金を増やす投資にはどんな種類がある?のまとめ

この記事では、「増やすこと」を目的とした資産運用・投資の種類と特徴について
リアルアセットとペーパーアセットの違いをベースにご説明させていただきました。

あらためて、最後におさらいしましょう。

  1. 資産は大きく「リアルアセット」と「ペーパーアセット」の二つの種類に分類できる。
  2. 投資資産には事業資産・不動産資産・デリバティブ資産・金融資産・現金資産がある。
  3. この5つの投資資産のリアルアセットとペーパーアセットの特徴を理解して
    まずは資産運用のポートフォリオを組むことが重要!

まずは、この3つを覚えてください。

資産運用や投資は、長期目線で行うことでお金を増やしやすくなります。
資産の種類や特徴をよく理解した上で、資産運用を始めましょう!

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